なぜ鹿鳴館のシャンデリアがお寺に?関東三聖天のひとつ「燈明寺」
本堂にあるシャンデリア
現世利益を期待できる聖天様にしっかりとお願いごとをした後は本堂へ。本堂は関東大震災で倒壊したため、1944(昭和19)年に再建されたもの。
この外観。なんとなく見覚えはありませんか?
実は、10円玉に描かれた平等院鳳凰堂の様式を取り入れたもので「三つ屋根造り」といいます。ゆるやかな軒ぞりが美しいですね。
さらに、燈明寺の本堂の天井にはシャンデリアが取り付けられています。
実はこのシャンデリアはイタリア製で、かつては鹿鳴館で使われていたものといわれています。
その昔、鹿鳴館は明治時代に作られた外国の要人を接待するための社交場でした。そこをきらびやかに照らしていたシャンデリアなわけですね。
お寺の人にその理由をうかがうと、
「1940(昭和15)年に鹿鳴館が解体され、建物に使われていた調度品が競売にかけられたときに、このシャンデリアがお寺にやってきたけれど、詳細は定かではない」
とのこと。シャンデリアは非公開ですが、本堂にある小窓からのぞけました。
高い天井に取り付けられた青銅色のシャンデリアは壮麗なデザイン。お寺という和の空間に溶け込んでいますが、かつては鹿鳴館に存在したことを思うと数奇な運命を感じます。
また、燈明寺の境内には茶室があります。この茶室は歌人の伊藤左千夫の設計で、文人でもあったこのお寺の貫主が伊藤左千夫と親交が深かったことから建てられたのだとか。
境内には聖獣を施した木鼻や数奇な運命たどったシャンデリア、伊藤左千夫設計の茶室などがある燈明寺は、エピソードにコト欠きませんね。
- 燈明寺(平井聖天)
- 東京都江戸川区平井6-17-30
- JR「平井駅」から徒歩約3分
- image by:御田けいこ
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