地元の美食が詰まった冬の絶品グルメ。旅先で食べたい「ご当地鍋」ランキング
段々と寒い日が続くようになってきた今日この頃。「食欲の秋」を経て、これからの時期に最も食べたくなる料理といえば「鍋」ではないでしょうか。熱々の状態でいただくのが最もおいしい鍋は、暖まりたい冬にぴったりです。
具材とスープというシンプルな組み合わせで無限のバリエーションを生み出すことができる鍋料理は、日本各地に独自の「ご当地鍋」が存在しています。
今回は、旅行情報誌『じゃらん』が発表した「旅先で食べたいご当地鍋ランキング」から、トップ10をご紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
贅沢食材もたっぷり「ご当地鍋」ランキング
第10位 芋煮/山形県
10位にランクインしたのは、山形県の郷土料理「芋煮」。里芋とこんにゃく、長ねぎに牛肉を合わせて甘めのスープで煮込んだ一品で、さかのぼること江戸時代のころから作られるようになったといわれています。
発祥の地といわれる山形県をはじめ、宮城県など東北地方のさまざまな場所で作られている芋煮。各家庭の食卓へ並ぶのみならず、屋外に大人数で集まり、巨大なお鍋などを利用して作りお祭りのように味わう「芋煮会」という風習も。
食材の魅力を生かした素朴な味わいでありながら、毎日食べても飽きの来ない優しいおいしさが魅力。牛肉と醤油と砂糖をベースに、地域によってお肉が豚肉や鶏肉へと変化したり、味噌味のものも見られています。
第9位 水炊き/福岡県
水から煮込んで食材に火を通し、さまざまな味わいのつけ汁などで味わう「水炊き」が9位にランクイン。福岡県の「博多水炊き」を中心に広がる九州地方の水炊きは、鶏肉による旨味をたっぷりと行き渡らせた、白くにごったスープも特徴です。
芋煮と同様、江戸時代のころから多く見られるようになった水炊きは、シンプルで具材の邪魔をしないスープがベースなだけに、そのバリエーションもさまざまに発展。「しゃぶしゃぶ」や「ちゃんこ鍋」などのルーツとも伝えられています。
現在の博多水炊きの特徴は、昆布と水によるシンプルな水炊きと違い、やはり鶏肉が主役であるということ。
鶏肉のスープもしっかりと味わうという食材と同列の存在感を持ち、締めの雑炊やうどんにも、しっかりとした旨味が加わっています。
第8位 カキの土手鍋/広島県
8位に選ばれたのは、食べ応えのある味噌味がたまらない、広島県の郷土料理「カキの土手鍋」。鍋の周りに味噌を使って土手のように壁を作ることからその名が付いたと言われる一品で、食べながら味噌で味の強弱を加減できるのも魅力です。
一般的に、「土手鍋」と呼ばれる鍋の具材は海鮮が主役となるのがポイント。なかでも広島県では生牡蠣が選ばれ、さらに味噌は県内の府中市で作られる「府中味噌」を使用するのが王道です。
野菜やこんにゃく、豆腐などのシンプルな具材も、牡蠣と味噌のコク深い旨味が混ざり合った絶品のスープでご馳走に変化。その味わいはビールとの相性も抜群で、お酒の進んでしまう鍋料理です。
第7位 ほうとう/山梨県
平たく太い麺を熱々に煮込んだ山梨県の郷土料理「ほうとう」が7位に選ばれました。小麦粉を練り上げ、シンプルに切り分けたうどんのような味わいと食感のつるんとした太い麺で、鍋以外にも単品の料理として有名な一品です。
野菜をたっぷりと取れるのも嬉しいほうとうは、甘みいっぱいのカボチャが入っているのも特徴。スープは主に味噌味となるため、カボチャの甘さと味噌が持つ塩味のコントラストもたまらないおいしさです。
グツグツとしっかり煮込んで仕上げるため、身体の芯から暖まることができるのも嬉しいポイント。2007年には農林水産省により「農山漁村の郷土料理百選」にも選出されるなど、日本を代表する鍋料理のひとつとして人気を集めています。
第6位 ふぐちり/山口県
6位にランクインしたのは、豪華食材のひとつ「ふぐ」をおいしくいただく山口県の贅沢鍋「ふぐちり」。熱々のスープに入れたふぐが縮んでゆくようすが「チリチリ」として見えることから命名されています。
幕末期に来日した西洋人が火を通した魚を食べるために熱い湯につけたことが始まりといわれる「ちり鍋」。ふぐ以外にも鯛や鱈など白身の魚でよく食べられています。ふぐはその毒性から「鉄砲」と呼ばれることもあり、鍋も「てっちり」という呼び名でも知られました。
ふぐの持つプリプリとした独特の食感など、たまらないおいしさと共に具材を食べ終えると、ふぐの持つ旨味が溶け出した絶品スープが登場。ごはんとたまごを加えて、締めの雑炊を味わうのも至福のひとときです。