世界遺産・平等院の鳳凰堂を徹底解剖!国宝密度が日本一

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2021/03/14

国宝密度が日本一濃い!阿弥陀堂(鳳凰堂)内部

(C)平等院 image by:平等院

堂内にはご本尊の阿弥陀如来坐像が鎮座しています。こちらは平安時代、宮廷や藤原摂関家御用達の平安時代最高峰の仏師・定朝(じょうちょう)が手掛けた仏像として現存する唯一の作品。国宝に指定されています。鳳凰堂内の国宝だけでも、その数なんと74点!

鳳凰堂の扉が開き、本尊が顔を見せる (C)平等院 image by:平等院

ご本尊の頭上を覆う煌びやかな天蓋(てんがい)は、金やガラス玉、鏡、螺鈿(らでん)などで装飾されています。阿弥陀如来は光の仏様。

東を向いて立つ鳳凰堂前の阿字池(あじいけ)に太陽がバウンドして光が阿弥陀堂内を照らすことで、キラキラ空間を演出しているそう。

さらに本尊の頭上には雲中供養菩薩像52体。屋根の上の鳳凰(2代目)が。同じく高い位置にあると、よく見えません。

平等院のミュージアム「鳳翔館(ほうしょうかん)」では、間近でみると面白いものや美術的に素晴らしいものを、間近で細部まで参拝者にしっかりと鑑賞してほしい!という思いから、一部の雲中供養菩薩像や初代鳳凰などを展示しています。

“もうひとつの平等院”が地下に!ミュージアム「鳳翔館」

(C)平等院 image by:平等院

平等院の極楽浄土の景観を損なわないよう、大半が地下に建てられたミュージアム「鳳翔館」は旧宝物館の老朽化に伴って、所有する国宝などの文化財を収蔵しながら展示できるミュージアムとして2001年に開館。常設展のほか、年に4回企画展も行われます。

今回のお目当ては、常設展の初代鳳凰、雲中供養菩薩像、初代梵鐘。いずれも国宝。大気汚染の影響から守るため、初代の鳳凰や梵鐘はミュージアムで大切に保存されています。

日本三名鐘のひとつ、姿の美しさでは日本一「梵鐘」(国宝)

(C)平等院 image by:平等院

高さ2メートル。姿の平等院と言われるほど、その美しさは有名。平安時代に鋳造されたものです。獅子、唐草、宝相華、天女、龍が描かれており、隅々まで文様があるのが特徴です。

鳳凰堂の南側に見える鐘楼。現在は2代目の梵鐘が。毎年除夜の鐘のみ一般の方が鐘をつけるチャンスも。例年は約1,000人が訪れます。※無料で絵馬の授与も


現在の1万円にも描かれている「鳳凰」(国宝)

(C)平等院 image by:平等院

初代鳳凰は平安時代作。仏師・定朝が原型を木彫りで作ったとも言われています。間近でみると、鋭い目つきや魚の鱗みたいな模様、首の後ろに宝珠が付いているのがわかります。

平等院のアイドル!押しメンは誰?雲中供養菩薩像(国宝)

ファンも多い雲の上に乗った仏様。26体の雲中供養菩薩像を間近で鑑賞。壁に掛けるタイプの仏像なので、横から見ると実はとっても薄い!そして下から見上げるように作られていることもよくわかります。

(C)平等院 image by:平等院

楽器を演奏したり(写真右下)、舞を踊ってリズムをとっていたり(写真左)、持物をもっていたり(写真右上)…とようすはさまざま。さらにはスピード感のある雲や急降下をしているようにも見えるものなど、ずっと見ていても飽きません。

雲中供養菩薩は仏師定朝の指導の下、100人以上いたとされる工房の職人たちが作ったものなので、それぞれに雲や仏様の表情が豊か。推しメンを探してみて。

頼通が望んだ最上のお迎えを絵画に!日本最古の九品来迎図(国宝)

(C)平等院 image by:平等院

美しい大和絵風の九品来迎図(くほんらいこうず)も天蓋や雲中供養菩薩と同じく本尊を荘厳する役割があります。亡くなった人は生前の生き方によってお迎えのようすが9通りあり、鳳凰堂の扉や壁には、頼通の望みにより最上級のお迎えのようすが描かれていました!

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