きっかけは「よそ者」の好奇心。媒体のないウェブメディア誕生の裏話
地域情報を発信することの大きなテーマのひとつに「誰が発信するか」という事があります。地域住民が発信する情報も必要です。しかし、地域外の人が見て感じたことを発信することにも、新しい発見のきっかけがつまっています。そんな「 よそ者 」が発信する意義について、「マチノコト」が伝えています。
仙台発、土地に生きる人々のことを伝える
オンライン新聞「THE EAST TIMES」
第二次安倍内閣が掲げる主要な政策のキーワードとして「地方創生」を掲げ、以前にも増してまちづくりの必要性が叫ばれるようになってきました。地域が抱える課題の中でも、大きなハードルとなっているのが、地域からどのように情報発信をしていくかということ。
私は宮城県出身で、東北の外から来た友人を案内することがあります。そのとき、彼らは私が気にとめていなかったものに関心を抱いてくれます。
人は、自分の身近なところにある魅力を見過ごしてしまいがち。それは地域の魅力も同様です。現在、様々なメディアで行っている、地元の人が地元の情報を発信することも必要です。ですが、外からやってきた人が気づいた地域の魅力を、より広い対象に向けて発信するということも必要なのではないでしょうか。
宮城県仙台市で行われているイベント「ローカルメディアネットワーク」は地域からの情報発信について実践的に考えられる場のひとつ。市内にあるコミュニティスペース「ファイブブリッジ」で、毎月第1月曜日に定期的に開催されています。
地域からの情報発信に取り組んでいるゲストを呼び、参加者とともにメディアについて考えていることを話し合います。インターネットの普及により多様な情報発信が当たり前に行われるようになった次世代の「地域からの情報発信と記録」を考え、学び、実践していくことをねらいとしています。
10月のイベントにゲストとして登壇したのは、「THE EAST TIMES」編集長の安藤歩美さん(28)と代表の中野宏一さん(31)。「THE EAST TIMES」は、2015年6月に宮城県仙台市でスタートしたウェブメディアです。「そこに生きる人々を伝えるオンライン新聞」をコンセプトに、全国的なニュースの解説からローカルの面白ネタまで多岐にわたって情報を発信しています。
メディアといっても「THE EAST TIMES」独自では媒体を持っていません。ニュースメディア「THE PAGE」に記事発表の場を間借りする形で活動をしています。
記事は「THE PAGE」と「Yahoo!ニュース」に掲載。掲載された記事は「Livedoorニュース」「BLOGOS」「マイナビニュース」に転載されることも。幅広い媒体で読むことができるので、みなさんも一度は「THE EAST TIMES」の記事を読んだことがあるかもしれません。
若くして独立しインターネットメディアを立ち上げた二人は、地域からの情報発信についてどのように考えているのでしょうか。