知られざる北陸最古の温泉地。奈良時代、718年から続く名湯「粟津温泉」

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2019/06/16

自家掘りの温泉宿が集まる粟津温泉

総湯の外観 image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

粟津温泉の開湯とともに歴史を歩んできた法師に関していえば、まずコケで覆われた庭に、灯ろうなどの景物を置いた池のある池泉式庭園が見事な風情を醸し出しています。

その日本庭園を囲むかたちで、館内は客室が配置されています。外界から閉じられた回廊に沿って客室が並んでいるため、プライベート感はとても高いです。

先日、別件の取材で目の前を通った際には、正面の駐車場に、関西を中心に全国から来た車をたくさん見かけました。

法師の内風呂 image by:石川県観光連盟

法師の目の前には、町のシンボルである樹齢400年以上の黄門杉が道の真ん中に根を下ろしています。その道を挟んだ場所に、総湯があります。

総湯を囲むかたちで、他の宿が林立しているとイメージすると、温泉街の全体像が理解しやすいと思います。

どこの宿も自分たちの泉源を自家掘りで確保しており、無色透明な「美人の湯」を思う存分楽しめます。

上述でも紹介したように、残念ながら温泉地そのものは、そぞろ歩く場所としては、少し規模が小さい印象がぬぐえません。

しかし、すぐ近所には紅葉の名所として知られる「那谷寺」もありますし、ファミリー旅行に人気の伝統工芸体験テーマパーク「加賀 伝統工芸村 ゆのくにの森」もあります。

粟津温泉の足湯 image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

もちろん加賀温泉郷の一角ですから、他の温泉地の総湯めぐりも楽しめます。


新潟や富山から福井、関西方面に向かう途中で、あるいは関西方面から金沢、富山、新潟に向かう途中で、宿泊地として比較的アクセスのいい場所に粟津温泉はあります。

恋人の聖地としても粟津温泉は売り出しているimage by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

北陸でどこか話のネタになる名宿に泊まりたいと思ったら、北陸最古の粟津温泉を選択肢のひとつに入れてみてくださいね。

ちなみに法師以外では「喜多八」も庭園が見事で、独特の気品を漂わせる名宿でリピーターが多いと評判です。宿選びにあわせて参考にしてみてくださいね。

  • 参考
  • 『これが新しい温泉の選び方 新 名湯図鑑』北國新聞社
  • 『最高のローカルを往く 北陸温泉宿の旅』ウララコミュニケーションズ
  • 注釈
  • 1)海跡湖…昔海だった湖。柴山潟は後に日本海に向けて放水路が造られる。
  • image by:石川県観光連盟
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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