英語力だけじゃない。突撃外国人ツアーガイドで身につけるビジネススキル
世界の共通語である「英語」は、身につけておけば、海外旅行の時、外国人の友人がほしい時、そしてビジネスの時など、役立つ瞬間が多いことでしょう。とはいえ、英会話スクールに通ったり留学するとなると、費用がかかってしまって挑戦しにくいのも現実です。
そこで今回ご紹介したいのは、メルマガ『熱血日記』の著者であり、外資系金融でのビジネスキャリアが豊富なヒデキさんがおすすめしている飛び込み営業式「外国人ツアーガイド」です。
英語スキルはもちろんのこと、ビジネスで役立つさまざまなスキルが身につくのだそう。どのような実践法なのか、チェックしてみましょう。
高いお金を払わなくても身につけられる「英語スキル」

外国人観光客のツアーガイドを浅草でやってきました。「海外留学に行かなくても国内でビジネスレベルの英語を習得する方法がある!」と、大学生を連れて雷門の前で訪日客に声をかけ、半日ほどガイドをしてきました。
もちろん事前のアポもなく、飛び込み営業式に順番に声をかけてツアーガイドを申し出るのですが、この声がけが各国から来た外国人から十人十色でいろんな反応が見られるのがまず面白いのです。非日常もいいところです(笑)。
『Youは何しに日本へ?』を実地でやっているようなものです。すごく楽しい半日間でした。
金のない大学生は、海外留学に行かなくても、高い英会話スクールに通わなくても、外国人にいきなり話かけて、ものの数十分で打ち解けるという体験を実地で積むことにより、十分にビジネスレベルの英語力が身につきます。
東京以外の場所にお住みでしたら、京都の東山でやってもよいですし、大阪の心斎橋や通天閣、大阪城でやってもよいです。

準備としては、基礎英語力はNHKのラジオ英会話のテキストを何度も読んで丸暗記すれば、基本的な言い回しは覚えられます。数百円の投資でできるこの方法は、大学時代にESS(英語会)で実践した方法です。
ひととおり日常英会話ができるようになったら、今度は浅草の歴史を文章にまとめて英訳します。2~3ページもテキストを作れば十分です。それを英訳して、5回、10回と呼んで丸暗記します。
「浅草寺は1,400年前にできた。米軍の東京大空襲で一度、跡形もなく焼け落ちた」といった感じでスムーズにしゃべれるようにしておきます。
本業で通訳ガイドをやって生計をたてようと思ったら、国土交通省の通訳ガイド検定試験を取らないといけないのですが、ボランティアでガイドをする分には資格は必要ありません。ただ、新宿歌舞伎町のポン引きと同じで、ウサン臭い目で外国人から見られることもありますが(笑)。
メリットは数知れないほど多くあります。そこで一生ものの海外人脈の友達を得られるのですから、自分の財産になります。
私は大学時代に33カ国から来た外国人と仲良くなりましたから、就活で「日本の民間外交官ヒデキです」と言って、語学力とともに国際性をアピールしていました。

次に営業力やコミュニケーションスキルが身につきます。
飛び込み営業式にかたっぱしから訪日客に英語で声がけをしていき、ツアーガイドを申し出るのですから、度胸と根性が身につきます。
ここで培った経験は、銀行や証券、不動産会社の支店営業マンになった時に物凄く生きてきます。しかも「飛び込み営業を英語でできます!」とPRしたら、名だたる大企業の国際部門に就職できるでしょう。
中堅私大でしたが、駒沢大のESSでツアーガイドをやっていたメンバーの就職先は、私がドイツ系銀行、後輩が三菱商事、バークレイズ銀行、先輩がドイツ銀行でしたから、学歴フィルターをはねかえす力があります。
3つ目は不撓不屈の精神力が身につくこと。
真冬の寒い日や、真夏の酷暑のなかで次から次へと訪日客に声をかけ、ずっと断られ続けるとめげてきます。それを押し切って、何度も何度もトライしていくことで、鋼鉄のメンタルが身につきます。
この資質は営業職を希望したときにすごくプラスに評価されます。
そんなわけで、浅草で何十人目かにやっとツアーガイドをさせてもらった旅行客はネパールから来たビジネスマン3人組でした。意気投合して、浅草だけでなく、東京スカイツリーも一緒に行きました。
レンタル着物店で着物に着かえ、とても楽しそうに東京見物を楽しんでいました。もちろん、SNSでつながって、これからも友達でいようと言って別れました。
英語スクールで学ぶ分には単なる技能の学習ですが、訪日客のツアーガイドは、人生経験を豊富にして、楽しい思い出や友達をたくさん作るという大きな効果があります。なんだかんだ言って、楽しい思い出をたくさん持っている人が一番だと思います。
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