LCC の知らなきゃ損、高額追加料金を取られないための「手荷物」ルール
飛行機の大手航空会社(FSC)と格安航空会社(LCC)、利用する際に大きな違いが「手荷物」といっても過言ではありません。近年、飛行機の機内へ持ち込む手荷物、そして空港のカウンターで預ける手荷物、いずれも航空会社のルールが厳しくなっています。
特に、LCCは「機内持ち込み7kg以内」「受託手荷物1個から有料」などルールが厳しいことで知られます。もし、個数や重量などがオーバーすると、追加料金が高額なこともあります。
リーズナブルな運賃が売りのLCCで手荷物で失敗しないためにどう対策すればよいか。日本そして世界中で15年ほどLCCを利用し続けている筆者が、LCCの手荷物攻略テクニックを伝授します。
日系LCCの機内持ち込みルール「7kg以内」「2個」が基本
まず、飛行機利用時の手荷物は主に2つ。「機内持ち込み手荷物」と「受託手荷物」です。
機内持込手荷物は、機内へ持ち込むキャリーケースやカバンなどのこと。カメラバッグ、土産袋なども含まれます。日系LCC5社の機内持込手荷物ルールは、以下の通り。
■Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)
- ・身の回り品含め2個まで
- ・3辺合計が115cm以内(例:幅50cm×高さ40cm×奥行25cm)
- ・合計7kgまで
■Jetstar Japan(ジェットスター・ジャパン)
- ・キャリーケースなど手荷物1個とハンドバッグなどの手回り品1個の合計2個
- ・キャリーケースなどは高さ56cm×幅36cm×奥行23cm、スーツカバーなどは高さ114cm×幅60cm×奥行11cm
- 合計7kgまで(手荷物のサイズにはハンドル、ポケット、キャスターなど含まれる)
- ・追加料金で上限合計14kgまで持込可
■SPRING JAPAN(スプリング・ジャパン)
- ・身の回り品1個+手荷物1個
- 3辺合計115cm以内、かつ幅56cmx高さ36cmx奥行23cm以内
- ・合計7kgまで
■ZIPAIR(ジップエア)
- ・1個目が40cm×25cm×55cm、2個目が35×25×45cm以内、合計2個
- ・合計7kgまで ※追加料金(出発24時間以内)で上限合計15kgまで持込可
■Air Japan(エアージャパン)
- ・身の回りの品を含めて2個
- ・3辺合計115cm以内、かつ幅56cmx高さ36cmx奥行23cm以内
- ・合計7kgまで
日系LCC手荷物ルール比較表
航空会社 | 手荷物許容個数 | 手荷物サイズ(cm) | 手荷物重量(kg) | 追加料金による上限 |
---|---|---|---|---|
Peach Aviation | 身の回り品含め2個 |
3辺合計115cm以内 (例:幅50cm×高さ40cm×奥行25cm) |
合計7kgまで | – |
Jetstar Japan | 合計2個 | キャリーケース:56×36×23、スーツカバー:114×60×11 | 合計7kgまで | 合計14kgまで持込可 |
SPRING JAPAN | 身の回り品1個+手荷物1個 | 3辺合計115cm以内、かつ56×36×23以内 | 合計7kgまで | – |
ZIPAIR | 2個 | 1個目:40×25×55、2個目:35×25×45以内 | 合計7kgまで | 合計15kgまで持込可(出発24時間以内) |
Air Japan | 身の回り品含め2個 | 3辺合計115cm以内、かつ56×36×23以内 | 合計7kgまで | – |
以上のルールは変更される場合があります。例えば、Peachは2012年の就航以来、ルールが何度か変わっています。最新の情報を必ず事前にチェックしてください。
ジェットスターとジップエアは、追加料金を支払うと、機内持ち込み手荷物のルールが緩和されます。カウンターで預けづらいノートパソコンやカメラ・レンズ、壊れやすいものなど多めに持ち込みたい場合などに重宝します。
LCC最大の関門「出発空港での手荷物チェック」
LCCは、搭乗前に機内持ち込み手荷物を計測したり個数をチェックしたりします。たまに、チェックがないこともありますが、手荷物検査があることを前提として準備するに越したことはありません。
もし、基本ルールからオーバーしていたら、「機内へ入る前に別途預ける」「超過料金を支払って持ち込む」「手放す(捨てる)」「空港から郵送する」などを、その場で選ばないといけません。ちなみに、空港での超過料金支払いは、最低でも数千円するなど、けっこう高額です。
