お寺の中に本格プラネタリウム。葛飾区・證願寺が色々とユニーク
国内有数のプラネタリウムを体験!
また、證願寺に設置されているプラネタリウムが国内有数であるというのは、2012年の日本経済新聞掲載の日経プラス1ランキングにて、私設プラネタリウムとしては唯一、トップ10入り、しかも5位に入ったというものだからです。もちろん、その後も数々の雑誌やインターネット等でのランキングにおいて、上位にランクインしているという、正統派プラネタリウムなのです。
そもそもなぜお寺にプラネタリウムを設置したのかという点については、住職である春日了氏が、一般の人に解りやすく説いた仏教の教えを聞いてもらえる方法はないかと考えた末の答えの1つなのだそうです。
春日了氏は、元々宇宙物理学者になりたかったそうで、その経歴からも幅広い分野に目を向けている方であることが、お話を伺っただけでも感じとれました。春日了氏によれば、仏教の話を聞いてもらうには、まず、境内や仏像が置いてあるといった儀式的な空間から離れなくてはならないと考えたそうです。そんな中、リラックスして話を聞ける空間として目を付けたのが、プラネタリウムだったそうです。
しかし、個人で本格的なプラネタリウムの施設を手に入れるためには、資金的にかなり高いハードルがあったそうで、多岐に亘る人脈や時間を使い、ペンタックスで開発したものの、世に出ることのなかった試作機(コスモスター0号機)に、日の光を当てる事に成功し、今では星の光を奏でさせているそうです。
證願寺のプラネタリウム(プラネターリアム銀河座)は、空間の居心地を大切にしており、空調や床暖房が完備され、ファーストクラスをイメージした大きなレザーシートが目を引きます。
直径8m、座席数25席という、プラネタリウムとしては決して大きくない規模ですが、その空間の居心地の良さや、他では見ること(聞くこと)のできない2人の語り部による掛け合いのアナウンスなどの工夫が、私設プラネタリウムでありながら、人気ランキングで上位にランクインする秘訣なのかもしれません。
もともと、説法を聞いてもらう事を意識して設けられたプラネタリウムですから、“星の勉強”を行うプラネタリウムとは、見聞きする人の惹きこまれ方が違うのは当然なのかもしれませんね。
このように、一般的にイメージされる“お寺”とは異なる證願寺について、同じ宗派のお寺や、近隣のお寺から意見される事はないのか?という事をお尋ねしたところ、「全くありません」という回答でした。
そもそもお寺は、その様態、環境共に変化が少ない事からも判るように、保守的な所が多く、進展するところに何かを言うという事が殆ど無いそうです。そして何より、證願寺では、仏教の教えを聞いてもらうという点において、他のお寺よりも優れた結果を出しているのであるから、他のお寺が意見できる材料がないわけですね。
それどころか今では、證願寺を真似て、お寺にプラネタリウムを設置するところも出てきているようです。住職の春日了氏が知る限りですと、現在、国内では2つのお寺がプラネタリウムを取り入れているとのこと。
仏教の本質と、革新を合わせ持つ證願寺、一度訪れてみたいと思いませんか?
一般公開向けのプラネタリウムを運営するプラネターリアム銀河座は、完全予約制で、インターネットでの予約受付を行っていますが、各回、定員に対して応募数がかなり多いようです。
なお、今回は許可を受けて特別に撮影させていただきましたが、プラネタリウム投影中の撮影、録音等は全て禁止されていますので、ご注意下さい。
東京都葛飾区立石7-11-30 證願寺内
Tel: 03-3696-1170
投影日時 第1・第3土曜日 15:00~15:50
料金 大人1000円 子供500円(10歳~中学生まで)
最寄駅 京成線・立石駅より徒歩5分 / 京成線・青砥駅より徒歩8分
- image by:梅原慎治
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