北陸はレトロの宝庫。歴史風情あふれる「ノスタルジー」スポット5選

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2021/07/08

門前町黒島町/石川県

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石川県のレトロな街並みは大きく栄えた城下町だけではありません。金沢市から車で約2時間ほど、日本海に面した輪島市には江戸時代後期から明治時代にかけての集落の姿が残されています。

いまでいう貿易船のような役割を果たした「北前船」の船主や船頭たちが多く住んでいたことから「船主集落」と呼ばれ、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

海沿いに並ぶ家は黒い瓦と板張りの壁が特徴。

迷路のように細く入り組んだ路地が張りめぐされ、角の先から、いまにも明治時代の船頭さんたちが現れそうな雰囲気を保っています。

現在も生活が営まれている街

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黒い能登瓦が美しい門前町黒島町の歴史地区。観光客は金沢市内ほど多くはなく静かに散策を楽しめる場所です。

しかし気をつけたいのが観光のマナー。このエリアの家々は現在も生活が営まれており、地元の人々の私有地が多くあります。

歴史を超えて伝統的な家屋で生活される人々のなかにお邪魔させていただくため、マナーをまもって散策を楽しみましょう。

毎年8月になるとこの歴史地区の細い路地に人があふれる「黒島天領祭」が開催されます。

大阪城、名古屋城を形どった2階建ての家よりも大きな山車が現れ、地区を巡回。このお祭りを守り伝えていくために県内の大学生も多く参加している行事のひとつで、街並みとともにいつまでも伝えていきたい大切な伝統文化です。


若狭鯖街道・熊川宿/福井県

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現在のような公共交通機関がない時代、日本全国には主要な街道がいくつも張りめぐらされていました。人々はその街道を自らの足で歩き、何日もかけて町へ物資を運んだのです。

福井県、若狭湾で水揚げされた大量の鯖は塩漬けにされ京都へと運ばれました。

このことから福井県小浜から熊川を通り京都へと続く街道は「若狭鯖街道」と呼ばれています。若狭湾から若狭鯖街道を通り運ばれる塩鯖は、京の都の人々の食文化を支えていました。

福井県若狭町熊川は鯖街道の宿場町として大いに発展し、当時は200以上の宿があったとされています。その街並みは現在も残されており、宿場町の趣を感じられるレトロスポットのひとつ。

古い建物を活かしたお店がたくさん!

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熊川宿には関所の役割を果たした「熊川番所」や重要文化財にも指定されている「荻野家住宅」、街道沿いをいまも流れる水路など、時を超えて大切に守られているものが多くあります。

その一方、古い建築物をリノベーションして作られたおしゃれなお店もたくさん!宿のほかにも問屋などを外観を残しつつ、素敵にリノベーションされたカフェやレストランが立ち並びます。

陶器屋さんや雑貨屋さん、さらには忍者道場もあり一日楽しめるのも嬉しいポイントです。江戸・明治時代と現代との融合というべき美しい街道沿いのお店をのぞいてみましょう。

五箇山の合掌造り/富山県

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鮮やかな町人文化が育った場所もあれば、優しく温かい雰囲気の山里だからこそ育まれた文化も残されています。

素朴で穏やかな山里の文化を見て体験できるのが富山県南砺市にある「五箇山の合掌造り」です。

雪深い山奥に作られた合掌造りの小さな集落は岐阜の白川郷と一緒にユネスコの世界文化遺産に登録されています。

五箇山は40の小さな集落の総称で、そのなかでも「合掌造り」が残され、世界遺産に登録されているのが「相倉合掌造り集落」と「菅沼合掌造り集落」の2つです。

どちらも日本の原風景といえるような美しい里山の景色が残されています。同時に里山に残されてきた伝統文化を体験できる特別な場所です。

五箇山の伝統文化や食事を楽しむ

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素朴な里山を見学し、村の中を散策するだけでも十分に楽しめる「五箇山の合掌造り集落」ですが、そこに伝えられてきた伝統文化や食事も合わせて体験することでレトロスポットの背景がより理解できます。

雪に覆われる五箇山でどんなものが食べられていたのか、どんなものが作られていたのかなどを実際に体験することで、その時代を生きた人々の生活を想像することができますよ。

例えば、「紙漉き体験」や、この地域に伝わる「こきりこ民謡」に使われる「ささら」という楽器を作るささら編み体験などができます。

毎年9月には五箇山の民謡が披露される「こきりこ祭り」も行われるので、日にちを合わせて出かけるのも楽しいですよ。

海のない里山の食事は山菜やお蕎麦など山や田畑の恵みが中心で、体に優しい食事で心も整える、そんな旅ができます。

街並みと伝統を守り続けるレトロスポットへ

古い街並みが残るスポットには、必ずその場所で育まれた伝統文化が残されています。

レトロな街並みを訪れる際には、その場所がどのような歴史を持ちどのような人々が住んでいたのかを知ることで一層興味が湧いてくるはず!

これから先の未来も残して欲しいと感じるような、人の温かさを感じられる北陸のレトロスポットへぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。

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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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