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自転車と一緒に出かけよう。南カリフォルニアでビーチ沿いの鉄道旅

角谷剛
角谷剛
2019/05/25

アメリカはいわずと知れた車社会です。ニューヨークやサンフランシスコなどを数少ない例外として、あまり公共交通網は発達していません。個人旅行をしようと思ったら、観光にはレンタカーを借りて自分で運転し、離れた都市へは飛行機で移動するのが一般的です。

そのため免許を持っていない、もしくは外国で車を運転したくないような人はアメリカを1人で旅行できないのかと思われがちなのですが、決してそんなことはありません。グレイハウンド社を始めとした長距離バスや「アムトラック(Amtrak)」という鉄道会社が全米を網羅する路線を運行していますので、公共の乗り物を利用して米国内を旅行をする人も少なくないのです。

image by:角谷剛

ただ、長距離バスのステーションは治安の悪い場所にあることが多いので、かなりダイハードな旅行者向けといえますが、実はアムトラックは一般の旅行者でも気軽に利用できる上、とても快適で優雅な旅行を楽しめる乗り物です。

今回は、そのアムトラックのなかでも人気の高い路線、南カリフォルニアの海岸線を走る「パシフィック・サーフライナー(Pacific Surfliner)」をご紹介します。

「パシフィック・サーフライナー」の車窓に広がる海岸線

海岸線のすぐ近くを通る線路。このように単線になる区間が多い。image by:角谷剛

「パシフィック・サーフライナー」は南北に全長約560km。北はロサンゼルスとサンフランシスコのちょうど中間地点にあるサンルイスオビスポが最終地点で、南はメキシコとの国境に近いサンディエゴまでを結んでいます。

途中にはロサンゼルス、アナハイム、サンタバーバラなど、観光客に人気の都市やビーチ沿いの街を通ります。

車内は快適そのもの。安い席のコーチと上級席のビジネスクラスがありますが、コーチであっても座席はゆったりとしています。さらに「パシフィック・サーフライナー」のコーチには荷物を収納するスペース、折りたたみ式のテーブル、電気コンセント、それに無料Wi-Fiもありますので、長い旅行をするための設備は万全

そして何より素晴らしいのが車窓からの眺めです。ロサンゼルスのダウンタウンを通過する区間を例外として、「パシフィック・サーフライナー」のルートは大部分が海岸線に沿っており、その車窓からはつねに太平洋が広がっています。

カリフォルニアと言えばビーチやパームツリーを思い浮かべる人は多いと思いますが、そんなイメージ通りの景色をずっと眺めていられるのです。


食堂車。奥に食べ物や飲み物を選ぶ棚とカウンターがある。image by:角谷剛

日本ではほとんど見かけなくなりましたが、アムトラックには食堂車がまだあります。食事と言っても簡単なサンドイッチや冷凍食品ぐらいしか置いてありませんが、ちゃんとビールやワインもメニューにあります。

少しづつ移動していく美しい海を眺めながらビールを飲む、車で旅行していては出来ないことです。まさに鉄道旅行の醍醐味と言えるでしょう。至福の時と呼んでもいいかもしれません。

アメリカの鉄道の旅では、サイクリングも楽しめる

鉄道に自転車を組み合わせると旅の楽しさがさらに広がります。アムトラックには自転車を乗せるための車両があって、自転車を畳まずにそのまま持ち込むことができます。

輪行バッグは必要ありません。駅についたら付近をサイクリング、また自転車を持ち込んで次の街へ行く、という旅が可能なのです。

筆者は自宅のあるロサンゼルス郊外からサンディエゴまでの約150キロを1泊かけてサイクリングし、帰りをアムトラックに自転車を積んで帰ってくるという小旅行を何回かしたことがあります。

サン・クレメンテ駅の近く。線路と海岸線に沿ったパシフィック・コースト・ハイウェイをサイクリング。image by:角谷剛

同じように、ロサンゼルスの北側ではベンチュラからサンタバーバラまでの約50kmは美しい海岸線を通る、半日程度のサイクリングにおすすめのルートです。アムトラックでは途中に1駅があるだけ、たった40分の区間です。

「日本から自転車を持っていくのはちょっと大変…」という人は、大きな駅の周辺には自転車をレンタルできるショップがいくつもありますので、そちらを利用してみてはいかがでしょうか。

角谷剛

角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。 【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

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