色とりどりのバルーンで舞い上がれ!震災5年、幸せの荒浜よ再び

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2016/03/11

荒浜という場所をもう一度前向きなイメージに

色とりどりのバルーンで舞い上がれ!震災5年、幸せの荒浜よ再び

高山さんが3月11日にプロジェクトを行いつづけるのには、荒浜という土地とそこにいる人々のことを知ってほしいという思いがあるのだそう。

「3月11日の夜中に『荒浜に遺体があげられた』というニュースが出回ったので、それが全国に荒浜の名前が知られた最初で最後だと僕は思うんです。そのイメージを、僕はやっぱり変えたいなと思いました。荒浜っていうまちは、昔は海水浴場があったり小さいながらも営みがあって、なおかつ震災後に漁業をやってた80歳になる漁師も、荒浜で再建してまた漁師を始めたんです。家が流された跡地でスケートパークを始めた若者もいますし、本当に一割にも満たないかもしれないけど、動いてるということを少しでも知ってほしいんです」。

色とりどりのバルーンで舞い上がれ!震災5年、幸せの荒浜よ再び

震災から時間が経ち、もう被災地は復興していると思っているひとも多いとは思いますが、荒浜は家を建てることもできず、土地の活用方法も決まっていない状態です。

「正直『復興』っていうことにこの5年間答えが出なかったんです。いったい何が復興なんだろうって。クリスマスシーズンで仙台駅前はキラキラしていても、たった15分くらい離れた荒浜は未だに灯りのない荒浜にいて。でもひとつだけこれが復興なんじゃないかと思ったのは、荒浜という場所をネガティブでなく前向きなイメージで捉えてもらえるだけでもいいのかなということです。特に地元の人に関しては、一歩踏み出すことが復興なんじゃないかな。それは普通に生活することでもいい。そこで生活する人たちの心に灯りがともらないと、復興じゃないと思うんです。そこからまちづくりでもなんでも始まっていくんじゃないかと思っています」。

情報を目にしてもらえることだけでも復興につながる

色とりどりのバルーンで舞い上がれ!震災5年、幸せの荒浜よ再び

最後に、高山さんが被災地以外の場所に住んでいるひとたちに伝えたいことを伺いました。

「現地に来るのが難しくても、ちょっとでも情報に目を通してもらえるだけでも嬉しいです。実際荒浜にも来たことなくて、毎年3.11近くになると必ずメッセージをくれる人たちもいる。それだけでなく大きな金額を募金してくれる人もいますが、そういうのってなかなかできないと思います。うわべだけで思ってるってわけじゃない。もちろん現地に来てくれたりするのも大事だけど、自分たちが発した言葉を受け止めてもらえるだけでも、復興につながるんじゃないかなと思ってます」。

現地に足を運べないとしても、この記事を読んでくださり、荒浜やHOPE FOR PROJECTについて知ってくださったことに、私も心から感謝したいと思います。

今年も3月11日には、海岸での風船リリース、そして音楽ライブが行われます。みなさんそれぞれのかたちで、ぜひこのHOPE FOR PROJECTと荒浜を応援してくださると嬉しいです。

HOPE FOR project 2016


■日時:2016年3月11日(金)
■場所:仙台市立荒浜小学校 
■内容:15:15〜風船リリース(校庭)16:00〜音楽(荒浜小学校教室内)参加アーティスト:HUNGER(GAGLE)、會田茂一、恒岡章、KGM、佐藤那美

HOPE FOR PROJECTでは開催にあたって、寄付金を募っております。
詳細はこちらをご覧ください。


mizuhokudo

工藤瑞穂。 「soar」プロジェクト代表・編集長、「HaTiDORi」代表、ダンサー、元日本赤十字社職員。1984年青森県生まれ。宮城教育大学卒、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム修了。NPO法人ミラツク研究員、Webメディア「マチノコト」ライター。

  • 記事提供:マチノコト
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