奪われる「生活の足」。地方の高齢者は免許返納をどう乗り越えるのか?
「自動運転車の普及」にはまだ時間がかかる
高齢者の交通事故を高齢者の運転技術の問題として片づけるのは単純過ぎる。年齢にかかわらず、そもそも運転が苦手な人も多い。ペーパードライバーも少なくない。変わるべきなのは、人ではなくて車である。
人にやさしい車はなにかと考えたら、代表的なものに「自動運転車」がある。早く充分な性能を備えて、一般に普及するようになれば、少なくとも、高齢者やペーパードライバーには大きな変化が訪れる。
まず、今まで問題だった過疎地の買い物難民はいなくなる。お年寄りが自分で自動運転車に乗って買い物に出かけてもいいし、食品や日用品を積んだ無人運転者が定期的に地域に来てくれるなんてことも可能だ。通院も同じ。自分の車で行くか、あるいは、やはり無人運転のお迎え車がやってくる。
運転技術に関係なく、自分で好きな時に、好きなところに行くことが可能になれば、誰のお世話にならずとも、人に会いに行ったり、好きなものを食べに行ったり、映画を見たり、急に思い立ってお墓参りすることも簡単だ。早くこうした時代になってもらいたい。
ただし、そうなるには、技術的にも、運用的にもまだまだ時間がかかるらしい。
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