ヨーロッパの中でも物価が安くて穴場?かわいいが詰まった美国「ポルトガル」へ
ユーラシア大陸最西端の国「ポルトガル」。古くから日本と関わりが深く、戦国時代に鉄砲を伝えられたことは有名ですよね。
現代まで日本に馴染んでいる文化が多く、あまり意識せず使っている「パン」や「金平糖」という言葉は、ポルトガル語が由来になっています。
日本ととても関わりが深いけど、実はあまり詳しく知られていないポルトガル。観光をするなら、ほかのヨーロッパの国と比べて、穴場かもしれません。
目次
ポルトガルってどんな国?
ポルトガルといえば、ユーラシア大陸の一番西に位置していて、陸続きになっているのが隣国のスペインです。ジブラルタル海峡を挟みますが、モロッコともとても近いのが特徴です。
このような位置関係で想像できる通り、かつてポルトガルの一部はイスラム教に支配されていた時代もありました。
15世紀には大航海時代の先駆けとなり、南アフリカの喜望峰(ケープ・オブ・グッド・ホープ)を越えて、インド航路を切り開くなど、最も早く世界中を渡り歩いた国ともいえます。
首都・リスボンにある「発見のモニュメント」は、航海者を援助したエンリケ王子を先頭に、フランシスコ=ザビエル、ヴァスコ=ダ=ガマなど人物像があり、インド航路へ旅立った船出の地。ここから大航海時代が始まったかと思うとワクワクしてしまいますよね。
ポルトガルではカトリック教徒が大多数を占めますが、過去にイスラム教に支配されていた地域もあることから、一部にはかつてのイスラム文化を色濃く残した建物や装飾があることも有名です。
土地面積の小さな国ではありますが、15カ所もの世界遺産があり見どころがたくさんあるんですよ。
日本からの直行便・時差は?空港から市内へのアクセスは?
直行便はなし、乗り換えが必要!
2024年12月時点で、日本からポルトガルへの直行便はありません。そのため、ヨーロッパの主要都市で乗り継ぐ必要があり、リスボン空港(ウンベルト・デルガード空港)まで17〜20時間程かかります。
リスボン空港から市内へのアクセスは「シャトルバス」がおすすめ
空港から市内へのアクセスは、シャトルバスや電車でおおよそ30~40分程度。電車は安くておすすめですが、乗り換えが必要なので、不安な場合はシャトルバスのほうが良いでしょう。シャトルバスには荷物置き場やWi-Fiがあるのでなにかと便利ですよ。
タクシーでは約20分程度と、市内へスムーズにアクセスできますが、公共交通機関より金額がかなり高いです。
日本との時差は9時間、ただしサマータイムに注意
日本との時差は9時間で、サマータイムが導入されているため3月最後の日曜日から10月最後の日曜日までは8時間の時差になります。なお、スペインとは隣同士ですがマイナス1時間の差があるので注意が必要です。
ポルトガルに行くならいつがおすすめ?
1年を通して温暖な気候ということができ、なかでも6月〜9月までが乾季のベストシーズンです。
夏は暑くなりますが、湿度がないのでカラッとしていて観光には最適です。ただし日陰や朝晩は冷えますので羽織のものをひとつ持っていたほうが安心です。
冬でも東京と比べるとそこまで寒くないので観光も難しくはないですが、不安定な天候になりやすいので、折り畳み傘を持ち歩くなど注意が必要です。
ポルトガルの物価は安い?英語は通じる?
ポルトガルはEUに加盟しているため、通貨はユーロです。ただ、ポルトガルの物価はユーロ圏でも安い方で、日本と比べてもそれほど高くはありません。
普通のレストランで食事をしても飲み物代金を含め、20ユーロ(約3,167円)ほどあれば十分でしょう。
よくヨーロッパは水より酒のほうが安いといいますが、ポルトガルもそのうちのひとつ。ワイン1杯1ユーロ以下のお店も数多く存在します。
また、交通費やホテル代もかなり安く抑えられるので、ヨーロッパに行きたいけど旅費はなるべく安くしたい!という方にはおすすめの国です。
チップは義務ではないですが、気持ちのいいサービスをしてもらった際には、レストランでは5〜10%程度の金額をテーブルに残しておくといいかもしれません。
都市部では英語が通じる!「ありがとう」はポルトガル語で「オブリガード」
公用語はポルトガル語ですが、観光で行くような都市部では、ほぼ英語が通じるのも嬉しいポイントです。ポルトガル語と日本語は通ずる点がありますので、ポルトガル語が語源の言葉はぜひそのまま伝えてみましょう。
また、挨拶やお礼の言葉は比較的簡単で、とくにポルトガルの感謝の言葉「オブリガード」を積極的に使って現地の人とコミュニケーションをとることをおすすめします。きっと仲良くなれるはずですよ。
ポルトガルのおすすめグルメ&お土産
現地グルメの代表格、海鮮リゾット「アローシュ・デ・マリシュコ」
ポルトガルは大西洋に位置しているので、シーフードが新鮮でとても美味しいです。とくに「アローシュ・デ・マリシュコ」という海鮮リゾットは絶品!
