常識を疑え。外国の地名が付いているのに日本にしかないグルメ10選
第3位 天津飯
第3位にランクインした「天津飯」は、実は日本独特の中華風料理で、中国にはこれ相当する料理はありません。NHK放送文化研究所の調査によれば、関東では「天津丼」、関西では「天津飯」と呼ぶことが多いそうです。
名前の由来は2つ説があります。1つは、1910年に浅草で創業した大衆的な中国料理店「来々軒」が発祥であるという説です。
この店で特別に「蟹玉」(芙蓉蟹肉)を丼ご飯にのせ、酢豚の餡を応用した甘酸っぱい醤油味の餡をかけたものを作り、「天津芙蓉蟹肉丼」と称したという説です。
2つ目は、大正時代に大阪城近くの馬場町に開業した大正軒の山東省出身の亭主が、戦後の食料不足の際に売り物がなく、天津の食習慣である「蓋飯」(皿盛りの飯におかずを乗せたもの)を発想。
天津で多く捕れたワタリガニの蟹玉で作って、上からとろりとした餡をかけた「芙蓉蟹蓋飯」を作ったという説です。
第2位 アメリカンコーヒー
第2位は、喫茶店やコーヒーショップでごく当たり前に目にする「アメリカンコーヒー」です。日本では浅く焙煎したコーヒー豆で入れたコーヒーのことを「アメリカン」と呼びますが、この呼び方も日本独自のもので、アメリカンコーヒーとは和製英語です。
この呼び方の由来も諸説あります。有名なのは、1964年に東京の芝田村町の某喫茶店で、日本のコーヒーを何杯でも飲めるようにという客からのリクエストに応え、コーヒーカップより一回り大きいミルクカップにコーヒー豆の量を少なめにして淹れることで、浅煎りのコーヒーに見立てたという説。
さらに、1966年に設立された日本珈琲販売共同機構を本部とする珈琲専門店フランチャイズ「コーヒーハウスぽえむ」が、日本で初めてメニューとして登場させた説などが存在します。
第1位 スパゲッティナポリタン
さて、いよいよ第1位です。1位には「スパゲッティナポリタン」が選ばれました。これ、本当に意外ですよね。スパゲティはイタリアのものであり、イタリアのナポリで食べられていてもまったく不思議ではありありません。どころが、これは日本独自の日本のスパゲッティ料理なのです。
スパゲッティナポリタンは戦後まもなく、横浜にある1927年開業の「ホテルニューグランド」で誕生したといわれています。
中世のころ、イタリアのナポリでスパゲッティは、トマトから作られたソースをパスタにかけ、路上の屋台で売られた貧しい人々の料理だったそうです。
同ホテルではそれをヒントに「スパゲッティーナポリタン」と呼ぶことにしたのが始まりです。
いままで、ごく普通に外国発祥の料理だと思っていたものが、実は日本発祥の料理というケースが多かったですね。特に「アメリカンコーヒー」など、海外で食事を注文するときは注意が必要です。