空港でイラッ…日本が「周回遅れ」になってしまったと感じること
コロナ禍から明けた今、日本人が海外へ行くと、現地である意味「カルチャーショック」を受ける人が多いかもしれません。
この3年あまりで、世界各国が「コロナ後」を見据えて準備していた一方、日本は目の前の問題を解決するのに必死でほぼ止まったままでした。
特に、デジタル化の遅れはわかりやすく、事あるごとにニュースなどでも取り上げられています。実際に海外へ行くと、それ以外にも「日本、遅れてるな…」と気づくこと多々。
そこで今回は、海外旅行が解禁されてからすでに10回以上海外渡航した筆者が、現地で身を持って思い知らされた「日本の遅れ」について紹介します。
日本帰国時に大量の「紙」。アプリの「QRコード」も機能せず
日本の「デジタル化」の遅れは、短期間の旅行でも痛感させられます。
例えば、日本帰国時にPCR検査、14日間の自主隔離などがあったころ。現地で受けた検査の陰性証明書は、当初「紙」での提出を求められました。
メールで送られてきたPDFの証明書を、滞在先のホテルのスタッフに頼み、わざわざ紙に印刷してもらう羽目に。
日本帰国時には、さまざまな注意事項が書かれた紙を大量に渡されました。しかも、同じような内容が重複して書かれており、あまりの多さにうんざり。
それらの紙は、段階を経て徐々に少なく小さくなっていきました。
その後は、紙ベースの陰性証明書の提出が、入国者健康居所確認アプリ「MySOS」経由のオンライン提出となりましたが、承認されるまで時間がかかったり、海外なのに日本語での証明書を再度求められたりしたことも。
現在も税関では、事前にWebで申請済みにもかかわらず、自動化ゲートで通過したパスポートを専用端末でそのたびに登録しないといけないという“二度手間”が発生しています。
一時期、この端末で行列ができたことが原因で「紙を提出する方が早い」という本末転倒な事態も起こりました。
さらに、海外への入国に新型コロナワクチンの接種証明が必要だった当時、フィンランドで日本の接種証明アプリでQRコードを提示した際には、反応しない不具合により、結局「目視」で確認したということも。あってもまったく役に立たなかったQRコードでした。
海外での支払いは「タッチ決済」が主流。「現金お断り」となる場所も
海外での支払いは、以前はクレジットカード、今は「タッチ決済」に切り替わりつつあります。日本から持参したクレジットカードがそのまま使え、ショッピングやレストランなどだけでなく、バスや地下鉄などにも乗ることができるのはとても便利です。
一方、日本の場合、タッチ決済はまだわずか。クレジットカードもスキャンしたり、PINコード(暗証番号)が必要だったり、現金のみのところも多くあります。感染症対策としてレジに「NO CASH」と貼る海外の店舗とは真逆と言えます。
欧米などはタッチ決済、中国ではQRコード決済の「WeChatPay」「AliPay」の2択であるのに、日本は〇〇ペイや交通系ICカードの種類が多すぎます。改めて「訪日外国人が日本で混乱するのも無理はない」と、思わざるを得ません。