ANAやJALの「修行」とは? 飛行機の旅がガラリと変わる上級会員の世界
飛行機の世界に「修行」という言葉があります。寺や山にこもって修行することでは、もちろんありません。簡単に言うと、一定期間にひたすら飛行機に乗って「搭乗実績」を作り、上級会員と呼ばれる高いランクを目指す行動を指します。
航空会社の上級会員になると、一般会員にはないさまざまな“恩恵”が受けられます。例えば、空港での優先搭乗手続きや優先搭乗、空席待ちの順番優先など、数々のシーンで優遇されます。さらに空港にある航空会社直営のラウンジ利用、航空券の先行予約販売なども。
実は誰でも、航空会社の上級会員を目指すことが可能です。特に飛行機によく乗る人だと上級会員への道はより近く、数々の特典を享受できます。今回はそんな上級会員になるための道のりをご紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ANAは1年の搭乗で貯まるポイントで会員ランクが決まる
まずは「ANA」から。ANAでは、年間の搭乗回数が多いマイル会員は「プレミアムメンバー」と呼ばれ、「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」の3つのランクに分かれています。
搭乗すると貯まる「プレミアムポイント」の1年間(1~12月)の合計で、翌年度(1月から翌年3月まで)のランクが決定。プレミアムポイントは、日々の買い物などでも貯まるマイルと異なり、飛行機に乗らないと貯めることができません。
・ダイヤモンド(100,000ポイント、うちANA運航便50,000ポイント)
・プラチナ(50,000ポイント、うちANA運航便25,000ポイント)
・ブロンズ(30,000ポイント、うちANA運航便15,000ポイント)
例えば、東京=大阪だと、「ANA SUPER VALUE 75」で420ポイント、「ANA VALUE 1」「株主優待割引運賃」で820ポイント、「ビジネスきっぷ」で960ポイント、プレミアムクラス利用の「ANA SUPER VALUE PREMIUM 28」で1,110ポイントです。
同じ便でも利用運賃で金額が異なるため、おおよそ「運賃が高いほど、プレミアムポイントが貯まる」と言えます。ちなみに、東京(羽田)=沖縄(那覇)など飛行距離が長いほど、プレミアムポイントは多くなります。また国際線や、提携航空会社でも貯まります(特典航空券など一部の運賃は対象外)
ANAラウンジなどが利用できる「プラチナ」に到達するには、片道のビジネスきっぷ(1万7650円)で東京=大阪を52回以上、往復だと26往復以上、1ヶ月あたり2往復以上する必要があります。かかる費用をそのまま計算すると、約92万円です。
しかし、もっと安く、もっと効率よく、プレミアムポイントを貯める方法もあります。ネットで「ANA 修行」などと検索すると、実践した方々の体験記がたくさん出てきます。
時には「プレミアムポイント2倍」といった期間限定キャンペーンが実施されることもあり、この期間に集中して搭乗し続ける人も少なからずいます。
JALはANAにない「搭乗回数」でも上級会員を目指すことができる
一方、「JAL」の場合、ANAと大きく異なるのは、搭乗で貯まるポイントに加えて「搭乗回数」でも上級会員になれることです。JALでの搭乗ポイントは「FLY ON ポイント」と言います。
・JMBダイヤモンド(100,000ポイント、うちJALグループ便50,000ポイント/120回、うちJALグループ便60回かつ35,000ポイント)
・JGCプレミア(80,000ポイント、うちJALグループ便40,000ポイント以上/80回、うちJALグループ便40回かつ25,000ポイント) ※JALグローバルクラブ会員のみ対象
・JMBサファイア(50,000ポイント、うちJALグループ便25,000ポイント以上/50回、うちJALグループ便25回かつ15,000ポイント)
・JMBクリスタル(30,000ポイント、うちJALグループ便15,000ポイント以上/30回、うちJALグループ便15回かつ10,000ポイント)
・JGCワンワールドサファイア ※JALグローバルクラブ会員のみ対象
ANAにない搭乗回数で「修行」する人も多いのが、JALの特徴。東京=ロンドンも東京=大阪も、同じ搭乗「1回」でカウントされます。
またJALから「奄美群島アイランドホッピングルート」というツアー商品も販売されています。東京(羽田)発1泊2日で最大14フライト。このツアーに3回参加するだけ、たった6日で搭乗回数42回、サファイアにもうすぐというところまで到達します。
本州最短路線である大阪(伊丹)=但馬も、JALの修行での人気路線。1日2往復を週末に淡々とこなす人々はもはやおなじみの光景です。行きも帰りも1日じゅう一緒ということも珍しくなく、「但馬修行」とも呼ばれています。
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