レジに並ぶのは時代遅れなのか?未来を牽引するアメリカの最新スーパーマーケット
非接触型だが無人ではない。そのワケは?
新型コロナウイルス感染拡大のため、レジで他人と接触しないアマゾンの決済方法が注目を集めていますが、それはあくまで偶然のなせる業。
アマゾンはレジを自動化したコンビニエンス・ストア「Amazon Go(アマゾンゴー)」をすでに2016年には新本社内にオープンしており、この「Amazon Fresh Grocery Store」も基本的にはそのシステムを踏襲しているからです。
もともとの狙いは買い物にかかる時間と手間の節約であって、あくまでもウイルス防止対策ではありませんでした。
また、このお店は非接触型ではあっても、けっして無人店舗ではありません。当然のことですが、店内に商品を陳列する人は必要ですし、持ち帰りコーナーなどではカウンターの後ろで食べ物を受け渡す人もいます。
そして、自動化の目玉ともいえる「Amazon Dash Cart」にしても、私が見る限りでは、少なくともアメリカ国内では完全に無人化できない3つの理由があります。
(1)カートを車のある場所まで持ち出せない
高価であろうコンピューター付きのカートは店外に持ち出せません。雨に濡れても困りますし、駐車場にカートを放置すると盗難の可能性もあります。
そのため、店の出口にはカートを回収するための店員が待機。客は商品が詰まった紙袋をカートから取り出し、自分の車まで持ち運ぶことになります。
(2)アルコール類を購入する際は身分証の提示が必要
アルコール類の購入には身分証明書の提示が法律で義務化されています。このカートにワインを積んだまま出口に向かうと、ブザーがなり店員がやってきます。実際に筆者も購入する際、提示しました。
(3)まだまだ浸透していないため使い方を説明する店員が必要
このカートはまだまだ多くの人にとっては未体験のため、使い方を説明するための店員がカート置き場付近に配置されています。またそれを店員に尋ねる客が実に多いのです。
買い物にスマホが必須の時代か?
アマゾンのアカウントを持ち、そのアプリをダウンロードしたスマホでチェックイン。まるでスマホがなければ買い物ができない店のような印象を受けますが、実はそうではありません。
お店にはコンピューターが付いていない普通の買い物カートがたくさん用意されていますし、現金やカードで決済する通常のレジもちゃんとあるからです。
つまり「Amazon Dash Cart」をまったく使わずに、普通のスーパーマーケットと同じように買い物をすることができるわけで、現在のところ、そちらを利用する人たちの方がむしろ多数派のように見受けられました。
果たして、この「Amazon Fresh Grocery Store」が日本に上陸する日は来るでしょうか?長いレジの列で待つことが嫌いな私にとっては、近所にあれば便利な店だとは思います。
- image by:角谷剛
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