5位 伊佐沢の久保ザクラ／山形県

見ごろ：4月中旬～4月下旬

5位にランクインしたのは、国の天然記念物に指定されている「伊佐沢の久保ザクラ」。樹齢は1200年という驚きの歴史を持ち、エドヒガンザクラとしては日本でも指折りの古木です。

長い歴史を誇るだけあり、桜には切ない伝説も。平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂が奥州平定のためこの地を訪れ、滞在した久保家の娘・お玉と結ばれたものの、戦が終わり帰京。お玉は田村麻呂を想って病み、亡くなっています。

それを聞いた田村麻呂が、悲しみに暮れ桜を送り植樹させたと伝わっていることから、この木は「お玉桜」とも呼ばれているそう。今では高さ13mにまで育った桜の周りでは、毎年賑やかな「さくらまつり」が行われています。

4位 わに塚のサクラ／山梨県

見ごろ：3月下旬～4月下旬

韮崎市の天然記念物に指定されている「わに塚のサクラ」が4位に登場。樹齢は約330年と、このランキング内では若手ながら、背景に堂々とそびえ立つ富士山のパワーが大きな人気を集めているエドヒガンザクラです。

樹高は約17m、太さは約3.6m、枝張りは最も大きなところで23mと、美しい形状も魅力のひとつ。「日本神話」に登場する日本武尊の息子・武田王が葬られているという伝説を持つ「わに塚」の上に咲いています。

桜の背景に広がるのは富士山だけでなく、角度を変えると八ヶ岳との撮影も楽しめたりと、山と桜のコラボレーションを満喫するには日本屈指のベストスポット。その絶景ぶりから、メディアやポスターなどにも多く登場しています。

3位 吉高の大桜／千葉県

見ごろ：4月上旬

3位にランクインしたのは、印西市の天然記念物に指定されている「吉高の大桜」。樹齢は400年以上と言われ、樹高は10m、枝張りの大きさは25m以上という見応えのある1本です。

吉高の大桜が人気の理由は、その秘密感と儚さ。地元の人が足繫く通うという、観光スポット化しすぎていない点と、ヤマザクラであることから満開のタイミングが非常に短く、2～3日で終わってしまうという貴重さがポイントです。

運良く満開に巡り合えると「孤高の桜」と評されるのが頷ける、見事なシルエットを描く大桜の木を存分に眺めることができます。印西市にはこの大桜と合わせて2大花見スポットと支持を集める「小林牧場の桜」もあり、双方を楽しむのもおすすめです。

2位 小岩井農場の一本桜／岩手県

見ごろ：4月下旬～5月上旬

2位に登場したのは、青々と広がる農場に、ポツンと見事な姿を見せる岩手県の「小岩井農場の一本桜」。牧場に暮らす牛たちを直射日光から守るために日陰樹として植樹された1本ですが、今や春の風物詩と絶賛される光景を生み出しています。

樹齢はおよそ100年となるエドヒガンザクラで、毎年4月下旬ごろより見ごろのピークに向かうため、背景にそびえる岩手山には残雪が残っており、冬と春が同居するかのような絶景を楽しめるのが魅力。

現在は牛たちの食事となる牧草を収穫するエリアとなっており、緑はますます美しさを増しているこのエリア。周囲は「上丸牛舎」に90本のソメイヨシノが植えられているほか、「まきば園」をはじめ、家族連れで楽しめるスポットも充実しています。

1位 出水のしだれ桜／京都府

見ごろ：4月中旬〜4月下旬

堂々の1位を獲得したのは、京都市の国民公園「京都御苑」内に咲き誇る「出水のしだれ桜」。かつて江戸時代には200もの宮家や公家の邸宅が軒を連ねていたこの場所で、樹齢80年ほどの歴史を重ねているシダレザクラです。

京都のほぼ中心に位置し、観光名所としても大人気の京都御苑にはさまざまな品種の桜が植えられており、その中でもいち早く花を咲かせることで知られているこのシダレザクラ。八重咲で、花びらが比較的大きめなのも特徴です。

大きく広がり、まるで絵画のように美しい全体のシルエットも人気の秘訣。京都御苑内には、他にも「糸桜」として著名なエドヒガンや、京都屈指の美しさと言われるサトザクラ、「左近の桜」ことヤマザクラなど多種多様な桜があり、京都の春を大いに実感させてくれます。

それぞれの地域を彩る、見事な「孤高の桜」たちが並んだ今回のランキング。驚きの樹齢を誇る歴史深い桜も多く含まれ、ロマンに溢れた絶景が多数登場する結果となりました。春らしい絶景を求めて、凛と咲く一本桜へと会いに行ってみてはいかがでしょうか。

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