カウンターで預けるスーツケースなどは1個から有料
LCCのすべての運賃に、機内持ち込み手荷物の分は含まれています。ただ、空港のカウンターで預ける手荷物(受託手荷物)は、セール運賃など安い場合、あらかじめ含まれていないことがほとんどです。
受託手荷物は、1個から有料です。事前にその分を購入するとまだ安いものの、出発当日の空港で追加すると高額です。初めから預ける手荷物がある場合は、先に追加しておきましょう。旅行からの帰り、土産などが確実に増える場合なども要注意です。
Peachの「バリューピーチ」など、最安より1つ上の運賃を選ぶと、受託手荷物の1個無料が含まれていることも。オプションで追加するより割安なことも多いので、最初からこの運賃で買うのもおすすめ。
一方、FSCの場合、受託手荷物は基本無料です。LCCで運賃に手荷物の分を加えると、FSCと変わらない、むしろFSCのほうが安いこともあります。航空券を買う前に、支払う金額を必ず比べてみるのも大事です。
韓国LCCの手荷物ルールは日系LCCよりやや緩め
LCCの手荷物ルールは世界共通ではありません。例えば、日本各地に直行便を多く就航する韓国のLCCは、日本のLCCよりも手荷物ルールがやや緩めです。
■チェジュ航空
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm)+身回り品など合計2個
- ・10kg未満まで
- ・受託手荷物は、セール含む最安運賃だと1個から有料
■エアプサン
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm=3辺合計115cm)+小型ハンドバッグなど合計2個まで
- ・10kgまで
- ・受託手荷物はセールなど特別運賃だと有料、それ以外だと15kg以内が無料
■ジンエアー
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm=3辺合計 115cm)+ノートパソコンやハンドバックなど合計2個
- ・10kg以内、合計「2個」「10kg」まで
- ・受託手荷物15kgまで無料
■ティーウェイ航空
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm=3辺合計 115cm)+身の回り品など合計2個
- ・10kg以内。ビジネス運賃だとさらに1個無料
- ・受託手荷物はイベント運賃が有料、その他は15kgまで無料
■イースター航空
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm=3辺合計 115cm)+ハンドバッグなど1個=合計2個
- ・7kg以下
- ・受託手荷物はセールなどの運賃だと1個から有料
■エアソウル
- ・手荷物1個(横40×縦20×高さ55cm=3辺合計 115cm)+身の回り品1個=合計2個
- ・10kg以下
- ・受託手荷物は特別運賃以外15kgまで無料
韓国系LCC手荷物ルール比較表
航空会社 | 手荷物許容個数 | 手荷物サイズ(cm) | 手荷物重量(kg) | 受託手荷物 |
---|---|---|---|---|
チェジュ航空 | 手荷物1個+身回り品合計2個 | 40×20×55 | 10kg未満 | 最安運賃だと1個から有料 |
エアプサン | 手荷物1個+小型ハンドバッグ | 40×20×55(3辺合計115cm) | 10kgまで | 特別運賃だと有料、他は15kg無料 |
ジンエアー | 手荷物1個+ノートパソコンなど | 40×20×55(3辺合計115cm) | 10kg以内 | 15kgまで無料 |
ティーウェイ航空 | 手荷物1個+身の回り品 | 40×20×55(3辺合計115cm) | 10kg以内 | イベント運賃が有料、他は15kg無料 |
イースター航空 | 手荷物1個+ハンドバッグ1個 | 40×20×55(3辺合計115cm) | 7kg以下 | セール運賃だと1個から有料 |
エアソウル | 手荷物1個+身の回り品1個 | 40×20×55(3辺合計115cm) | 10kg以下 | 特別運賃以外15kgまで無料 |
韓国のLCCも日本と同様、セールなどの最安運賃は受託手荷物が1個から有料がほとんど。一方、機内持ち込み手荷物が「10kgまで」というLCCが多く、この3kgの違いは意外と大きいです。
韓国であまり土産を買わない、身軽に旅行できる人であれば、機内持込手荷物だけで利用することもできるでしょう。