自転車と一緒に出かけよう。南カリフォルニアでビーチ沿いの鉄道旅

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2019/05/25

「パシフィック・サーフライナー」の魅力的な駅

「パシフィック・サーフライナー」には全部で25個の駅がありますが、特に魅力的な駅をいくつか紹介しましょう。

1.オールド・タウン駅

オールド・タウン駅は、「パシフィック・サーフライナー」の始点となるサンディエゴ駅から2つ目の駅です。サンディエゴ駅は市の中心部にあって、非常に便利なローケーションなのですが、周囲も駅舎も大きいので自転車でのんびりするような旅行には向かないように思います。

オールド・タウン駅のプラットフォーム。image by:角谷剛

このオールド・タウン駅はそれよりやや小規模になり、近くには歴史パークなどの見所やお店も多く並んでいます。サンディエゴにはトロリーと呼ばれる路面電車が走っていて、それに乗り換えて市内観光をすることもできるのです。

2.サン・クレメンテ・ピア駅

サンディエゴとロサンゼルスのちょうど中間あたりに位置するサン・クレメンテ・ピア駅は文字通り海の目の前にあります。プラットフォームを降りたら、すぐにビーチです。ピアと呼ばれる桟橋の付近にはおしゃれなレストランやギフトショップが並んでいます。

サン・クレメンテのピア。image by:角谷剛

サン・クレメンテは人口約6万人ほどの小さな市で、国際的にも国内でもそれほど有名なわけではありませんが、小さな都市であるからこそ、南カリフォルニアの海岸沿いの雰囲気を存分に楽しむことができる街です。

3.サンタバーバラ駅

ロサンゼルスの北側にあるサンタバーバラは、スペイン風の建築物が並んだカリフォルニアでも独特の雰囲気で人気があります。サンタバーバラ駅は市の中心部にありますが、海からも歩いて10分ほど。ホテルやレストランには不自由しません。

アメリカン・リビエラと呼ばれる美しい海岸線に囲まれた街で、ゆっくり休日を楽しむには最適なロケーションです。

サンタバーバラ駅。image by:角谷剛

「パシフィック・サーフライナー」の乗り方、予約の仕方

アムトラックは満席になることは非常に稀で(筆者は経験がありません)、人気のある「パシフィック・サーフライナー」でも、よほどのことがない限り、駅の自動販売機で問題なくその日のチケットを購入することができます。

注意が必要なのは、日本の人から見ると驚くぐらいに運行数が少ないことでしょう。大体1日に10本程度1~2時間に1本ぐらい列車が来ませんので、事前にスケジュールを確認することをおすすめします。


アムトラックの公式サイトではスケジュール確認、そしてチケットの購入ができます。行きたい駅、日付、片道か往復か、人数などを入力すると、その日の運行列車が出てきます。

そこからひとつ選ぶと、次に問われるのが持ち込む自転車の数。料金がかかるわけではありませんが、自転車で旅をするときは念のため自転車用のスペースを確保しておきましょう。

予約画面の1部。自転車を持ち込む際にはここで台数を入力する。自転車のための料金はかからない。image by:角谷剛

あとは画面の指示に従って、名前や住所を入力し、クレジットカードで支払いを済ませます。チケットは紙に印刷したものを持ってもいいですし、スマホの画面でもOKです。

アムトラックの駅には改札というものがありません。いくつかの大きな駅を除き、ほとんどが無人駅です。プラットフォームから電車に乗ると、しばらくしてから車掌さんがやってきますので、そのときにチケットを見せるというやり方となっています。

途中駅のひとつ「エンシニータス(Encinitas)」。ここも単線の無人駅。image by:角谷剛

自転車を持ち込む場合は、やはり車掌さんが停車中に自転車置き場になっている車両まで案内してくれます。当然のことながら、自転車を積み込む間は電車は停まったままですが、車掌さんは特に急ぐ気配はありません。

分刻み、あるいは秒刻みで正確に運行する日本の電車を見慣れた目には奇異に映るかもしれませんが、こののんびりとした牧歌的な雰囲気もまた旅の楽しみのひとつです。南カリフォルニアを一味違った角度から楽しむ鉄道と自転車の旅、ぜひ次の旅行の候補に考えてみてはいかがでしょうか。

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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