関東初公開の文化財も。ホテル雅叙園東京「百段雛まつり」開催
2018年の12月で創業90周年を迎えた「ホテル雅叙園東京」は、「日本美のミュージアムホテル」と名高いことでも知られています。そんな同施設にて、2019年3月10日(日)まで「百段雛まつり 青森・秋田・山形ひな紀行」が開催されます。
館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」へ日本各地の歴史ある雛人形が集結する本展は、過去9回の開催で延べ55万人を超える来場者数を記録する都内最大級の雛人形展です。季節限定の見逃せないイベントの概要を、早速チェックしてみましょう。
現地でしか出会えない珠玉のお雛さまと絢爛豪華な文化財とのコラボレーション
第10回目となる今回は「青森・秋田・山形」をテーマに、3県8地域より約1,000点の名品が集結しています。関東初公開となるのは、日本屈指の桜の名所として知られる城下町の青森・弘前の「旧弘前藩主津軽家の雛道具」です。
最後の弘前藩主・津軽承昭(つがるつぐあきら)伯爵が明治後期に誂えたものと伝えられる「蝋色笹唐草御紋付雛道具(ろいろささからくさごもんつきひなどうぐ)」は、すべてを並べると全長16mにもなる逸品です。
津軽家から弘前市立博物館へ寄贈されたもので、大名家の姫君の華やかな生活を彷彿とさせるような婚礼調度の数々はまさに圧巻。関東での公開は本展が初となり、貴重な閲覧のチャンスですよ。
更に東京初公開となるのは、秋田県の南西部に位置する由利本荘の「本荘藩主六郷家の極小雛道具」です。第11代本荘藩主 六郷政鑑(ろくごうまさあきら)の娘、賀子(よしこ)様の婚礼祝いに贈られた古今雛と雛道具を特別公開し、約50種類・総数およそ450個にも及ぶ極小の雛道具が展示されます。
黒漆に牡丹唐草の金蒔絵が施された精巧な作りで、江戸時代後期から幕末期にかけて江戸上野で製作された「七澤屋物」と伝えられるこの雛道具は、江戸の贅のひとつにも数えられ、「その値は実に世帯を持つより貴し」とまで言われていたものです。きらびやかな姫君の婚礼調度の世界がじっくりと堪能できます。
江戸時代に北前船交易の一大拠点として繁栄した山形県酒田市からは、高さ40cmにもなる江戸時代のお雛さまと、福岡県柳川市の「さげもん」静岡県稲取市の「雛のつるり飾り」とともに、日本三大つるし飾りのひとつに数えられる伝承民俗文化財「傘福」が登場しています。
傘福を展示する「漁樵の間」に限り、展示会場内での撮影も可能となっています。
ほかにも、紹介しきれないほどの豪華で貴重な品々がそろう今回の展示。旧家に伝わる優麗な古今雛から高さ2mを越える圧巻の段飾り、手のひらにおさまる極小の雛道具まで。
時代を超えて青森、秋田、山形の町々に春の訪れを告げる、雅やかなお雛さまの名品が文化財「百段階段」に集う姿から、初春を感じてみてはいかがでしょうか。
source:@Press!
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