映画でよく見た「HOLLYWOOD」の看板も…今年100周年を迎えたLAの観光名所

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2023/11/18

今から100年前のロサンゼルスは、都市として急発展を遂げていました。

それ以前はカリフォルニア最大の都市といえば、19世紀末にゴールドラッシュで栄えたサンフランシスコでしたが、1920年代が終わるころには両都市の規模は逆転し、現在に至っています。

そして今年2023年は、ロサンゼルスの名所が続々と100周年を迎える記念すべき年となりました。

「ロサンゼルス」の名所が続々と100周年を迎えた2023年

image by:角谷剛

2023年10月16日、ディズニーランドが100周年を祝いました。

カリフォルニア州アナハイムにある”元祖”ディズニーランドが開園したのは1955年のことで、まだ68年しか経っていませんが、創業者のウォルト・ディズニー氏が兄のロイ・O・ディズニー氏と共同でロサンゼルス近郊に母体となる会社を創立したのが1923年10月16日だったのです。

image by:The Image PartyShutterstock.com

ロサンゼルス経済を牽引した産業に映画スポーツがあります。晴天の日が年間300日以上だと言われるこの土地は、ロケーション撮影にもアメフト試合の開催にもまことに好都合だったのです。

イリノイ州シカゴ出身のディズニー氏が遊園地の場所を選ぶときにも、天候は大きな決め手になったでしょう。まさに天の助けです。

1920年代はよく「狂騒の20年代」と呼ばれます。アメリカ社会全体が大きな転換期のなかにあった100年前のバブル経済時代。そのなかでもロサンゼルスは最大の「ハレ」の時期を迎えていたのです。

そのおかげで、ロサンゼルス周辺では今年から前後数年の間に数多くのエンターテイメントやスポーツ関連の建物や施設が100周年を迎えます。そのいくつかを紹介しましょう。


ハリウッド・サイン/1923年

image by:角谷剛

HOLLYWOOD」の文字が山の斜面に並んでいる白い看板。映画の都ハリウッドの象徴であり、ロサンゼルスで最も有名な建造物かもしれません。

元々はある不動産開発会社が1923年に設置した屋外広告看板が原型です。その当時は「HOLLYWOODLAND」という文字が並んでいて、現在のものより4文字多かったそうです。以後、いくつかの紆余曲折を経て、最後に修復工事が行われたのは2005年です。

チャイニーズ・シアター image by:角谷剛

同じくハリウッドを象徴する建物、チャイニーズ・シアターは1927年に開館しました。建物前の広場や歩道にはスターたちの名前が刻まれたプレートに見入る人々でいつも賑わっています。

image by:Kit LeongShutterstock.com

ハリウッド・ボウルはチャイニーズ・シアターから歩いて15分ほどの小高い丘にある有名な屋外コンサートホールです。こちらはハリウッド・サイン設置の前年、1922年にはすでに開場していました。

ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム/1923年

ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム image by:角谷剛

2028年の夏季オリンピックはロサンゼルスで開催されます。

その際に3度目のオリンピック聖火を迎えるのがこのロサンゼルス・メモリアル・コロシアムです。1932年、1984年に続いて、ここで開会式と閉会式が行われます。

アメリカ合衆国国定歴史建造物であると同時に、大学アメフトの名門である南カリフォルニア大学(USC)の本拠地として使用されている現役のスタジアムでもあります。イベントが行われない日には一般向けのガイド付き見学ツアーで中に入ることができます。


パサデナ市庁舎/1927年

パサデナ市庁舎 image by:Shutterstock.com

ロサンゼルス・ダウンタウンの北東に位置するパサデナ市は長い歴史を誇ります。市制開始は1886年。ロサンゼルス市(1850年)と比べても16年遅いだけでした。

そして市庁舎建設はパサデナ市の方が早かったのです。よく似たアール・デコ建築デザイン(1920年代の特徴でもあります)のロサンゼルス市庁舎が完成したのは翌年の1928年でした。

ローズボウル/1922年

ローズボウル(競技場)image by:Shutterstock.com

大学アメフトにおける最大のイベントである「ローズ・ボウル」が毎年元旦に開催される同名のスタジアムが開場したのは1922年。そして、1923年1月1日に記念すべき初試合が行われました。

image by:角谷剛

現在、ローズ・ボウル正面入り口前には、郷土の英雄ジャッキー・ロビンソン氏の銅像が建てられています。「黒人初のメジャーリーガー」として名高いロビンソン氏はアメフト選手でもあったのです。

ここでは毎月第1日曜日に全米最大と称する蚤の市も行われ、多くの人が訪れます。年代物のジーンズや中古レコードなど、古いモノの収集に興味がある人にはおすすめです。思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。

ロサンゼルス国際空港/1928年

image by:角谷剛

さて、さまざまな魅力に溢れたロサンゼルスの表玄関たる国際空港が開港したのは、1928年10月1日。今から95年前のことでした。

3度目のオリンピックが当地にやって来る2028年にはちょうど100周年を迎えるのです。

この空港では現在急ピッチで大改修工事が行われています。鉄道もモノレールも乗り入れず、慢性的な交通渋滞で悪名高いアクセスを改善することが主要目的のひとつです。

「Automated People Mover(APM)」と名付けられた無人運転による交通システムが、ターミナル間や、空港と空港外のレンタカー施設、駐車場を結び、さらには地下鉄の駅とも接続することになっています。

総予算約2兆円とも言われる、この「近代化」プロジェクトの完了予定は2023年末でした。しかし、残り2カ月を切った現在、すでに工事遅延が報じられています。はたして大丈夫なのでしょうか。

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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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