ニッポンの近代化を見守ってきた、東京「日比谷」の知られざる逸話

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2018/08/22

日本初にして世界初。他社線との相互乗り入れを行った「日比谷線」 

東京メトロの日比谷線(北千住・中目黒間、20.3km)は1957年、銀座線、丸ノ内線に次いで、計画された地下鉄です。総工事費348億9300万円をかけて整備された背景には1964年10月に開催される東京オリンピックに向けて、都心の交通網の利便性を高めることにありました。 

image by:DAJF / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

この日比谷線が行ったのは、他社線との相互乗り入れ。北千住から東武伊勢崎線へ、中目黒駅からは東急東横線への乗り入れを実施したわけです。今では他社線との乗り入れは珍しくありませんが、これは日本初にして、世界でも最初の取り組みでした。相互乗り入れを行った結果、都心の交通網は格段に利便性がアップしたそう。 

日比谷駅には日比谷アーケードという地下鉄直結の大きな通路があります。東京ミッドタウン日比谷の地下にあり、地下鉄日比谷線・千代田線の日比谷駅に直結しています。かつて、日比谷のシンボルといわれた三信ビルディングの部材を活用した、美しいデザインが目を楽しませてくれます。 

ネーミングは海賊映画から。バイキング発祥の「帝国ホテル」 

食べ放題の代名詞であるバイキング。“好きなものを好きなだけ”という食のスタイルを日本で生んだのが帝国ホテルで、日本初のバイキングレストラン、インペリアルバイキングは1958年に誕生しました。この新しい食のスタイルは当時の帝国ホテル社長の犬丸徹三がデンマーク・コペンハーゲンを訪れ、好きなものを好きなだけ食べる「スモーガスボード 」に出会ったのがきっかけとなりました。

帝国ホテル

研究の末、日本にその食スタイルを持ち込んだというわけです。開業当時は予約制でお昼1,200円、夜1,500円。宿泊料金と同じ高額なものでしたが、行列ができるほど流行したそうです。 ちなみにバイキングのネーミングはカーク・ダグラス主演の映画 「バイキング(アメリカ・1958年)」に登場する北欧の海賊が豪快に食べるシーンからヒントを得たそう。帝国ホテルのロビーにはインペリアルバイキングの当時のメニューや映画「バイキング」の写真が展示されています。  

映画「バイキング」の写真

帝国ホテルでこんな看板を発見!

前述した帝国ホテル社長の犬丸徹三が支配人を務めていた1923年、ゲストがホテルの外に出ることなくお買い物を楽しめるよう、ホテルに直結したショッピング街が作られました。これが日本で最初のアーケードである「帝国ホテルアーケード」の誕生でした。 

いかがでしたか? 知っているところもあれば、意外な日本初もあったのではないでしょうか。西洋式公園も信号機もバイキングも、日比谷には日本で初めてのものが溢れています。「TOHOシネマズ日比谷」も「東京ミッドタウン日比谷」も魅力的な施設ですが、日比谷へ行く際はぜひ歴史ある場所でレトロな日本を楽しんでみてください。

  • image by: slyellow / Shutterstock.com
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人生の設定は「いつでも、どこでも、食いしん坊バンザイ!」。人に会い、土地を歩き名物にふれ、郷土の味をあじわいつくす、をテーマに今日もどこかを踏みしめ歩いています。広島県生まれ。

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