<梅雨到来>京都大学防災研究所で水害体験!いざという時の対策を学ぶ

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2022/06/08

体験その2:「自動車による浸水体験実験」浸水した車のドアは開けられるのか!?

次は、第2実験棟にて自動車による浸水体験をしました。 こちらは、鉄道や道路の下をさらに道路がくぐっているような、いわゆるアンダーパスと言われるような場所での水害を想定したもの。

低い場所に雨水は集まります。アンダーパスはまさに水の集まる場所になるわけですが、それに気づかず車ごと入ってしまって、脱出できなくなるという事故が近年多発しています。

では、一体どのくらいの水深で車から脱出しにくくなるのか? それを体験できるのがこの実験です。ちなみに、実験用の車は廃車された車を買い取り、エンジンや電気系統は全て取り外した状態で使用されているそうです。

水深45cm。運転席のスイングドアを開けられるか!?

今回の実験では、水の深さはドアの一番下から45cm程度に設定。太いパイプから凄い勢いで水が張られていきます。この水の音を聞いているだけで、水の威力を感じ、少し恐怖を覚えます。

セッティングができたところで、助手席から車に乗り込み、運転席に移動し、スタンバイ完了。筆者は日頃から運動しているので、体力、筋力は同年代女性の平均よりはある方だと自負していますが、はてさてドアを開けることはできるのか!?

左手でドアノブを持ち、右手を窓の際に置き、スイングドアの端寄りに全体重をかけ「フッ!」とプッシュ!!! ……するも、限られたスペースの運転席ではいまいち足の置き場や踏ん張る態勢がうまく取れず、1度目は開かずに終わりました。

足場を変え、態勢を整え直し、再度トライすると、水の中をドアがグッと押す手応えを感じました。開いた!と思った途端、足下から大量の水が車内に勢いよく流れ込んでくるではありませんか!?

「そりゃそうだ、浸水してる車のドア開けたらそうなるよね。当然やん!」と皆さん思われるかもしれませんが、いざ体験するとドアを開けることに必死になっているので、その後のことは想定できていないんですよね。

喜びよりも恐怖心

開けられたことに喜びを感じそうなものですが、喜びどころか水が勢いよく流れ込んできた恐怖が先に立って、「あーあーあーあー水がーーーー!」とパニックに陥ってしまいました。


実験とわかっている状況で、なおかつ廃車の実験専用車……防水のレンタルウェアを着ていてもそんな状態だったので、自分の車で、私服で、それこそ子どもでも乗っていようものなら……と考えただけでもゾッとします。

水深45cm、スライド式ドアは開けられるのか!?

運転席のスイングドア実験のあとは、後部座席に移動して、スライド式ドアにも挑戦してみました!物理的にスライドドアは全体を一旦平行に外側に押し出さないといけない構造になっており、ドアの表面積に対して直角に大きな水圧がかかるので、こちらの方が絶対開けにくいだろうなぁということは予想がついていたんですが、内心「スライドドアもいけるんじゃないか?」って思っていたんですよね。この時は……。

ところがどっこいですよ。びくともしませんでした。

撮影していることもあり、何度かトライしましたが、もう早い段階でこれは頑張ったところで無理だな、というのを肌で感じました。ラグビーのフォワードプレイヤーがスクラムを組んだ瞬間に相手の強さがわかる、というあの感覚だと思います(スクラムどころかラグビーもしたことはありませんが)。

スライドドアが主流のミニバンタイプの車の後部座席には幼い子どもが座ることも多いと思います。低い水深であれ、スライドドアを自力で開けるのは不可能といえるでしょう。水の威力を決して侮ってはいけませんね。今回の実験で痛感しました。

教えて!川池教授〜防災研Q&A その2〜

Q:水深どれくらいまでならドアは開けられるものですか?

川池教授:性別や体格など個人差がありますし、車にもよりますので一概には言えませんが、60cmの水深になると成人男性でもスイングドアが開けられなくなります。

体験された通り、スライドドアは構造的に低い水深でも開けられなくなります。運転席のドアにせよ、実験で開けることができたとしても、実際に水が迫ってきている恐怖感の中で冷静な対応をするのは難しいと思います。実際多くの方がアンダーパスで立ち往生して亡くなっていますよね。

Q:アンダーパスでの万が一に備えての対策は?

川池教授:最近の車は、窓の開閉も電動式になっているので、浸水すると電気系統が機能しなくなります。もしもの時のために、車内にガラスを割るための「専用ハンマー」を常備しておくのも有効でしょう。

ただ、アンダーパスには危険が潜んでいますので、少しでも水が溜まってきている場合は侵入しないという意識を持つことが何より重要です。「このくらいの水深ならいけるやろ」と思って入っていく人が多いんですが、そういう油断が原因で引き返せなくなったりするので、甘く見ないことが大切です。

特に知らない土地だとどこにアンダーパスがあるかもわからないと思います。アンダーパスではこういう現象がある、こんなに危ないんだということを知っておくことだけでも違うと思います。

Q:川池教授ご自身がとっている水害対策や、チェックしている情報は?

川池教授:私自身は、レーダー雨量のアプリをスマホにインストールしています。あと、事前に自分のいる場所の危険性をハザードマップで知っておくというのも重要です。

また、標高を国土地理院で見ることができるので、自分のいる場所が周りと比べて高低差が相対的にどうなのかというのを見て、水が集まってくるところなのか、水が逃げていくところなのか、というのをチェックしておくと良いですね。自分の住んでいる地域、活動エリアの避難場所を事前にチェックして、家族で共有しておくようにしています。

ハザードマップを活用しよう!

災害時は自分の身を自分で守ることがとても重要です。そのためには、川池教授もおっしゃっているように、あらかじめ自分の住む土地に迫る災害の危険を知っておく必要があります。そこで活用してほしいのが、京都府が提供する京都府マルチハザード情報提供システム です。

こちらのシステムについては以前詳しく紹介しているので、下記記事をご参照ください。
水害が多くなるこれからの季節。他人事と思わずに、ひとりひとりが、万が一に備えましょう。

自宅の住所をいれてリスクチェックしよう!京都府マルチハザード情報提供システム

■■取材協力■■

京都大学防災研究所流域災害研究センター宇治川オープンラボラトリー事務室
TEL:075-611-4391(平日9:00〜17:00)

  • source:KYOTO SIDE
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