カワイイ愛知の伝統文化。1300年の歴史を誇る「練り込み技法」
愛知県の伝統陶芸の技法のひとつ、「練り込み技法」をご存知ですか?古くから伝わるこの伝統文化がかわいいと、 若い女性たちをはじめ、世界からも注目を集めているのです。
愛知県に伝わる「練り込み」って、どんな技法?
愛知県瀬戸市は陶芸がさかんな街。「練り込み技法」とはおよそ1300年もの歴史をもつ陶芸の装飾技法のひとつで、色の異なる粘土を練り合わせたり、交互に積み上げたりしながら模様を成形していく手法のことです。
その積み上がった粘土をスライスすると、巻き寿司のようにどこを切っても同じ柄が出てくるのが特徴。絵付けでは表せないような、素朴であたたかみのある雰囲気が魅力です。しかし、なぜ今になってその伝統技法に注目が集まっているのでしょうか。
柄の「歪み」が最大の魅力。水野智路の作品に世界が注目
「練り込み」が注目されるようになったのは、SNSの投稿がきっかけのよう。こちらは若手陶芸作家、水野智路(みずの ともろ)さんの作品です。
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水野さんは親子3代にわたって練り込み技法を継承する数少ない陶芸作家。作品展や練り込み実演のため、百貨店や商業施設など全国各地を飛び回っています。
おじいさんとお父さんは、瀬戸市の指定無形文化財保持者。水野さんも次世代を担う若手陶芸家として期待されています。
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こんなにポップな瀬戸物が伝統陶芸なの?と驚く方も多いかもしれません。
まさにこのポップさが若い女性たちにウケた理由。星柄やパンダ、ひよこにバイクなど、キャッチーな作風が「かわいい!」と現代にマッチしたのです。練り込みの特徴である柄の「歪み」が生かされ、デザインのゆるさが増しているのがまたかわいいですね。
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SNS上で作品の写真や動画をあげ続けているうちに海外のファンも一気に増え、現在インスタグラムのフォロワー数は17万人超え(2019年8月時点)。陶芸ファンのみならず、かわいいものに敏感な若い世代からも注目されています。伝統文化を担う若手クリエイターは、発信力もすごいのですね。
製作中の様子や作品の写真はもちろん、粘土がスライスされて柄の断面が表れる瞬間を残した動画の投稿は、きっとわくわくして目が離せなくなってしまうはず。興味のある方はぜひ彼のインスタグラムをのぞいてみてはいかがでしょうか。
水野智路さんInstagramアカウント
練り込み技法と地元名物「ごも飯」も味わえるツアーが開催中
「見ているだけじゃつまらない、自分も作陶してみたい!」というアクティブな方に朗報です。
期間限定で瀬戸市の観光タクシーツアーが開催されており、無形文化財保持者である水野さんのお父さんが実際にレクチャーしてくれる、ワークショップイベントに参加することができます。普段、陶房ではこのようなイベントをおこなっていないため、同ツアーの参加者しか体験できないスペシャルプランです。
しかも、昼食には「名代五目めし 四季乃舎」にて、瀬戸伝統の味「ごも飯(五目ご飯)」を味わえるという豪華な内容。瀬戸に代々伝わる窯元の家を忠実に再現した店内は、風情があり雰囲気も抜群です。
タクシーに乗りながら移動できるので、雨の日やお子様連れの方も安心。有意義なひとり旅にも最適ですよ。ぜひこの機会に愛知の魅力を思う存分、楽しんでみてはいかがでしょうか。
- 【瀬戸おもてなしタクシー】陶芸体験&せとめしランチコース
- 愛知県瀬戸市内を観光
- 052-253-6324(観光販売システムズ)
- 名鉄尾張瀬戸駅
- 大人6,000円(4名)〜
- 2019年4月1日(月)〜2020年3月31日(火)
- 12:00〜15:00
- 水野智路さんInstagramアカウント
- 定休日:毎週 月・火曜日、12月29日(日)〜1月5日(日)
- source:愛知県観光振興課
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。