不倫が絶対にバレる街?世界遺産ラトビアの首都「リガ歴史地区」
「不倫妻が通ると自然に鐘が鳴る」教会
「三人兄弟」のすぐ近くの「聖ヤコブ教会」にある、高さ約80mの塔には外側に鐘を吊るすための突起物があります。なんでも市庁舎広場で罪人の処刑を行う際に、この鐘が鳴らされたとか。
いろいろとエピソードはあるそうですが、そのひとつに「不倫妻が通ると自然に鐘が鳴る」といわれていたらしいです。現在は鐘はかかっていませんが、通りたくない人は、いまでもいらっしゃるかもしれませんね。
その他にも逸話や伝説の多い旧市街
1698年にスウェーデン軍兵舎の前に建設された「スウェーデン門」。その昔、外国人と接することを禁止されていた時代に、スウェーデン兵と恋に落ち、この門で密会を重ねていたひとりの若い女性がいたそうです。
それが発覚し、この壁に埋め込まれて処刑されたという言い伝えもあります。それ以来この門を通ると、すすり泣きが聞こえるとか…。
「市庁舎広場」には、1300年代から数百年にわたってギルドメンバーのパーティホールだった、ブラックヘッドハウスが建っています。
1940年代にドイツ軍の空爆で破壊されたものの、2000年に再建された旧ハンザ同盟の象徴だった建物は、彫金細工とギリシャ神話の神々の彫刻が施されました。
月日や時間、月齢までも刻む大時計を手掛けた職人は、同じものを他で造ることができないようにと、目をくり抜かれてしまったとか。
この手の話は他にもあって、チェコ首都プラハの「からくり時計」もそうじゃなかったでしょうか…?
13世紀に建造され、その後16世紀にゴシック様式で再建された、階段状のペディメントが美しい「聖ヨハネ教会」にも逸話があります。
中世には生きた人間を壁に塗り込めば、災いから建物を守ることができるという信仰があったそうで、こちらの教会では2人の修道士が志願して、壁の中に入ることになったそうです。
その修道士の顔の小さなレリーフが教会の壁面にあります。
リーブ広場に面して建っているのは、1909年に建設された黄色いユーゲントシュティール建築の「猫の家」。裕福なラトビア人商人の住宅だった建物で、尖塔に逆毛をたてているかのような黒猫がいるんですよ。
この商人は「大ギルド(職業団体)」へ入会を希望したものの、拒否されてしまいました。当時はドイツ人しか加入が許されていなかったため、商人は抗議の意思表示として、ギルド会館にお尻を向けた黒猫を設置。
その後、ラトビア人もギルドへの入会が認められるようになり、黒猫も向きを変えたそうですが、逆毛はたったままのようですね。
ラトビアはユーゲントシュティールの建築が多いところ。19世紀後半にヨーロッパで流行した新芸術様式で、曲線や植物文様、人体像を用いた装飾的デザインが特徴です。
ドイツ語で「ユーゲント」は「若さ」、「シュティール」は「様式」の意味なので、アール・ヌーヴォーと同義語です。
そんな美しい建物を見ているだけでも楽しいですが、残されている伝承や逸話を知ると違う側面も見えてくるかもしれません。すこし怖い逸話もありますが、中世の面影を残すリガの街はバルト三国のなかでも一際美しさを誇っています。
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