まるでルビー色の絨毯。長野県・伊那高原「赤そばの里」に咲く絶景花

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2021/09/01

豊かな自然が残され、農業地帯としても避暑地としても知られる長野県。関東地方からも東海地方からもアクセスが良く、登山やトレッキング、キャンプなど自然のなかでのアクティビティのメッカとなっています。

そんな長野県で毎年9月末ごろに出会えるのが一面濃いピンク色に染まる絶景。長野県南部に位置する箕輪町「赤そばの里」では、見渡す限り花で埋め尽くされた夢のような景色に出会えます。

今回は、写真でも楽しめる季節の風物詩「赤そばの花」の絶景をお届けしていきます。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

大地を真っ赤に染める「赤そばの花」

image by:Shutterstock.com

一面のコスモス、ひまわり、ネモフィラ、桜などは多くの人が目にしたことのある絶景です。季節に合わせて咲き乱れる美しい花々は、訪れる人の目を楽しませ心を癒してくれるもの。季節の移り変わりを感じることのできる人気の観光地が全国各地に点在していますよね。

同じく一面の花畑が見られるのが「赤のそばの里」。名前の通り、ここで見られるのは「そばの花」が見渡す限り広がる絶景です。しかも白い花を咲かせる通常のそばではなく、ピンクや赤い花を咲かせる特別な「赤そば」の花畑に出会えるスポット。

「赤そば」とは?

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おいしい水と豊かな土壌を持つ長野県は、そばの産地として有名です。昼夜の寒暖差が激しく、水はけの良い土地はそば作りにとても適した場所。

質の良いそばの実から作られる長野県のそばは「信州そば」と呼ばれ、そば打ち体験ができる施設や可憐な白い花を咲かせるそば畑が名所となっています。

しかし、「赤そばの里」で見られるのは長野県でも珍しい赤い花を咲かせる品種。一般的なそばの花に比べて少し赤みがかっている程度ではなく、赤に近い濃いピンク色の花を咲かせる特別な花です。

赤そばの里で育てられているのは「高嶺ルビー」という品種。この珍しい品種は、研究者のたゆまぬ努力が隠されています。


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目に美しく、食べて美味しい「高嶺ルビー」。その珍しさからも分かる通り、もともと日本に自生していた品種ではありません。日本のそばの花といえば、直径6ミリほどの小さな白い花を咲かせるものが主流でした。

実は、そばの原産地は中国の奥地からヒマラヤにかけて。ヒマラヤ山脈の麓にある国・ネパールは、寒暖差が大きくそばの栽培に適した土地で、ネパール料理にもそば粉が多く使われています。

日本のように麺状になったものではなく「蕎麦がき」に似た料理で、そば粉を練ってカレーなどと一緒に食べる庶民の味。痩せた土地でも育つそばは食卓に欠かせないのだとか。

そんなヒマラヤで育てられるそばは、赤い花を咲かせるのが特徴です。「高嶺ルビー」も、もともとはヒマラヤの赤いそばが原産ですが、当初、日本では赤いそばの花は育ちませんでした。

ヒマラヤで見た一面の赤いそばの花畑を再現するべく信州大学と企業が共同で研究を進め、日本の風土でも赤い花のそばが育つよう改良し誕生したのが「高嶺ルビー」なのです。

赤そばの花「高嶺ルビー」が咲く時期は?

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赤いそばの花「高嶺ルビー」が咲くのは、毎年9月下旬から10月上旬にかけての2週間ほどです。「赤そばの里」のそば畑は、東京ドームほどの広さで、一面に赤そばの花が咲き乱れます。

開花時期はピンク色をしていますが、満開に向けて徐々に色が濃くなっていくのが特徴。見ごろになると一面ルビー色の絨毯を広げたような驚きの光景が見られます。

花畑には散策道も設けられており、間近で珍しい「高嶺ルビー」を鑑賞することができます。ミツバチやチョウたちが忙しそうに赤い花の間を飛び回る風景はとても美しく、なんだか優しい気持ちにさせてくれます。


周辺の山々とのコントラストが絶景!

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「赤そばの里」が位置しているのは標高約900mの場所にある伊那高原です。周辺は自然に囲まれ、そば畑からは中央アルプスや南アルプスの仙丈ヶ岳が遠くに見えています。

深い緑色の山々と青空、そして高嶺ルビーのピンク色のコントラストは必見。抜けるような青い空に赤、緑の大地の色が映え、絶好の撮影スポットとなっています。目の前の花畑を鑑賞した後はぜひ遠くの山々にも目を向けてみましょう。

絶景の「赤そば花祭り」(※2021年は中止)

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赤そばの花が最盛期を迎える頃には「赤そば花祭り」が開催されています。しかし、2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

例年の「赤そば花祭り」は、毎年9月中旬ごろに開幕します。オープニングイベントが開催された後は、箕輪町の上古田公民館にてそば打ち体験ができたり、打ち立てのそばを頂けたり、農産物の直売が行われていたりとにぎやかな雰囲気に包まれます。

もちろん赤そばを頂くことも可能!通常のそばよりほんの少し赤みがかった高嶺ルビーを使った手打ちそばは、コシが強く、もっちりとした食感が特徴です。

2年連続で中止となってしまった同イベントですが、新型コロナウイルスが落ち着いて再開された際は、ぜひ訪れたいですね。

赤そばの里へのアクセス

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「赤そばの里」へのアクセスは、車を使うのが便利です。中央自動車道伊北インターチェンジを降りて、「赤そばの里」からおよそ650mほどの場所にある箕輪西小学校を目指すと迷わずたどり着けます。

公共の交通機関を使う場合はJR飯田線の「伊那松島駅」が最寄り駅で、駅からは10分ほどですのでタクシーがおすすめですよ。

生産者の努力が生み出した珍しい赤そばの花畑。日本では数少ない赤そばの畑は、周辺の自然と合わさってとても雄大で美しい風景を生み出しています。

真っ赤な花畑で過ごす1日は、秋が来る度に訪れたくなるほど強く記憶に残るに違いありませんね。

  • 赤そばの里
  • 長野県上伊那郡箕輪町
  • 無料
  • 開園期間:2021年9月19日(日)~10月11日(月)
  • 公式サイト
  • image by:Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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