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京丹波町が“蹴鞠の里”に!?KEMARI文化を未来へつなぐ鞠師夫婦を訪ねて

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2020/10/26

みなさんは「蹴鞠(けまり)」という日本古来の球技について、どのくらい知っていますか?平安貴族が興じた優雅な遊び、サッカーの元祖とされる古典的スポーツ、神社の行事など特別な機会に披露される伝統文化……そんな漠然としたイメージにとどまっているかたが多いかもしれません。

かく言う筆者もその一人。自慢じゃありませんが、蹴鞠のルールはもちろん、鞠にさわったこともないスーパー素人です。

そんな筆者を温かく迎え入れ、蹴鞠のイロハを教えてくださったのが、京丹波・美女山の里で伝統的な鹿革鞠を復活させた鞠師の池田游達(ゆうたつ)さん・蒼圭(そうけい)さん夫妻です。お二人の活動ぶりを通して、蹴鞠の奥深い世界をのぞいてみましょう!

思いやりの精神が宿る、ゆかしきスポーツ「蹴鞠」を体感!

池田游達さん・蒼圭さん夫妻が暮らすのは、京都縦貫自動車道・丹波インターから車で5分ほどのところにある京丹波町・美女山のふもと。無事にたどり着けるかドギマギしながら集落を進んでいくと、ひと目でココだと確信する場所に。鮮やかな鞠装束に身を包んだお二人が表で待っていてくれたのです!

この出で立ちからもわかるように、お二人は長年本格的なお稽古に勤しんできた蹴鞠プレイヤー(鞠足)。これまで下鴨神社の「蹴鞠はじめ」などの名だたる行事に参加し、游達さんは経歴40年を超える大ベテランです。

自宅前には「鞠庭」と呼ばれる蹴鞠専用のコートまで!せっかくなので、ちょっと実演していただきました。

しずしずと鞠庭の中へ進み入り、姿勢を正して向かい合うと、まず游達さんが右足でぽーんと高く鞠を蹴り上げます。と同時に、アリ、ヤア〜!アリ!の掛け声(請い声:こいごえ)が発せられ、鞠を蹴り返す蒼圭さんからはオウ!アリ、ヤア〜!アリ!の掛け声が。

こうして互いに声を掛け合いながら「ワルツをちょっと遅くした三拍子のリズム」をととのえ、息を合わせてラリーを続けていきます。

動画でもぜひ、御覧ください!!↓


正式には8人または6人が輪になって鞠を蹴り合います。受け渡しの合図に使う「アリ」「ヤア」「オウ」の掛け声は、鞠の精の名前に由来

玄人のお二人でもラリーを長く続けるのは至難の業。鞠は独特の形をしている上に、右足の親指の付け根あたりで蹴る、膝を曲げずに地面に近いところで蹴る、3回以内に蹴り返すといったさまざまな決まり事もあります。

それらを意識しつつ、「相手が受けやすい鞠を蹴る」という思いやりの精神を持ってプレーすることが何よりも大切なのです。

華やかな鞠装束には、蹴鞠の作法に則ったさまざまな工夫が施されています。例えば、鞠水干の両袖の端に付いた「砂擦(すなずり)」と呼ばれるふさは、単なる装飾ではなく、先端を地面につけて基本姿勢を保つためのもの。

「鴨沓(かもぐつ)」と呼ばれる蹴鞠専用の革靴もあります。足先が鴨のくちばしに似ていること、あるいは蹴鞠に縁が深い京都・賀茂の地にちなんで、この名が付いたといわれています。ブーツっぽくて、どことなく異国情緒を感じさせますね。

鞠装束の上下(鞠水干、葛袴)の色合わせも、家元が定める段級制によって細かく決まっているそう。つまり、見る人が見ればひと目で鞠足としてのレベルが判別できる便利なシステムなのです。

池田さんが開催している蹴鞠体験会では、コースによって鞠装束の着装体験もできるので、興味のあるかたは着付けや着心地も味わってみてくださいね。筆者はこの日、着装の代わりに実技の体験を少しさせてもらいました(普段着+スニーカーでOK)。

が、まともに鞠が上がらない!(涙)基本姿勢や足の出し方などに気を取られ、鞠にコンタクトするのもひと苦労……。でも、無我夢中で鞠を追い続けるのって、純粋に楽しい!!目の前のことだけに集中できるので、気分転換には持って来いだなぁと感じました。

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