「サンタ、なんであっこの電気屋で買ってるん?」小学生と母親の攻防戦

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2020/12/23

結局、サンタさんっているのかもしれない

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翌年も、その次の年も、母との攻防は続きました。しかし「サンタさんはいない」とも「サンタさんはいる」とも結論づけられず、12月25日の朝起きたらプレゼントは枕元にあるのです。

ちなみにあの猛追事件以来、プレゼントは包装紙には包まれておらず、裸のまま置かれていました。

そして気付けば、もう、来年は小学5年生です。

さすがに私も成長したし、母も限界だと感じたのでしょう。それに、母も私自身も“サンタクロース”という夢は壊したくなかったのだと思います。

小学5年生のクリスマス前、母からある提案がありました。

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「『もうすぐ私は6年生なって小学生を卒業するので、プレゼントは今年で最後で大丈夫です。いままでありがとう』ってサンタさんに手紙を書いたらどう?」って。

サンタクロース卒業”の提案です。

いま思うと、すごく素敵な発想ですよね。だから私は、サンタさんに精一杯の「ありがとう」の手紙を書きました。確か、英語でも書いた記憶があります。サンタさんはフィンランド人のはずなので。

そして、お礼の気持ちを込めて、クッキーを焼いて手紙と一緒に枕元に置いて眠りました。25日の朝、もうプレゼントは置いていなくて、私はきちんと“サンタクロース卒業”ができました。


思い返すと、きょうまでに一度も母の口から「サンタクロースはいない」といわれたことはありません。

だから大人になったいまでも、心のどこかでは、サンタさんは本当にいたんじゃないのかなと思っているのです。

だって、否定する根拠が一つもないのだから。

サンタクロースいるいない論争は、いまもまだ、私の中では小さく巻き起こっています。

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フリーランスのライター・インタビュアー

大学卒業後、勢いでフリーランスとして独立。ウェブメディアを中心に、インタビューやイベントレポート、小説・エッセイ連載など様々な媒体で執筆、脚本を行っています。小説をエンタメだけでなく情報を伝える手段にするべく、日々奮闘中。
その人や商品、企業の魅力を、私の文章でより多くの方々に伝えたい気持ちを胸に日々活動しています。

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