「サンタ、なんであっこの電気屋で買ってるん?」小学生と母親の攻防戦
うちのサンタさんは、地元のジョーシンをチェックしてるっぽい
当時、任天堂の『ニンテンドーDS(以下、DS)』が大流行していたため、私もサンタさんにDSをお願いすることにしました。
サンタさんなんていないんじゃないの…という疑念を持ちながら、ちゃっかりプレゼントはもらおうとするところは、いまと変わらずしたたかなのです。
いやだって、サンタは存在しない派閥の友だちたちも、どこからかDSをもらうっていってたし。
しかし、それを母に告げるとまさかの回答が。
「サンタさんはDSみたいな高価なものはくれないよ。DS はお小遣いで自分で買って、カセットをお願いしてみたら?」
「でも、周りの友だちのサンタさんはDSもらえるっていってたよ…」
私も食い下がりますが、「まあ、うちのサンタは、うん…」とかなんとか、はっきりしないまま適当にはぐらかされました。
そのとき、私は幼いながらに、悟ってしまったのです。
だって、毎年プレゼントをくれる“あの”サンタさんが、家庭によってプレゼントの金額を変えるはずないじゃないですか。
そんなはずない、そんなはずない。やっぱりサンタさんは…。
「この包装紙、ジョーシンのおもちゃ売り場のやつと一緒やんな?なんで?」
思い返せば、私の家にサンタさんが持ってきてくれるプレゼントは、いつも同じ、ジョーシンの包装紙に包まれている。
家から徒歩10分ほどのところにある、角のジョーシンの。いつもはプレゼントをもらっても、包装紙はすぐにバリバリとすぐに剥がしてしまうから気づかなかったけど…。
「サンタさんって、ジョーシンで買い物してるんかな?」
「ああ、そうなんかな」母が困った顔をしているのはわかっていました。けど、やっぱり真実は知りたい。
たじろぐ母に、さらに猛追をします。
「サンタさんってフィンランド人やんな?じゃあ英語でお手紙ちょうだいっていっておいて」
そうやってなんとか母の口から聞き出そうとしましたが、全部失敗に終わったのです。