ANAやJALの「修行」とは? 飛行機の旅がガラリと変わる上級会員の世界

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2021/12/17

ラウンジは国内線より国際線が充実。日本独自の「SFC」「JGC」とは?

羽田空港のキャセイパシフィック航空ラウンジ。image by:シカマアキ

日本の空港には、クレジットカードで利用できるラウンジと異なる、航空会社直営の搭乗回数が多い人を対象とした特別なラウンジがあります。ANAでは「プラチナ」以上、JALでは「サファイア」以上に到達すると、無料で利用できます。

ラウンジ内には、ソフトドリンクやおつまみのほかビールも置いてあって飲み放題ダイヤモンド会員向けのラウンジだと、国内線でも軽食があります。

JAL国際線のラウンジで名物「ビーフカレー」 image by:シカマアキ

国際線のラウンジでは、寿司職人が握る寿司、美味しいと評判のカレーなどが食べられ、シャワーや靴磨きなどのサービスも利用できます。

また、日系航空会社独自のサービスで、ANA「プラチナ」、JAL「サファイア」に到達した人が持つことできるクレジットカードがあり、ANAは「スーパーフライヤーズカード」SFC)、JALは「JALグローバルクラブ」(JGC)です。

このカードを持つことができれば、年会費毎年1万円強を支払い続けるだけで、プラチナもしくはサファイア相当のステータスを維持し続けることができます。

つまり、毎年「修行」する必要がなくなるため、ブロンズやクリスタルではなく、このランクをひとまず目指す人が多いです。

ANAやJALのステータスは海外でも通用。世界3大アライアンスの存在

外資系の航空会社にも、同様の上級会員制度が存在します。それぞれ世界中の航空会社と提携しているのも特徴です。世界には3つの航空連合(アライアンス)があります。

・スターアライアンス・・・ANA、ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、シンガポール航空など
・ワンワールド・・・JAL、アメリカン航空、キャセイパシフィック航空、ブリティッシュエアウェイズなど
・スカイチーム・・・デルタ航空、大韓航空、ベトナム航空、中国東方航空、エールフランス航空など

例えば、ANAの上級会員ユナイテッド航空に搭乗すると、ランクに応じて優先搭乗ラウンジが利用でき、マイルも貯まります


JALの場合だと、アメリカン航空キャセイパシフィック航空などを利用する時も同様です。スカイチームのみ日系航空会社が加盟していないため、なかなか馴染みはないものの、デルタ航空のマイルは貯めやすくて有効期限がないため、一部で人気があります(ANAとJALはマイルの有効期限3年)

パリ・シャルルドゴール空港のエールフランス・ラウンジ。image by:シカマアキ

ほかに、エミレーツ航空やエティハド航空のように、大手航空会社なのにどこにも加盟せず、独自のプレミアム向けサービスを行う航空会社も少なからず存在します。

長い上級会員歴で最も恩恵を受けた瞬間、実は…

筆者も10年近く、航空会社の上級会員として数多く搭乗してきました。そのなかで「上級会員でよかった」と最も感じた瞬間は「空港での優先空席待ち」です。

自分が搭乗予定の便が突然欠航し、その後の便が軒並み満席。それでも空席が出てくることもあり、優先順位の高さでギリギリ乗ることができました。もし乗ることができなければ、その日のうちに帰宅できなかった可能性もあって本当に助かりました。

手荷物を優先的に受け取れるプライオリティタグ。image by:シカマアキ

また、専用カウンターでのチェックイン(搭乗手続き)保安検査場での優先レーン優先搭乗預け荷物の優先受け取りなど、あらゆる場面で「優先」されます。

空港で長い列に並んだり長時間待たされたりといったストレスがなくなるのも、けっこう大きいです。ごくまれに、座席がアップグレードされた経験もあります。

ラウンジに関しては、国内線だとドリンクと軽食程度しか置いてなく、お酒を飲まない人にはあまり恩恵がないかもしれません。ただ、国際線になると「食事」があり、各社こだわりの料理が食べられることも。

フィンエアーのラウンジ は食器などが「マリメッコ」 image by:シカマアキ

JALのビーフカレーは美味しく、フィンエアーは「マリメッコ」の食器やナプキン、シンガポール航空の紅茶は「TWG」、中華系の航空会社ではヌードルバーが定番です。海外のほうが、お酒より食事の充実度が高いなと、個人的な経験から思います。

仕事など普段から飛行機に乗る人なら、年間搭乗50回相当はさほど苦ではないかもしれません。ただ、たまに旅行する程度の人だと、けっこう大変です。お金もかかり、体力も要ります。

実際に奄美群島のホッピングツアーに参加し、ひたすら乗り続けて気分が悪くなった、体調を崩したという体験談もけっこう聞きます。まさに「修行」と言われる所以です。

飛行機に乗るのがとにかく好きな人なら、旅を楽しみながら回数をこなせるでしょう。なにより、上級会員になってからのほうが、飛行機での旅が何倍も楽しくなり、世界が広がります。

特に、1年の早いうちから始めたほうが時間的に余裕あります。2022年、チャンスがあれば目指してみてはいかがでしょうか。

  • image by:シカマアキ
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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ジャーナリスト・フォトグラファー。飛行機・空港、旅行、ホテル、グルメなどをメインに、国内外で取材、撮影などを行う。雑誌やWEB向けの記事、写真や旅行などのセミナー講師も務める。元全国紙記者。大阪在住。

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