語り継ぐべき負の遺産。「アウシュヴィッツ」見学ツアー体験記

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2019/09/11

3. 死の壁

image by:Haru

形式だけの裁判で死刑をいい渡された収容者たちが、裸にされて次々と銃殺された場所です。壁には生々しい弾痕が残っており、収容者の体を貫通したものだとわかります。

壁には献花が並び、祈りを捧げる人々があとを絶ちません。ユダヤ人一行らしき人々が、そこからしばらく動かず祈りを捧げているのを見て、胸が締め付けられる思いでした。

4. 集団絞首台

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収容所の中心広場にある絞首台です。ここは脱走や情報漏洩などの罪人の処刑所、いわゆる「見せしめ」として使用されました。かつて複数の人が吊るされた姿は、想像しがたい光景です。

5. 鉄条網

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収容所はこのように有刺鉄線が張られた鉄条網で囲まれています。網には電流が流れていました。要所に監視塔もあり、ここから脱出することは極めて困難であることがわかります。

6. ガス室

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アウシュビッツで一番有名なのがガス室です。シャワーの時間と偽り、収容者をここに閉じ込め「死のシャワー」を浴びせ大量殺りくを行っていた場所です。

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死のシャワー。一緒に見学していた人は、途中で耐えきれず駆け足で出て行ってしまいました。感受性が鋭い人にはあまりおすすめできない場所です。

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焼却炉です。ここで体は焼かれ、煙突から出る煙は決して止むことはなかったといいます。

7. ビルケナウ

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ビルケナウはアウシュビッツからシャトルバスで10分程度の場所にあります。通称「死の門」といわれ、収容者はまずここで働ける者とそうでない者に選別され、働けない者は即ガス室に送られました。

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収容者は何も知らずに貨物列車で連れてこられました。すし詰めの車内環境は劣悪で、辿り着いた時点で衰弱している人も少なくなかったそうです。


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レンガ造りのバラック内のベッド。ここに1段で5人が寝かされました。室内は人の汗や排泄物で悪臭が立ち込め、シラミやネズミが住み着いていたといいます。

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こちらは敗戦濃厚となったナチスが証拠隠滅のために破壊した建物といわれています。しかし、戦後さまざまな証言からその証拠は消えることなく、ぎゃく殺に関与したナチス関係者は自殺もしくは裁判にかけられ処刑されました。

アウシュヴィッツへの行き方

image by:Shutterstock.com

アウシュヴィッツはオシフィエンチムという街にあります。オシフィエンチム自体はとても小さな街で、ホテルも少ないため、基本的にはクラクフという街から日帰りで向かうことになります。

このクラクフも、街全体が世界遺産に登録されている美しい街なので、ぜひここを拠点にしてください。クラクフからは列車もしくはバスで2時間程度です。

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バスはアウシュヴィッツの目の前まで行きます。列車だと最寄りのオシフィエンチム駅から徒歩で20分くらいかかります。

アウシュヴィッツの見学ツアーは3時間程度ですが、その内容は非常に濃いものがあります。ガイドさんは淡々と話しますが、何かを伝えようという強い熱意を感じました。

アウシュビッツをテーマにした書物や映画はたくさんあり、そのどれもが気持ちを沈ませるものです。しかし、実際に訪れてみたら深い悲しみと同時に、逆に非常に前向きに平和を願うことができました。

同じ過ちを犯さないよう、次世代に引き継がなければならないと心に誓う。そんな時間がここにはありました。

  • image by:Cavit Gencturk/Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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