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京都には「なれずし」に鯖を使う伝統食があった!

KYOTO SIDE
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2019/10/20

「鯖(さば)なれ寿司」ってご存知ですか?いえいえ、鯖寿司ではなく「鯖なれ寿司」。なれ寿司といったら滋賀県のふな寿司などが有名ですが、鯖をなれ寿司にするってどういうこと??

京都には鯖寿司ではなく、なれ寿司にする地域があるんですって。一体、どのようなもの? というわけで、さっそくリポートします。

鯖を「なれ寿司」にするって?

滋賀県で作られる「鮒寿司」

「なれ寿司」というのは主に魚を塩とご飯で乳酸発酵させ酸味を生じさせた食品。現在のお寿司は酢飯で作りますが、乳酸発酵させた寿司が本来の寿司(鮓)だともいわれています。

「なれ寿司」は全国各地にあって、近くでは滋賀県の「ふな寿司」が有名。他にも石川県や富山県などで作られるカブラとブリを漬けた「かぶら寿司」、ご飯や麹をハタハタ、野菜などと一緒に漬け込む秋田の「ハタハタ寿司」などがあります。

【地図】Google map

そして京都では、「鯖なれ寿司」があるんです。美山町内いくつかの地域で作られています。福井県から周山街道とよばれる国道162号を通る西の鯖街道から車で5分ほど山間に入った、京都府南丹市美山町の鶴ケ岡や豊郷地区。

どんなお寿司なんだろう…と思っていたら、9月のとある日曜日、「鯖なれ寿司づくり教室」が美山町豊郷の洞公民館で開催されると聞き、行ってきました!

こちらには昔から地元に伝わる「栃もち」「鯖へしこ」など食文化の保存・開発・普及に取り組む「洞しゃくなげグループ」があり、本日の教室の先生も務めておられます。

鯖1本に最少でも笹3枚が必要なお寿司

材料は、塩漬けの鯖とご飯、たっぷりの笹。鯖1匹に対し最少で笹3枚が必要なんですって。マダムに伺うと「昔は沢山生えていたのですが鹿などに食べられて笹が随分減ってしまい、確保するのが大変なんです」とのこと。だから郷土食のために笹を育ててもいるそうです。

さて、塩漬けにした鯖は前日に洗って目や骨、ヒレなどはずし酢にくぐらせて一晩置きます。


今日の工程はここからスタート。柔らかめに炊き上げたご飯に酢(必要に応じて塩を混ぜる)を振り、楕円形のおにぎりを作ります。ご飯は新米より昨年採れたお米の方がいいのだとか。ご飯が崩れないように、しっかり握ります。

そして開いた鯖のお腹におにぎりをのせ

上に笹の葉を置いて軸を頭に通し形を整え、酢に通したフキンで包んで形を整えます。ここで判明! ふな寿司もご飯を一緒に漬け込みますが、このご飯は食べないか、もしくは別に食すのですが、鯖なれ寿司は、ご飯付きの鯖寿司ごと発酵させてしまうんですね!! びっくり!! 

「そうなんです。そして、発酵食品なので自然が相手。なかなか思う通りの味にならなくて、作っているときはいつも心配してドキドキしているんですよ」とマダム。

桶の底に笹を敷いて先ほどの鯖寿司を隙間なく並べ、できた隙間には笹にご飯をのせてギッチリ詰めます。

前日の下準備で外した骨なども隙間に入れると良い出汁が出てコクがプラスされるのだとか。これを数段くりかえし最後に笹を並べて押し蓋をし、全量と同じぐらいの重石を載せて一晩おきます。

翌朝、重石の上から薄~い食塩を押し蓋の2~3㎝上まで入れ、重石の重さを半分ほどに減らしたら1週間~10日ほど置きます。塩水の色が変わり発酵した臭いがしてきたら重石を外し、桶を逆さにして一日おきます。

「発酵具合は家々の好みがあって、浅めがお好みの場合は5日ほど、しっかりがお好みの場合は10日ほど漬け込むんですよ。」とは、よその集落からこの集落にお嫁に来たという80歳代のマダム。

ちなみに集落では鯖寿司のことを早寿司と呼んでいるそう。たしかに1週間漬け込むことを考えたら、すぐできちゃいますもんね。

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