長野は隠れ「うどん」県? 信州ならではのローカルうどんたち

Array
2017/06/13

まだまだある。「おしぼり」、「小豆ほうとう」

坂城町で食べられる「おしぼりうどん」 image by:長野県観光機構

「おしぼり」、釜揚げうどんの個性的な一バリエーションで、そのつけ汁に大根のしぼり汁を使う。おもな材料は、うどん、大根、味噌、ねぎ。

そのつけ汁の作り方は、辛みの特に強い地大根を一人当たり、一本の半分ほど用意し、全部大根おろしにしてふきんでしぼり汁をとる。また味つけに使う味噌と薬味のねぎのみじん切りをそれぞれ小鉢に用意する。また、かつお節を薬味にすることもある。

大根のしぼり汁をちゃわんにとり、好みの量の薬味と味噌を入れ、この中にうどんを入れて食べる。熱いうどんに大根の辛みと味噌の味、薬味の風味がミックスしこの上なくうまい。長野市南部(犀川以南)から更埴地方でよく食べられる。

私もはじめて食べたときは、こんな食べ方もあるものかとちょっとした驚きを感じたものである。長野市のうどん店ではこの”おしぼり”をメニュ−にしている店も何軒かある。なお、この食べ方は蕎麦でも出来る。

「ほうとう」、上田・佐久の東信地方の手打ち煮込みうどん。季節の野菜と煮込むが、かぼちゃやささげが主役のかぼちゃほうとうが有名。中信の松本地方では、ゆでたうどんを幅広く切り、黄粉、小豆餡、ゴマをまぶしたもので七夕の行事食。(ほうとうについては 別に単独で取り上げたい)

「小豆ざざ」(西山地方)「小豆ほうとう」(東信地方)小豆と太い麺を煮たもの。うどん入りおしることいったところ。秋から冬にかけて食べる。冬至などかぼちゃが入る時も。 なお、「ざざ」とは麺類のことという。

ところで以前ラジオを聞いていたら、全国各都市の食材の実態調査の結果というのをやっていた。それによると長野市は大阪についで、二番目か三番目にゆであげうどんを消費する割合が多いのだそうだ。

そういえば作今では、手間のかかる手打ちのうどんを作る家はグッと少なくなっていることだろう。なにしろゆであげうどんが安くすぐ手にはいるし、手打ち風というものも売っている。一昔、二昔前はごく普通だった手作りのものも、ハレの日のごちそうのようになってきている。

  • image by:長野県観光機構
  • ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。
いま読まれてます

団塊の世代以上には懐かしい郷愁の食べものたちをこよなく愛おしむエッセイです。それは祭りや縁日のアセチレン灯の下で食べた綿飴・イカ焼き・ラムネ、学校給食や帰りの駄菓子屋で食べたクジ菓子などなど。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら
登録!しよう
『 郷愁の食物誌 』

【著者】 郷愁の食物誌 【発行周期】 月刊

 長野 ツウは「塩」で焼く。信州牛を岩塩プレート焼きで味わえる温泉宿 ★ 18
 長野 なぜ信州人は「ビタちく」と「ホモソーセージ」をこよなく愛するのか? ★ 398
 長野 なぜ長野県民は「長野」ではなく、「信州」と呼ぶのか? ★ 1114
 長野 なんでそんなに足元が気になる?ロシア美女の長野県「松本城」訪問記 ★ 114
エアトリ 憧れの北欧。デンマーク・コペンハーゲンで暮らすように旅をする
長野は隠れ「うどん」県? 信州ならではのローカルうどんたち
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます