共同浴場や風情ある温泉街も。古から愛される山形の名湯「蔵王温泉」
温泉街そぞろ歩きのすすめ
さてさて、夢見心地の湯を堪能できる蔵王温泉ですが、期待を裏切らない湯のクオリティに加え、温泉街の風情が素敵なのもポイントなので、まだ寒いこれからの時期、あえて温泉街をそぞろ歩きというのがおすすめです。
ゲレンデのまわりにはいまどきのホテルや土産物屋が軒を連ねますが、温泉街の風景にはまだまだ昔の名残りを垣間見ることができ、豪快に湯けむりをあげて温泉街を流れる湯の川の景色も、蔵王温泉の風物詩。
細い坂道に共同浴場が点在する高湯通りなどは温泉街一フォトジェニックなので、ぜひ散策を楽しんでほしいと思います。積もる雪を溶かしてあちらこちらから湯気が立ち上る坂道を上っていくと、飲み屋や小さな宿の合間にひょっこりと足湯が置かれていたり、共同浴場があったりして退屈しません。
共同浴場がある温泉街って、なんだかそれだけで点数があがってしまうのは私だけでしょうか?上湯、下湯、川原湯と3つある共同浴場の中で一番古いのが下湯温泉で、上湯温泉と泉質は同じだそう。面白いのが川原湯で、ここは足元から湯が沸いてくる珍しい温泉です。
はしご湯を堪能しながら雪景色の温泉街をそぞろ歩き、一杯ひっかけて宿に帰るなんていうのも楽しいので、食事は宿でなく温泉街でとるという選択もありですね。
お酒とワインの話
温泉にプラスして蔵王のお楽しみといえば地酒です。東北で地酒というと日本酒と思いがちですが、日本酒はもちろん、最近はワインの充実にも注目が集まります。
東北ということから夏も涼しくすごしやすいと思う人が多いようですが、盆地である山形の夏は期待を裏切りとても暑いです。ここ数年の猛暑で記録が更新されましたが、以前はずっと日本最高気温は山形県で記録された40.8度であったことをご存じでしょうか。
夏は猛烈に暑く、冬は猛烈に寒い、この寒暖の差が山形をフルーツ王国たらしめている所以で、ワイン造りにも適さないわけがありません。現在、県内には14のワイナリーがあり、蔵王のすぐそばにも1920年からワイン造りを続ける「タケダワイナリー」があります。
「良いワインは良いぶどうから」をモットーに自然農法で造られたワインは全国のソムリエからも評価が高く、豊富なラインアップも魅力です。
世界中に美味しワインはたくさんありますが、日本ワインのよいところは造り手の顔が見えるところ。ナチュールワインとの出会いも期待できます。
日本酒も同様ですが、大量生産が当たり前のこの時代に、こだわりを持って情熱を注いだ酒造りを続ける人々が創り出す一杯と出会えるのも、温泉旅の醍醐味のひとつですね。
よき湯とよき酒と、よき人々と。きっとそんな出会いが待っている蔵王温泉の旅にでかけてみたくなりませんか?
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