これで病院なんです…アメリカの個性が爆発したユニークな建造物8選

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2024/03/13

アメリカ合衆国が建国されたのは1776年。まだ250年も経っていません。浅い歴史ではありますが、その分だけ若々しいダイナミズムに満ちているのかもしれません。

雄大な自然、世界最高峰のスポーツとエンターテイメント、買い物やグルメ、アメリカ合衆国は世界中から観光客を惹きつけるさまざまな魅力を持っていますが、多種多様な民族と文化を反映した個性的な建造物の数々もそれに加えてよいでしょう。

ソロモン R グッゲンハイム美術館/ニューヨーク

image by:Tinnaporn Sathapornnanont/Shutterstock.com

眠らない街ニューヨーク市マンハッタン区の中央に広がるセントラル・パーク。その東側を通る5番街に建つ「ソロモン R グッゲンハイム美術館(The Solomon R. Guggenheim Museum)」は近現代美術の優れたコレクションで有名ですが、その建物自体も螺旋状のユニークな構造で異彩を放っています。

設計は世界的に高名な建築家のフランク・ロイド・ライト(1867-1959年)。日本の帝国ホテルもライトの代表作のひとつです。

ソロモン R グッゲンハイム美術館は1943年に設計案が作成されたものの、第2次世界大戦を挟み、竣工まで10年以上の年月がかかりました。開館は1959年で、ライトはそのときすでに亡くなっていました。

  • ソロモン R グッゲンハイム美術館
  • 1071 Fifth Avenue New York, NY 10128(Between 88th and 89th Streets)
  • 大人30ドル/シニア(65歳以上)19ドル/学生19ドル/子供(12歳以下)無料
  • 定休日:11月28日(Thanksgiving)/12月25日(Christmas)
  • 日曜~金曜11:00~18:00/土曜11:00~20:00/月曜(Members-only hours)18:00~20:00
  • ホームページ

デンバー美術館/コロラド州デンバー

image by:Checubus/Shutterstock.com

ロッキー山脈の中心部に位置する「デンバー美術館(Denver Art Museum)」は、雄大な自然、芸術、そして建築が交差する稀有な場所です。この美術館は北米先住民、西洋、現代美術の広範なコレクションを収蔵・展示しています。

建築物に目を向けると、2006年に完成したフレデリック C. ハミルトン館は、それ自体がまさに芸術作品です。というのは、その奇抜ともとれる建築デザインには賛否両論があるからです。

ポーランド出身の著名な建築家であるダニエル・リベスキンド氏によって設計され、チタンで覆われた角張った構造は周囲の風景を反映しています。

  • デンバー美術館
  • 100 W 14th Ave. Pkwy. Denver, Colorado
  • 720-865-5000
  • 大人22ドル/シニア(65歳以上)19ドル/学生19ドル/子供(18歳以下)無料
  • 定休日:11月28日(Thanksgiving)/12月25日(Christmas)
  • 10:00~17:00/火曜10:00~20:00
  • ホームページ

トランス・アメリカ・ピラミッド/サンフランシスコ

image by:Shutterstock.com

トランス・アメリカ・ピラミッド(Transamerica Pyramid)」は港町サンフランシスコを象徴する景観の一部です。その名の通り、細長い三角形のユニークな外観で知られています。48階、地上260mの高さを誇るこの超高層ビルは市内のどこからでも眺めることができます。


残念なことに、かつて一般に公開されていた展望デッキは現在閉鎖されていて、その眺望を楽しむことはできません。しかし、チャイナタウンのすぐそばに建つ絶好の立地条件はサンフランシスコ市内観光の恰好な目印になるでしょう。

  • トランス・アメリカ・ピラミッド
  • 600 Montgomery St, San Francisco, CA 94111
  • ホームページ
 

ヴェッセル/ニューヨーク

image by:Francois Roux/Shutterstock.com

ニューヨーク市マンハッタン区の西側、ハドソン川に面した地域(Hudson Yards)は2012年に再開発プロジェクトが開始され、現在も進行中です。その中でも最も奇抜なデザインで知られる建造物のひとつが「ヴェッセル(Vessel)」です。

