アメリカ在住者がワーケーションにハワイではなく「沖縄」を選んだ理由
私は2022年12月の前半ほとんどを沖縄県内で過ごしました。まず石垣島に10泊し、次に沖縄本島へ移動し、那覇市内に5泊というスケジュールです。
石垣島のホテルにチェックインする際、フロントの人に「お仕事ですか?」と訊ねられました。滞在型の旅行を楽しむ人が世の中には増えていると聞きますが、それでも10日間となると休暇だとは思われないようです。
1年半ほど前に東京のホテルにやはり10連泊くらいしたときは「(新型コロナウイルスからの)自主隔離ですか?」と訊ねられましたので、それに比べると社会状況はずっと好ましくなっているようなのですが。
私の答えは「遊び半分、仕事半分」でした。実際に沖縄滞在中の私は、早朝にデスクワークをして、日中は外で遊び、夜は酔っぱらう、という毎日のルーティンを繰り返しました。
半分半分というよりは、仕事が1日に占める割合は2〜3割くらいでしょうか。この生活パターンはアメリカの自宅にいるときと基本的に同じです。
私の場合、インターネットと机さえあれば、場所はどこであっても普段と同じように仕事ができます。そこがWebライターの強みです。そこまで時間が自由になる人は少ないかもしれませんが、テレワークで仕事をする人は増えてきています。
どこからでも仕事ができるのだからという理由で、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を合した「ワーケーション」の人気も高まっていると聞きます。
私が過ごした15日間もワーケーションと呼んでも差し支えないと思うのですが、その場所に沖縄を選んだことにはそれなりの理由がありました。
ただ冬場に暖かい観光地へ行きたかったのであれば、ロサンゼルス在住の私にとっては、ハワイの方が距離的にはずっと近いのです。
「ハワイ」と「沖縄」には共通点が多い
1986年公開の映画『ベスト・キッド2』(原題:The Karate Kid, Part II)では、主人公ダニエルとミスター・ミヤギも私と同じようにロサンゼルスから沖縄へと旅をします。
日系人ミスター・ミヤギの故郷が沖縄だという作品設定なのですが、実はロケーション撮影のほとんどはハワイ州オアフ島で行われたそうです。ハワイと沖縄の風景が似ているということは、けっして私ひとりだけの考えではありません。
ロサンゼルスからホノルルまでの飛行時間は約6時間。今回、私が成田空港から石垣島へ飛んだときの飛行時間は約4時間でした。多少の差はありますが、飛行機から降りると南国の島に到着できることでは同じです。
2010年のハワイ州人口調査によると、ハワイに住む日系人の数は約18万5,000人とのこと。総人口の13.6%にあたります。
そのうちの約5万人は沖縄にルーツがあるといわれているそう。沖縄からハワイへの移民は19世紀末に始まりました。その長い歴史のなかでハワイと沖縄の文化が互いに影響しあい、そして交じり合っていったことは想像に難くありません。
そのせいでしょうか。ハワイを旅すると「沖縄的」なものに出会い、沖縄を旅すると「ハワイ的」なものに出会うことになります。
人気のグルメを例にすると、ハワイで人気の「スパムむすび」が沖縄では「ポーク玉子むすび」として売られています。反対に沖縄生まれの「タコライス」がハワイに逆上陸しています。
それに何より、ハワイも沖縄も美しい海に囲まれた島々です。どちらがより美しいか、という比較は無意味でしょう。私の目にはどちらもまるで天国のように見えます。