250年前の古い蔵を使った本物の古民家。青森の南部民芸料理「蔵」

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2017/07/12

最後のシメは、「せんべい汁」

最後の〆は、女将さん自らが鍋からつぎ分けてくれる「せんべい汁」だ。

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鶏だし(店によってはサバだし)の中に、「南部せんべい」を入れて作る、八戸で古くから食べられてきた郷土料理だ。

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実は今日の昼食のときに、八戸市内の和食店「やま文」で、「寿司+すいとん」のランチセット(1,080円)をいただいた。「この辺では『すいとん』のことを『ひっつみ』とか『とってなげ』と言って、昔からよく食べてたんですよ。今ももちろんよく食べるんですがね」同行していた地元の方が、そう教えてくれた。

そのときに、「八戸名物の『せんべい汁』も、もともとは同じようなものなんじゃないかと思うんですよ。小麦粉を練って『すいとん』の具を作る代わりに、『南部せんべい』を割って放り込んだ。そのほうが準備が楽ですもんね」という話も聞かせてくれたのだった。

ここ「蔵」の「せんべい汁」をいただいて、『なるほど! 「せんべい汁」と「ひっつみ」とは、同じような料理なんだなあ!』と改めて認識した。

この「せんべい汁」。〆の料理なんだけど、汁がうまいので、ついついこの汁で、また燗酒をグイグイと飲んでしまった。すばらしい料理だ(笑)。

魚介類も野菜類も美味しいのが八戸の料理の大きな特徴なんだなあ。今夜はそんな八戸料理をたっぷりと堪能することができた。

どうもごちそうさま。

  • 南部民芸料理 蔵
  • 青森県八戸市十三日町28 花真ビル1F
  • 0178-22-1027
  • 17:00~22:30

 

  • image by:浜田信郎
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

 

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昭和34年1月、愛媛県松山市(旧・北条市)生まれ。高校時代までを愛媛県で過ごした後、福岡の大学へ進学。学科は工学部造船学科。昭和58(1983)年就職で広島県の造船所へ。東京、横浜、広島、横浜、ブラジル(レシフェ)、東京と、14年間にわたった単身赴任生活を終える。平成29(2017)年4月に海事系の団体に転職。広島・呉出身の妻と、長女、長男の4人暮らし。主な著書に「居酒屋礼賛 立石編」(学研スマートライブラリ)、「とりマニア」(メディア・パル)、「東京飲み歩き手帳」(ぴあ)など多数。

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