海老や蟹、アサリ、タコやイカなどの旨味がぎゅっと凝縮されており、水分が多めですがしっかりと味がついています。
どこか懐かしいエッグタルト「パステル・デ・ナタ」
また、「パステル・デ・ナタ」というエッグタルトは、ポルトガルで知らない人はいないほど有名なお菓子です。
かつてジェロニモス修道院の修道女達が作ったといわれるこのエッグタルトは、シンプルでどこか懐かしい味わいがポイント。生地はサクサク、中はフワトロな食感も楽しめますよ。
見るだけで気分がアガる、装飾タイル「アズレージョ」
ポルトガルで人気のお土産は、「アズレージョ」という装飾タイル。白地に青色で描かれたものがメジャーですが、お土産ではたくさんの色や柄が1枚ずつ売られているので、どれにしようか迷ってしまうほど。
アルファベットのものを組み合わせて、同じく名産品のコルクの枠組みにいれれば、世界でひとつのオリジナル表札ができあがります。
一つひとつの絵柄が手書きで造られているものもあるので、同じ柄でも物によって微妙に違いがあるところも味がありますね。
「ポルトワイン」は現地で試飲を
また、スーツケースに余裕がある人は「ポルトワイン」もおすすめ。ポルト市内の一部の地域で造られたもののみがポルトワインと呼ばれ、特徴はその甘みにあります。
通常のワインよりも度数が高いのですが、まろやかな舌触りでどんどんと飲めてしまうんです。お土産に購入する場合は試飲ができることもあるので、味を確認してから購入できるというところもいいですよね。
ポルトガルで「行きたいところ」「やりたいこと」
色鮮やかな装飾が美しい「ペーナ宮殿」
リスボンから電車で約40分ほどのあるシントラにある「ペーナ宮殿」。その外観は、宮殿といわれて想像するような色合いとは程遠く、黄色と紫が前面に押し出されたカラフルさ。
ゴシック、イスラム、ルネサンスなど、さまざまな建築技法を取り入れており、扉や装飾などを切り取って見てみると場所によって違った顔が見えるのがおもしろいところです。
とくに「アズレージョ」という、美しく模様付けされたタイルを使用した箇所は華やかで、いろんなところで見ることができますよ。
ユーラシア大陸最西端「ロカ岬」
また、シントラまで行ったら、さらに西に行ってぜひ「ロカ岬」まで足を運んでください。
ユーラシア大陸最西端の断崖絶壁で大西洋の風を感じると、地の果てまで辿り着いたんだと、なんだかロマンを感じてしまう場所です。
「ここに地果て、海始まる」という、ポルトガルの詩人が詠んだ詩の一節が刻まれた記念碑があります。
また、ロカ岬に建つ観光案内所等では、「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を発行してもらうことができ、旅のお土産にもなるのでぜひ発行してもらうのをおすすめします。
日本のCMで有名舞台になったロケ地も!
首都リスボンの街並みは、白い外壁に赤い屋根で統一されており、もちろんとても美しいのですが、日本人で昔流行った消臭リキのCM舞台になったところでもあるんです。その名も「ミゲルの丘」。
トラムで丘の上まで行くと、そこにあるのは一見、普通の公園。地元の人々の憩いの場所になっているため観光客もほとんどいません。
ただし、CMをみたことがある人なら、この美しい風景にピンとくるはず。日本人にしかわからない穴場の有名スポットに行ってみたくありませんか?ここに来れば思わず叫びたくなってしまうはずです。
有名なジブリ映画にそっくりな街も!
そして、ポルトガル第2の都市と呼ばれているポルトも忘れてはいけません。ここポルトは、ジブリ映画『魔女の宅急便』の舞台にそっくり。
まずは「ドン・ルイス一世橋」を渡り、さらに高台にある「セラ・ド・ピラール修道院」まで行ってみてください。
おすすめは夕暮れ間近のマジックアワー。強いオレンジ色の光がだんだんと吸い込まれて紫や紺が混じった空をバックに、オレンジの屋根が円形の土地に段々に連なり、大きな川の上をまたぐドン・ルイス一世橋の横を主人公・キキが飛んでくるのではないかと思ってしまうほど。
異国の地で日本のアニメを感じられるところはそう多くはないので、少し懐かしいような感慨深い気持ちになってしまいますね。
物価が安く、たくさんの美味しい食べ物と、歴史を感じる美しい景色、そして可愛いお土産を考えると、旅行をしない理由が見つからないですよね。
治安も他ヨーロッパ諸国と同じく、海外にいる上での一般的な注意をしていればトラブルに巻き込まれることは少ないでしょう。
可愛いが詰まったポップな建物や美しい街並みはまさにフォトジェニック。ポルトガルを訪れた際は、その一枚を写真に収めてみてはいかがでしょうか。
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