グルメな外国人がお味噌汁に恋してる?海外視点で再発見する日本文化
和牛とフグがランクイン。愛される日本の食文化
旅行での楽しみといえば、やはりその国ならではのグルメですよね。 日本の伝統的な食文化である「和食」は、ユネスコの無形文化遺産に登録されているほど、海外からの評価も高いグルメのひとつ。
そんな日本のグルメ事情を、中国の方々はこのようなワードで検索していました。
1位 味噌汁
2位 フグ
3位 和牛
4位 定食
5位 お好み焼き
「フグ」や「和牛」など、前年に比べて内容が大きく変わっているのがわかりますね。今回のランキングは、中国で2016年にフグ食が合法化してから2年が経過したことが理由と考えられます。
フグに猛毒があることは世界的によく知られており、日本のように積極的に食べる国は稀。中国でもフグの毒による中毒事故が多発していたため、1990年より市場の流通が法律で禁じられていたのです。
もちろん合法化されたからといってこれまで同様、慎重にフグを扱うことに変わりはありません。
中国の沿海には約40種類ほどのフグが生息していますが、今回現地で解禁されたのは国内の企業が養殖した加工済の養殖トラフグとメフグのみなのだそう。
ちなみに日本で厚生労働省から可食の許可がおりているフグは全部で22種類。そのなかには天然のトラフグも含まれます。
日本でフグは最高級食材として扱われ、ふぐ調理師免許の有資格者以外は調理することができません。確かな知識と経験を持った料理人が扱うことで、安心・安全に食することができるのです。ぜひこの機会に日本のおいしいフグ料理を味わっていただきたいですね。
第3位は「和牛」が選ばれていました。実は2001年に日本でBSE(牛海綿状脳症)が発生して以来、中国では和牛の輸入を禁止しています。そのため中国の国内では和牛を口にすることができないのです。
和牛の美味しさは万国共通ですから、「日本に行ったら絶対食べたい」と検索されているのかもしれませんね。
さらにここ数年で和牛寿司や和牛バーガーなど、インバウンドを意識したメニューを扱う店が増えてきています。この人気は当分続きそうですね。
一方、昨年ランクインした「日本酒」「サーモン」「おでん」などはランク外となり、3位に入っていた「味噌汁」の検索率が急上昇しました。
中国では、なぜ日本の「味噌汁」が人気?
味噌汁が人気を集める背景には、日本と中国の汁物に対する調理方法の違いが関係していると考えられています。
中華料理の四大系統のひとつに「広東料理」というジャンルがありますが、定番の中華スープは鶏1匹を丸ごと使い、何十種類もの具材を使います。
できあがるまでに2〜3時間、内容によってはさらに時間を要することもあるそうです。
逆に「味噌汁」の調理時間は10分程度から長くても1時間ほど。最近では5分でできる時短レシピも人気です。
それでいて炭水化物や脂質、カリウムにマグネシウム、ビタミン、繊維質などたくさんの栄養素が同時に摂取できるのですから文句なしですよね。「医食同源」を食文化の核とする中国だからこそ、注目されるのも納得です。