約400種150万本の花菖蒲が咲く「水郷佐原あやめ祭り」の楽しみ方

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2021/05/15

都内から約2時間ほどで到着する千葉県香取市は「水の郷」と呼ばれる美しい街です。川や湖などの水資源に恵まれた水郷地帯として知られ、街の一部は水郷筑波国定公園にも指定されている風光明媚な場所。

そんな千葉県香取市にあるのが水の郷を美しく彩る「水郷佐原あやめパーク」です。

アヤメの花が咲き乱れる例年5月下旬から6月下旬にかけて行われる「水郷佐原あやめ祭り」、今回はその魅力についてご紹介していきます。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「アヤメ」はどんな花?

image by: Shutterstock.com

5月から6月にかけて花を咲かせる「アヤメ」。まっすぐに伸びた茎に濃い紫色の花が特徴で、古くから薬などにも使われてきた馴染み深い植物です。

花札にも登場するので、なんとなく形は想像できるかたも多いのではないでしょうか。花札に描かれるほど、昔から愛され身近にあった花なのですね。

アヤメにもさまざまな種類があり、現代では「花菖蒲(ハナショウブ)」や「カキツバタ」なども含めて、アヤメという名前で呼ばれるのが一般的です。

もともとは湿地帯を好んで咲く種類が多く、水資源が豊富な香取市ではアヤメを市の花としてかかげ、大切に育てられています。

美しき市営公園「水郷佐原あやめパーク」

image by:katorisi, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

水郷佐原あやめパーク」は香取市の観光名所にもなっている大きな市営公園です。「水郷の里」の名にふさわしく、パーク内は池や小さな島などの自然をそのまま生かした作りになっており、アヤメやハスなどの水辺に咲く花々が見られるのが特徴。

特にアヤメのなかでも「花菖蒲」の数が日本有数で、約150万本ほど咲き誇ります。


同スポットは千葉県と茨城県にまたがる「水郷筑波国定公園」の入り口でもあり、アヤメのほかにも「藤」や「ポプラバラ」、「梅」など季節の花に出会える公園となっています。

また、パーク内には遊具やドッグランも併設されています。お花を見るだけでは飽きてしまいそうな小さなお子さま連れにも優しいパークですよ。

絶景の「水郷佐原あやめ祭り」

image by:photoAC

水郷佐原あやめパークで花菖蒲が満開を迎える5月下旬から6月にかけて行われるのが「水郷佐原あやめ祭り」です。紫や薄紫、白やピンクなどさまざまな種類の花菖蒲が初夏の気持ちの良い空に咲き誇ります。

およそ400種類ものアヤメが育てられているので、1カ月間という長期に渡ってお祭りが開催されていますが、いつ訪れても凛と咲くあやめの姿が見ることができるのもポイントのひとつ。

各花の前には一つひとつ手書きで種類が書かれているので、じっくりと観察してみるのもおすすめ。「アヤメ」とまとめられていても、こんなにもたくさんの種類があるんだと驚きます。

例年の6月は梅雨の時期で雨の日も多いですが、雨水に揺れるあやめの花も風情があり美しいものです。


園内の水路をサッパ舟で!

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パーク内の多くの面積を占めるのが水路です。もちろん歩いての散策も可能ですが、機会があれば「サッパ舟」にも乗船してみるのもいいかもしれません。なんと水郷佐原あやめパーク内の水路を漕ぐ船頭さんは女性なんです。

水路を手漕ぎの舟で渡ることのできる観光地は全国にたくさんありますが、女性の船頭さんというのはとても珍しいですよね。紺色の着物に三角の編笠の女船頭さんは水郷佐原あやめパークの名物となっています。

園内をこのサッパ舟でめぐるアクティビティはお祭りの時期だけでなく、1年中行われています。しかし、やはりアヤメの咲く季節は格別。アヤメやハスの花のすぐ側を舟で渡っていく、情緒たっぷりの体験ができます。

お祭りの時期だけ「嫁入り舟」が出現!

image by:photoAC

水郷佐原あやめ祭りの期間だけに行われるのが「嫁入り舟」です。新郎新婦を乗せたサッパ舟が園内の水路をぐるりと周り、中央に浮かぶ「結の島」で神前挙式するという風景が見られます。

実はこの嫁入り舟は、1965(昭和40)年ごろまで水郷地帯で実際に行われていたのを再現したもの。お祭りの時期のみ、近隣にご鎮座する香取神宮の神職のかたが訪れ、結の島での挙式が可能となっています。

新郎新婦がサッパ舟に乗り水路をめぐる古き良き伝統行事は大人気。陸から「おめでとう」の声が飛び交うとても素敵な風景が見られます。

アヤメの花に囲まれた水路を花嫁衣装でめぐるなんて、とてもロマンチックですよね。見ているかたも幸せになれるこの嫁入り舟は新郎新婦にも大人気で、毎年たくさんの応募があるのだとか。

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祭りの時期には香取市伝統の「佐原囃子(さわらばやし)」のイベントや、お祭りには欠かせない屋台なども多く出店されています。

佐原囃子は世界無形文化遺産にも登録されている貴重なもの。日本三大囃子のひとつですが、ほかのお囃子とはリズムが異なるのが特徴です。アヤメの美しい姿とともに、貴重なお囃子で日本の情緒を感じるのもいいですね。

佐原囃子を奏でる下座連 image by:katorisi, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

アヤメの美しい佇まいに癒やされたあとは、屋台で一休み。祭りの時期にはさまざまな屋台が出店しているほか、香取市の美味しいものも集まります。パーク内にはカフェもあるので休憩場所も安心です。

美しいアヤメの花もさることながら、伝統文化をいまに伝える催し物が多くとても充実した1日を過ごすことができます。

アヤメ祭りが終わると、7月には「ハス祭り」が開催されます。公式サイトには美しき祭りの様子なども掲載されているのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

  • 水郷佐原あやめパーク
  • 千葉県香取市扇島1837-2
  • 期間中:大人800円、小中学生400円/駐車場無料(乗用車500円・大型バス30台)
  • 開催期間:2021年5月29日(土)~6月27日(日)
  • 開園時間:8:00~18:00
  • 公式サイト
  • ※新型コロナウイルスの影響で開催期間が変更になる可能性があります。公式サイトにて最新情報をお確かめください。
  • image by: Shutterstock.com※イメージです。
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  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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