公園は巨人の足跡だった。相模原に残された「でいらぼっち」の伝説を辿る
巨人になった気分が味わえる場所がある?
鹿沼公園から車で南に約20分ほど走ると、無料で入れるミニ動物園やアスレチックなどファミリー層に人気の「相模原麻溝公園」に到着します。
ここには展望塔「グリーンタワー相模原」があり、巨人伝説に関わるユニークな仕掛けを見ることができますよ。
展望塔の高さは約55m(展望室は38m)、こちらも無料で入ることができます。
そして、解放的な眺めは巨人目線で大地を見渡しているような心地にさせてくれますが、もちろん、それだけではありません。
ユニークなのは真下に見える巨人の足跡です。
よく見るとウッドデッキ風のベンチがグルリと遊具を囲んでいるのが分かります。大人は足の形がデザインされたベンチに腰掛け、子どもたちが元気に走り回る姿を見守れるような構造。
つまり、子どもたちは巨人の足の中で、元気に遊んでいるんですね。先ほどの「鹿沼公園」には巨人の足跡があったとされる場所でした。タイプは違いますが、どちらも巨人の足跡の中というのが興味深いです。
展望所から「でいらぼっち」が休憩で腰を下ろしたと伝わる「大山」も見えます。
巨人は、一説によると「国造りの神に対する信仰」といわれています。つまり、大きな力を持った大男が山や沼を作ったという考えではなく、山や沼など自然地形を創造した偉大な神に対する信仰という考え方です。
その信仰は時代と共に衰退し、偉大な神は ”力持ちで大足の巨人”となり、「大地を堀って山と湖が、足跡が沼に」といった伝説に変化していったのだとか。ただ、真実は分かりません。すべては謎のまま。巨人が本当に実在していた可能性も…。
巨人伝説に関する地をめぐり、あれこれ想像するのも楽しいです。
- 相模原麻溝公園
- 神奈川県相模原市南区麻溝台2317-1
- 042-777-3451
- 【グリーンタワー相模原】4〜9月は9:00~16:30/10〜3月は9:00~16:00
- 公式サイト
もしかして巨人の影響?相模原市の大きすぎるモノ
総勢100人があげる「相模の大凧」
この相模原市には、いくらなんでも大きすぎるでしょ!と突っ込みたくなるモノがあります。そのひとつが「相模の大凧」です。
そのなかでも、新戸の8間凧(はちけんだこ)が有名で、14.5m四方(64坪・128畳)で、重さは950kg、引き綱の長さは200m。
大凧を揚げるには、風速10~15メートルの風と総勢100人の人間が必要という。まさに巨人サイズ!
この大凧は、相模の大凧文化保存会によって毎年5月4日と5日に「相模の大凧まつり」で見られます。なお「相模の大凧センター」では7間凧が展示されていますよ。
- 相模の大凧センター
- 神奈川県相模原市南区新戸2268-1「れんげの里あらいそ」内
- 046-255-1311
- 入館:無料
- 休館日:年末年始(12月29日から1月3日まで)
- 9:00~18:00
- 公式サイト
「巨大なラブレター」は巨人が落とした?
また、相模原市緑区の山中には巨大なラブレターが見える場所も…。中央自動車道からも見えますので「あれは何?」って感じた方も多いのではないでしょうか。
これ野外アートのひとつで『緑のラブレター』という作品です。この作品は巨人伝説とは無関係ですが、「でいらぼっち」に関する場所をめぐっていると、巨人が落としたラブレターにも思えてきます。
グルメも巨大!絶品の「とんかつ赤城」
そして、相模原市でお腹いっぱい食べられる激ウマなグルメ処も紹介しておきましょう。それは「とんかつ赤城」というお店。行列必至の人気店です。
超分厚い「特選ロースかつ」、二段重ねの「うすかつ」、名物の「カツカレー」は美味しくてボリューム満点です。
例えば、「カツカレー」を注文すると、大皿に山盛りご飯とキャベツ、そこに巨大なカツがドン!とのり、ルーもたっぷりです。お値段は1,050円(税込)。
ほかにも中盛り1,150円(税込)、大盛り1,250円(税込)とありますが、普通盛りで十分でしょう。もし、中盛り・大盛りに挑戦する場合は慎重に。本当に驚くほどのボリュームですので…。
カツはサクッとしていて、厚みがあるけど柔らかい。カレーはトロトロで口当たりが良く、家庭的な味わいで、とっても食べやすくて美味しいですよ。
- とんかつ赤城
- 神奈川県相模原市中央区千代田4丁目1-10
- 042-758-7438
- 定休日:月曜・火曜
- 営業時間11:00~14:00/17:00~20:00
相模原市は神奈川県で人口第3位の政令指定都市。新宿駅まで約1時間という利便性、豊かな自然、そして街中には沢山の公園があります。そんな公園のなかには、巨人伝説と深く関わりのある公園の存在も…。
時代の流れと共に、街の景観は変化していきますが、「むかし、むかし…」と伝えられてきた話はいつまでも大切に語り継ぎたいものです。ぜひ相模原市で、「でいらぼっち」の伝説をめぐる旅なんていかがでしょうか。
- image by:旅人間
- 取材協力:相模原市総合メディア戦略推進課、相模原市立図書館の皆さま
- 参考文献:『さがみはらのふるさと絵本 でいらぼっち』『神奈川県の伝説』『相模原民話伝説集』『相模原 名跡とむかしばなし』
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
- ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。