京都産でフレッシュな「与謝野ポップ」の香りをビールで楽しもう!
ホップ栽培の1年
藤原さんのホップ畑へ案内していただきました。こんなに高い棚がズラリと並ぶんですね!現在、農業法人を含め7軒の農家でホップが栽培されており、藤原さんの畑ではカスケード、チヌーク、コロンブス、イブキの4種類が栽培されています。
それでは、どのようにホップが育てられるのか、一年を追ってみましょう。
3月
ホップはアサ科カラハナソウ属のツル性の多年生植物なので土の中で冬を越した株を6、7割掘り起こす「株開き」を行い、続いて株から余計な側根を取り除き、ひとつひとつ形を整える「株ごしらえ」を行います。
4月初旬
しばらくすると芽が出てくるので1株で6、7つぐらいになるように芽を間引きます。多いものでは100ぐらい芽がでるんですって。
そんなに芽が出てくるなんて、ある意味、雑草ぐらい強いのかと思い藤原さんに伺うと「そうかと思うと急に枯れたり病気になったりするので、弱いのか強いのか分からないんですよね」。急に変わるということは、なかなか目を離せないということですね。
4~5月
ツルを這わせるための縄を張る「縄下げ」を行います。320株ある藤原さんの畑に張る縄の数は1,200~1,300本。長さは2階建ての家の屋上くらいの高さの約5m。続いて「誘引・ツルあげ」を行い、除草やホップのツルの剪定など日々、手入れをしていきます。
5月中ごろ~6月
ツルは上の方まで到達し、花が咲き、ホップの房ができます。
7~8月
収穫。今年は早く、6月20日に初収穫が行われたのだとか。東北や北海道の収穫は8月からなので北半球最速ともいわれています。
手摘みで収穫する与謝野ホップの香りは格別
ホップの収穫はツルを全部抜いて摘花機でホップを外すのが一般的ですが、与謝野ホップはすべて手摘みで収穫されます。これは本当に大変な作業。
「ですが一つのツルにあるホップのすべてが収穫に適しているとは限りませんよね。手摘みだと過熟や未熟を見極めながら収穫できるんです。ツルすべてを一気に収穫すれば1日で終わりますが、うちはこうやって手摘みで行うので収穫に約2カ月近くかかるんですよ。」
摘んだばかりのホップを手に取ると、辺りにホップの香りが広がりました。すごく良い香りで思わず「美味しそう~!」と声が出てしまいました。
かつて見たホップは、大手ビール工場の見学で見たペレット(小さなかたまり)になったもので、香りはしましたが、やはり生のホップは格別。
「いい香りでしょ。ホップはすぐ傷むので流通する場合はほとんどペレットにするんです。でも乾燥させると熱で香りが飛んでしまうので、今のところうちではペレットにはせず収穫したらすぐ真空パックし冷凍にして出荷しています。」
「でも今後、生産流通的にペレットにしなくてはいけない時がきても、手摘みということだけは守りたいなと思っています」
ですが、やはりすべての畑での手摘み作業はかなりの重労働。そこで「ホップ収穫祭・与謝野ホップ体験」の開催やホップの苗つけから収穫までを行う「YOSANO・ホップレンジャー」を募集。
全国各地からビールファンが手摘み体験を楽しんだり、レンジャーとして参加したりしています。ホップの香りを直にかいだり、手摘みをしたりする経験はなかなかできないもの。これは、おすすめの体験です。