英国出身のデザイナー、トーマス・ヘザーウィック氏が設計したこの蜂の巣の建物は見るものすべてを圧倒します。

ヴェッセルは2019年に完成したばかり。ニューヨーク観光のあらたな目玉になることを期待されていましたが、ビルからの投身自殺が相次いだことで閉鎖されてしまいました。2024年2月現在も再公開の予定は立っていません。

しかし、この現代芸術の粋を極めた外観を眺めるだけでもニューヨークを訪れる価値はあるでしょう。

シェッド/ニューヨーク

image by:Alex Cimbal/Shutterstock.com

シェッド(The Shed)」もまたハドソン・ヤード再開発プロジェクトの一翼を担う建造物です。美術、演劇、映画、ファッションショーなど、さまざまな文化の発信地となるべく、2019年に公開されました。

シェッドの美術ディレクターを務めるアレックス・プーツ氏はスコットランド・エジンバラ出身ですが、母はフランス人、父はアイルランド人と、その存在自体が国際的です。

シェッドはまさに多用性と創造性の象徴です。格納式の外壁はイベントに応じた空間を作ることもできます。

開業した翌年に新型コロナウイルスのパンデミックによって閉鎖を余儀なくされましたが、再開後はニューヨークの活気に満ちた文化シーンを演出し続けています。

シアトル中央図書館/シアトル

image by:f11photo/Shutterstock.com

シアトル中央図書館(Seattle Central Library)」ほど、図書館に見えない図書館は珍しいのではないでしょうか。ワシントン州シアトルのダウンタウンに位置し、かのイチロー選手がプレイしたT-モバイル・パークからも歩いて行ける距離にあります。

型破りとしか呼びようがないガラス張りの外観もさることながら、館内に足を踏み入れると広大な閲覧室に圧倒されるかもしれません。図書館とは単なる本の保管庫ではなく、創造性と知識の源泉であることをきっと実感できるでしょう。

クリーブランド・クリニック・ルー・ルヴォ・センター・フォー・ブレイン・ヘルス/ラスベガス

image by:trekandshoot/Shutterstock.com

ギャンブルとエンターテイメントの街、ラスベガス・ストリップに近く、そこに立ち並ぶ巨大なホテル群にも劣らないほど奇抜なデザインで知られている建物が「クリーブランド・クリニック・ルー・ルヴォ・センター・フォー・ブレイン・ヘルス(Cleveland Clinic Lou Ruvo Center for Brain Health)」です。

その長い名前の通り、このまるでひしゃげたような外観の建物はなんと脳専門の病院施設なのです。設計はカナダ出身の有名な建築家であるフランク・ゲーリー氏。

非対称デザインと反射材がこれ以上ないほどの視覚的インパクトを生み出していることは間違いないでしょう。そこに創造性を見出すか、あるいは混沌を感じるかは、見る人次第です。

  • クリーブランド・クリニック・ルー・ルヴォ・センター・フォー・ブレイン・ヘルス
  • 888 West Bonneville Ave. Las Vegas , Nevada 89106
  • Cleveland Clinicホームページ

サルベーション・マウンテン/ロサンゼルス

image by:Lauren Elisabeth/Shutterstock.com

ロサンゼルスから南東の方向に向かい、高速道路を2時間ほど走ると荒涼とした砂漠のような風景が広がっています。行政地区ではアリゾナ州とメキシコ国境に接したインペリアル郡にあたり、カリフォルニア州内でも最貧の地帯だということです。

その砂漠の一角にある「サルベーション・マウンテン(Salvation Mountain)」は正確には建造物とは呼べないかもしれません。

丘の地形を利用して、ありとあらゆる産業廃棄物と大量の塗料を用いて作り上げられた巨大な壁画のような芸術作品です。

作成者のレナード・ナイト氏は自身が信じた「神は愛である」のメッセージをこの地を訪れる人すべてに伝え続けていましたが、2014年に亡くなりました。現在はナイト氏の遺志を継いだボランティア団体によってサルベーション・マウンテンは維持されています。

  • サルベーション・マウンテン
  • Niland, Imperial County, California, USA.
  • ホームページ

ニューヨークからサンフランシスコまで、広大なアメリカ合衆国に広がる各都市はそれぞれ独自の歴史と文化を持ち、その建造物を通じて様々な物語を私たちに語りかけてくれます、革新、伝統、そして創造性。それらが融合して作り出す美しさと独自性をぜひご自分の目で確かめてください。

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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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