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師走が魅せる、京都の街並み。古都で歴史ある「冬の風物詩」を学ぶ

12月の京都を歩いていると見かける光景や京都ならではの催しものをいくつかご紹介します。

今回は、千本釈迦堂の「大根炊き(だいこたき)」、12月13日の花街の「しきたり・事始め」、南座で行われる「吉例顔見世」をとりあげます。

これらはほんの一部ですが、比較的代表的な京都の12月の風物詩です。京都観光の見どころというのではなく、昔から地元京都で行われてきたものです。

特に事始めは、花街の儀式や風習といったものなので見物するようなものではありません。12月中旬に開催される催しもあるので、それぞれの意義や歴史、見どころなどをお伝えできればと思います。

千本釈迦堂の「大根焚き」

image by:photolibrary

京都の人は、「だいこんたき」とは呼ばず、「だいこたき」と呼びます。冬の京都に行くと、この「だいこたき」が庶民の生活に馴染んでいるのを感じます。

厚さ5cmくらいある輪切りに切った大きな大根とお揚げをお出汁で炊き上げた食べものです。お出汁の味が大根にしみ込んでいてとても柔らくて美味しいですよ。

千本釈迦堂は通称で正式には「大報恩寺(だいほうおんじ)」といいます。

織物の町・西陣の近くに平安時代からある由緒あるお寺で、本堂は現存する京都市内最古の木造建築として有名です。

大根焚きはお釈迦様が悟りを開いた12月8日を祝う行事。鎌倉時代の住職が梵字(ぼんじ)を記した魔よけの大根を炊いたのが始まりとされています。


江戸時代中期以降は魔除けから病みよけとして大根焚きが盛んになったそうです。千本釈迦堂の大根焚きは、毎年12月7日、8日の2日間行われています。

image by:Joymsk140 / Shutterstock.com

千本釈迦堂には、おかめの物語が残っています。本堂造営の際、大工の棟梁が柱の寸法を間違えて切断してしまいました。大工の棟梁が困っている姿に、妻のおかめが、「枡を使ったらどうか」とアドバイスします。妻の助言もあり本堂は無事竣工することができました。

ところが、おかめは女の提案で棟梁が大役を果たした事が知れては夫の棟梁としての評価が下がると思い悩みます。そして悩んだ結果自らの口封じのため、上棟式の前に自害してしまうのです。

大工の棟梁は、妻おかめの冥福を祈り、「おかめ塚(宝篋印塔)」を建てました。

そこにおかめの福面を飾った扇御幣を飾ったとされていています。のちに千本釈迦堂は大工の信仰を集め、今日でも家などの上棟式には、お多福の面をつけた御幣が飾られています。悲しいお話ですが、心に沁みる物語ですよね。

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