孤高の絶景。格別の美しさを見せる全国「一本桜」ランキングTOP10
いよいよ春本番を迎え、次々と開花してゆく桜たち。日本の春には欠かせない存在の桜ですが、ズラリと並ぶ桜並木だけでなく、その名の通り1本だけが植えられている「一本桜」も格別の美しさを発揮しています。
今回は、日本各地に点在する「一本桜」について旅行情報誌「じゃらん」が実施した「会いに行きたい一本桜ランキング」をご紹介します。驚きの樹齢や深い歴史を持つ1本が次々と登場するトップ10を、早速チェックしてみましょう。
夢のような春の絶景!「一本桜」だからこその卓越した美しさを堪能
10位 根尾谷淡墨(ねおだにうすずみ)ザクラ/岐阜県
見ごろ:3月下旬~4月上旬
10位にランクインしたのは、岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨(ねおだにうすずみ)ザクラ」。樹齢はなんと1,500年以上を誇り「古事記」「日本書紀」にも登場する第26代天皇・継体天皇が植樹したものという伝説を持つヒガンザクラです。
スケールは、樹高16.3m、幹囲9.9m、枝張りに至っては東西に26.90m、南北に20.20mという巨大さ。圧倒的な存在感で「日本五大桜」および「三大巨桜」のひとつに名を連ね、国の天然記念物にも指定されています。
つぼみは薄いピンク、咲き初めると淡い薄紅色の花となり、満開時には真っ白に。最後、散り際となると淡く墨色へと変化してゆくことから「淡墨桜」と名付けられています。周囲は「淡墨公園」となっており、お花見の時期は多くの人で賑わいます。
9位 一心行の大桜/熊本県
見ごろ:3月下旬~4月上旬
9位に登場したのは、熊本県・南阿蘇村のシンボルとして知られる「一心行の大桜」。樹齢が約400年という歴史を誇るヤマザクラで、その高さは約14m、枝張りは東西へ約21.3m、南北へ26mという巨大さです。
矢崎城の城主・伯耆守惟冬が薩摩・島津氏との戦いにより命を落とし、植樹が行われ菩提樹に。その御霊を弔おうと「一心に行をおさめた」ことから命名されたと言われています。落雷や台風に曝されながらも姿を保っているのは「くまもと緑の財団」の養生によるもの。
一心行の大桜を鑑賞する上で最も魅力となるのが、周囲に広がる鮮やかな菜の花畑。背景には雄大な山々がそびえ、自然の美しさを存分に感じられる絶景を拝むことができます。3月後半には「南阿蘇桜さくら植木まつり」も行われています。
- 一心行の大桜
- 熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松3226-1
- 0967-67-2222(みなみあそ観光局)/0967-67-3321(期間限定桜開花情報サービス)
- 中松駅
- 見ごろ:3月下旬~4月上旬
- 熊本県公式観光サイト/開花情報
8位 三春滝桜/福島県
見ごろ:4月上旬
樹齢は推定1000年を超えると言われる見事なベニシダレザクラ「三春滝桜」が8位に登場。桜として日本初の国の天然記念物に指定されているという、名実共に日本を代表する桜のひとつです。
四方に枝が大きく広がり、まるで滝の水が流れ落ちるように咲き乱れている姿から命名。あまりの美しさに皇居宮殿の橋本明治画伯による「櫻」や赤坂Bizタワーの千住博画伯による壁画「四季樹木図」など、芸術作品のモデルにもなっています。
日中は野の緑と青空のコントラストに薄紅色の桜たちが映え、まさに春らしい姿に。そして夜は枝先まで余すことなくライトアップが行われ、圧巻の幻想的な世界に。10位の「根尾谷淡墨ザクラ」と共に「日本三大桜」にも名を連ねているのが頷ける絶景です。
7位 本郷の瀧桜(又兵衛桜)/奈良県
見ごろ:3月下旬~4月上旬
7位にランクインしたのは、歴史深い奈良県の名木「本郷の瀧桜(又兵衛桜)」。樹齢は約300年にのぼり、かつて戦国武将・後藤又兵衛が暮らした屋敷の跡地に咲いているため「又兵衛桜」と呼ばれ、愛されています。
高さ13mのダイナミックなシダレザクラが石垣の上に咲き乱れている光景は、日本の春として満点。そして、又兵衛桜の見事さをさらに増しているのが周囲に植えられている桃の木です。
薄いピンクの桜と、濃いピンクの桃の木がコラボレーションする春限定の光景を求めて、お花見シーズンには6万人ものお花見客が訪れるそう。戦から落ちのび、僧侶となった又兵衛の穏やかな余生が思い浮かぶかのような絶景です。
- 本郷の瀧桜(又兵衛桜)
- 奈良県宇陀市大宇陀本郷
- 0745-82-2457(宇陀市観光協会)
- 榛原駅
- 見ごろ:3月下旬~4月上旬
- 奈良県公式観光サイト/開花情報
6位 六義園の一本桜/東京都
見ごろ:3月中旬~3月下旬
東京を代表する桜の名所「六義園の一本桜」が6位を獲得。「江戸二大庭園」のひとつに数えられる六義園に堂々と鎮座するシダレザクラで、樹齢はおよそ約70年。樹高は約15mほどと、ランキング内でも上位に位置する大きさです。
桜の幅はなんと左右約20mに及び、地面に届くほど垂れ下がっている桜は写真映えも抜群。夜間にはライトアップイベントも特別開催され、お花見の時期は1日を通じて多くのお花見客で賑わいます。
5代将軍・徳川綱吉の時代に側用人の柳沢吉保が造営した回遊式庭園の中には、一本桜の他にもソメイヨシノや山桜など、80本に迫る桜の木々が。中国古典や古今和歌集からインスパイアされた大名庭園を優雅に散歩しながら、お花見を堪能することができます。