芦ノ湖の向こうには富士山も。神奈川が誇る景勝地「恩賜箱根公園」

Array
2023/10/28

大人気観光地の「箱根」。箱根旅行必ず足を運びたい場所はたくさんありますが、「恩賜箱根公園」もそのひとつ。

芦ノ湖に突き出す塔ヶ島という半島に広がる大きな公園は、季節を問わない絶景の宝庫。今回は箱根きっての美しい公園の魅力をご紹介します。

芦ノ湖に囲まれた「恩賜箱根公園」の魅力

image by:Shutterstock.com

箱根湯本駅からバスに乗ること約40分。恩賜公園前停留所で降りるとすぐに「恩賜箱根公園(おんしはこねこうえん)」に到着します。

約16ヘクタールの敷地をもつ公園は、芦ノ湖をはじめ、箱根外輪山、富士山などの絶景をのぞむことができ、その美しさは「かながわ景勝50選」に選出されるほど。2013年には国の登録記念物にもなっており、芦ノ湖周辺だけでなく神奈川を代表する名所となっています。

公園内は24時間入場無料で入園することができますが、展望館の営業時間は9:00〜16:30までなのでご注意を。

明治19年に誕生した「箱根離宮」の跡地

image by:Princess_Anmitsu/Shutterstock.com

恩賜箱根公園が作られた塔ヶ島は、もともと竹の生い茂る開拓されていない場所でした。そんな場所にどうして公園が作られたのでしょうか。

明治17年、この場所を皇室の避暑地、避病の地として、箱根離宮を建設しようと建議されました。

この場所を勧めたのはドイツの医学者だったベルツ博士。ベルツ博士は全国の温泉地の調査や研究を行いながら、予防医学の重要性を説きました。箱根の温泉、そして芦ノ湖を望む美しい景観は皇族の病気を予防するための場所としてぴったりだったわけです。

その後、明治19年に箱根離宮が誕生します。しかし、大正12年の関東大震災、昭和5年の北伊豆地震により建物は倒壊し、離宮は縮小。その後、昭和20年には神奈川県へと下賜され、翌年には恩賜箱根公園として一般公開されるようになりました。


見渡す限りの絶景と四季折々の花

image by:photoAC

散策の楽しみは季節に合わせて咲く花々。生け垣や園内の木々はきちんと手入れが施され、四季折々の美しさが迎えてくれます。園内を彩る植物や木々は和を感じさせるものが多く、散策途中に咲いている花を探すのも楽しみの一つです。

春には大島桜やシャクナゲが可憐に彩り、その後は色鮮やかなツツジが咲き誇ります。バラの香りが園内に香る時期もあれば、梅雨〜夏にかけて紫陽花やヤマユリも楽しめます。

秋になると紅葉に染まる園内から、同じく紅葉に彩られた箱根外輪山をのぞめます。見頃は11月上旬〜中旬頃。冬になると雪の中に咲く真っ赤なサザンカが、3月にはフクジュソウが顔を出します。


絶景が望める眺望スポット

園内どこからでも富士山の姿が見えますが、広い園内でより美しい景色が見られるスポットをご紹介しましょう。

1.中央広場(湖畔展望館)

image by:Shutterstock.com

恩賜箱根公園の中心にある中央広場には、「湖畔展望館」があります。

もともとこの場所は箱根離宮が建てられていた場所で、今の展望館はその離宮を模して作られたものなんだとか。西洋風の重厚な佇まいが美しく、こんな立派な建物が展望館?と驚いてしまうことでしょう。

館内も入場無料。1階は離宮の歴史などが展示されており、小さな資料館となっています。箱根離宮の当時の姿が見られる貴重な資料館です。美しい眺望が見られるのは階段を登った2階のバルコニー。踊り場にはステンドグラスが飾られ、とても洒落た雰囲気です。

バルコニーからは富士山と箱根外輪山をバックにした真っ青な芦ノ湖が見られます。空気が澄み渡る晴れた冬の日はさらにくっきりとその姿がみられますよ。

2.弁天の鼻展望台

image by:photoAC

中央広場から少し北に進んだ場所にあるのが「弁天の鼻展望台」です。

少し階段を登った先にある展望台で、視界が開けているため園内随一の眺望が見られます。東屋とベンチも備え付けられているので景色を眺めながらの一休みにぴったり。

弁天の鼻展望台は360℃のパノラマが望める場所。目の前の芦ノ湖と富士山だけでなく駒ヶ岳、鞍掛山、二子山に屏風山と自然に抱かれた展望台です。午前中の景色も素敵ですし、夕日が沈むころもまた絶景。オレンジの光で輝く芦ノ湖は忘れられない景色となるでしょう。

3.塔の鼻広場

image by:photoAC

散策道を進んだ先にあるのが「塔の鼻広場」です。他の展望台よりも芦ノ湖の湖面に近く、ダイナミックな景色が見られます。箱根離宮の時代から展望台として使われている場所なので、その景色は保証付き!

東屋(あずまや)はなくベンチだけなので、夏は日差しを避けることができないので注意しましょう。

塔の鼻広場まで足を運ぶ方が少ないのか、人も少なく静かで落ち着いた雰囲気。この広場でお弁当を広げて休憩するのもおすすめです。

恩賜箱根公園で絶景を眺めよう

今回は、芦ノ湖畔に佇む絶景スポット「恩賜箱根公園」をご紹介しました。芦ノ湖の全貌を眺められる箱根公園は、箱根旅行の際にぜひ足を運びたい場所。

展望台だけでなく、ベルツの碑や当時の面影を残す石垣、散策路の二百階段など他の見どころにも注目しながら散策を楽しみましょう。

  • 恩賜箱根公園
  • 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根171
  • 0460-83-7484(管理事務所直通)
  • 小田急線 箱根湯本駅から箱根町(港)行きバスに約40分乗車。恩賜公園前停留所で下車すぐ。
  • 入園料:入園無料
  • 定休日:公園/無休、展望館/年末年始(12月29日~1月3日)
  • 開館・営業時間:園内は自由、展望館/9:00〜16:30
  • 公式サイト

 

  • image by:photoAC
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
いま読まれてます

元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

エアトリ 憧れの北欧。デンマーク・コペンハーゲンで暮らすように旅をする
芦ノ湖の向こうには富士山も。神奈川が誇る景勝地「恩賜箱根公園」
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます