秘境が秘境であるうちに。世界遺産の街、ラオス「ルアンパバーン」
「ルアンパバーンは箱庭のような町」かつてラオスの古都ルアンパバーンを旅した友人からそう聞いていました。
ラオス北部の古都ルアンパバーンは、首都・ビエンチャンからメコン川を約500kmほどさかのぼった河岸に位置しています。
「アジア最後の秘境」といわれるほど、自然の美しい場所で、近年はタイの首都バンコクからLCCが就航し、日本からでもタイ経由でぐっと旅行しやすくなりました。
今回、ルアンパバーンを訪れたのは雨季にあたる9月上旬。
昼間に10分も歩くと汗ダクになり、全身から汗が吹き出す暑さ。外を歩くなら、早朝か夕方以降が暑さをしのぎやすいのでおすすめです。
バンコクのように東京を凌ぐ勢いで発展している観光地がそうであるように、ルアンパバーンには世界のツーリストでごった返す前に行かなければ…と思っていました。
「秘境が秘境であるうちに」と。しかし、旧市街に降り立つや、それは杞憂でした。
世界文化遺産に登録されたルアンパバーンの街並み
簡単にこの古都の歴史を紹介します。かつて、14世紀にファーグム王が建国した「ランサーン王国」の首都が置かれたのが、ここルアンパバーンです。
16世紀の遷都後、3つの小国に分裂しますが、王都として存続。そしてフランスに統治された時代には、コロニアル建築が多く建造されました。
70以上を数える仏教寺院とラオス伝統の高床式建物、そしてコロニアルな建造物が混在した街並みは1995年に世界文化遺産に登録されました。
目抜き通りであるシーサワンウォン通りには、ルアンパバーン様式といわれる優美な姿の寺院がいくつか点在しています。この通りをはじめ、主だった通りを歩いていると、あることに気がつきました。
街の「らしさ」を薄め、都会化を推進してきた(と個人的に思っている)マクドナルドやスターバックスコーヒーがどこにも見当たらないのです!新鮮な驚きでした。
自然豊かな川沿いのカフェに癒される
そんなわけで滞在している約1週間、お茶をするのはコロニアル建築の建物を改造した居心地のよいカフェを選びました。
町中に点在する、そのほとんどはおそらく地元資本のお店で、たいてい2階に有機的なカフェ空間が広がっています。時折、町を流れる雄大なメコン川やナムカーン川沿いにもオープンエアのカフェにも足を運んでみました。
カフェのドリンクメニューはバラエティーに富んでいます。
ラオスはトロピカルフルーツの産地なだけに好きな果物を2種以上選んでジュースを注文できるし、旧市街からちょっと離れた場所にあるメコン川沿いのカフェでは、生まれて初めて「worm tea」というカイコのお茶を飲みました。
また、カフェが好きな人にとってラオスが魅力なのは、この国が良質なコーヒー豆の産地であること。そのうえ、フランスの植民地だった名残りで、クロワッサンやフランスパンがとても美味しいと有名です。それを売りにしているカフェもあるほど。
どこのカフェも電源とWi-Fiを用意しているので居心地もよく、烈しい日射しの日中に涼しいお店に入ると、そこが即席のオフィスへと早変わり。
そして夕方になると、観光スポットの「ナイトマーケット」に繰り出し、ひしめく露店で気に入った商品を見つけることもできます。