都会にいても「ふるさとを応援したい!」で立ち上げた飲食交流サロン

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2016/11/16

都会にいながら故郷の懐かしい料理を味わえる場所が東京・神田駅近くにありました。その名も「なみへい」。全国各地のふるさとの料理を提供している交流サロンなんです。一体どんなどころなんでしょう?

「ふるさとを応援したい!」との想いで立ち上げた交流サロン

地方創生は地方にいなければできないというわけではありません。都市部には、地方から出てきた人がたくさんいます。今やシニアと呼ばれるようになった年代の人たちは、多くが若い時に就職や入学で都会に出てきました。ふるさとはなつかしい。そうであれば、都会にいながら故郷を応援できる場を作ればいいのです。

それを実現させたのは、青森県出身の川野真理子さん(60歳)。

なみへいの女将・川野真理子さん

2008年7月、地方の自慢の食材と料理を提供する「全国うまいもの交流サロン なみへい」をオープンさせました。店舗はJR神田駅の近くという好立地。

それにしても、「なみへい」とはユニークな店名。川野さんは「私達が子どもの頃に見ていたサザエさんや波平さんを代表とする昭和の時代の優しさと素朴さを、店に取り入れたかった」からだといいます。

「なみへい」は日本中のおいしいもの、珍しいもの、郷土料理を提供するお店です。しかし、単なる地方の物産紹介所でも飲食店でもありません。

人口減少と高齢化で活気が失われていく故郷。しかし、そこには変わらずに暮らす人たちとがんばる生産者がいます。そんな地方に光を当てたい。故郷で農業・漁業に従事する人たちには少しでも現金を得られる場を、東京在住の故郷出身者には故郷を想う場や同郷の人とつながる場を、故郷をもたない人には第2の故郷が作れる出会いの場を提供するために作った居酒屋です。

もともと起業家ネットワークNPOを運営していた川野さん。その経験を生かして、なみへい開店にあたっては、コンセプトに賛同する出資者から協力をもらいました。さすがです。

お客さんには食材の説明も

創業から8年、今、「なみへい」には、故郷を懐かしむ人故郷の食を求める人日本中の珍しくておいしいものを探している人が立ち寄り、さまざまな交流が生まれています。


提供する食材や料理のほとんどは川野さん自らが出向くなどして集めるか、地方の生産者が持ち込んだものを厳選して提供しています。さらに、サンプルを持ち込んで、ご当地自慢をしたい人にはPRできる機会も作っています。

「真田丸のしゃぶしゃぶ」や「なるこちゃんこ鍋」

「なみへい」のユニークなところは、1か月単位で特定の地方を特集して、その土地の名物料理や食材をメインに提供しているところ。ちなみに、11月の特集は長野県上田市と宮城県大崎市。大崎市のお米「ささ結」、宮城野部屋認定のなるこちゃんこ鍋、信州上田地どり真田丸の胸肉しゃぶしゃぶ、信州太郎ぽーく角煮の白菜ロール−昆布あんかけ、などなど、よだれの落ちそうなメニューが並んでいます。

なみへい風 なる子ちゃんこ鍋
先月の特集地域は、茨城県かすみがうら市と岩手県一関市
熊本県玉名市産みかんを使ったみかん鍋

12月は熊本県玉名市岩手県北リアス地域(岩泉町・野田村・田野畑村・普代村・久慈市・宮古市)の予定。被災地支援も忘れてはいません

特集した地域のメニューは、徹底的にPRをおこないます。

① 1か月間、地元の特産品を使ったコース料理を提供
② 店内にポスター・チラシ、店頭にのぼり旗を置いて地域をアピール
③ 特集地域の日本酒・焼酎・国産ワイン等の和酒を提供
④ 店内で特集地域の物販販売
⑤ フェイスブックなどSNSを活用して情報を拡散
⑥ メールマガジンで告知などの方法

100インチのスクリーン、プロジェクターを使って、貸切イベントをすることも可能だそうです。

PRのための費用は1ヶ月間40万円(12月の繁忙期は50万円)。しかし、東京の店舗で食材を使ってもらい、大々的にPRしてもらえると考えれば、決して高くないのではないでしょうか。

当月のすすめはボードに

川野さんは、自治体や商工会・地元企業とのコラボで、出身者ネットワークやサポーターたちの交流会、郷土料理食事会などに広げていきたいと語っています。多くの地方を都会の人たちに紹介することで、その土地を訪れる人も増えることでしょう。まずは、知ってもらうことが重要なのです。

忘年会・新年会のシーズンはまもなく。同郷の仲間と故郷の名物を、あるいは気になる地方の料理を楽しむには格好の場所でもあります。

全国うまいもの交流サロン なみへい 

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シニアライフアドバイザー。2000年から団塊・シニア世代のライフスタイルや動向を調査し、発信中。全国各地の自治体で「地域デビュー講座」の講師なども務める日々。当事者目線を重視しています。

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