女流画家フリーダ・カーロが愛したアートな街、メキシコ「コヨアカン」

メキシコシティの高級住宅地、コヨアカンは、かつて世界的に有名な画家フリーダ・カーロとディエゴ・リベラがともに暮らした場所として有名です。

ほかにも、フランスの詩人アンドレ・ブルトンや、日本人バイオリニスト黒沼ユリ子など、多くの芸術家に愛されてきました。

緑が多く落ち着いた雰囲気がありながら、アートにグルメ、ショッピングと見どころもいっぱいのコヨアカン。今回は、メキシコシティに2年住んでいた私が、コヨアカンの魅力とおすすめスポットを紹介します!

大都会メキシコシティから一歩離れて緑のオアシスへ

メキシコというと、どんなイメージがありますか?

よく聞くのは、「大きい帽子をかぶったヒゲのおじさんが、サボテンをバックに砂漠でギターを弾いている」というもの。確かに、日本のCMなどでよく見るメキシコのイメージといえば、そんな感じですよね。ではここで、私が以前住んでいた、首都メキシコシティの写真をご覧ください。

image by:ヒトミ☆クバーナ

実は、メキシコシティは人口約890万人の大都会。見渡す限りビルが立ち並び、車はいつも大渋滞しています。標高2,000mの高地にあるため、平均最高気温が1年を通して20度台と温暖で、とても過ごしやすい町でもあります。

東京から直行便で約13時間のメキシコシティには、観光スポットが盛りだくさん。かつてアステカ王国の首都だったこともあり、町の中心に遺跡があったり、車で約1時間の場所に巨大ピラミッド「テオティワカン」があったりします。

image by:ヒトミ☆クバーナ

メキシコシティは世界中から観光客が集まるため、いつも人がいっぱい。活気があって楽しいですが、疲れてしまうこともあります。そこで「ゆっくりメキシコの雰囲気を味わいたい」という人におすすめなのが、シティの中心からタクシーで15分ほどの、コヨアカン地区です。

image by:ヒトミ☆クバーナ

コヨアカンは、緑豊かな公園のまわりに、おしゃれなカフェやレストラン、お土産市場などが並ぶ観光地区。スペイン植民地時代の建物が残る高級住宅地で、世界的に有名な画家フリーダ・カーロや、フランスの詩人アンドレ・ブルトンなどが生活していました。芸術家たちを魅了する、静かで落ち着いたコヨアカンの魅力をお伝えします。


コヨアカンは市民の憩いの場

コヨアカンは、メキシコシティの南12kmほどにあり、地下鉄で行く場合は3号線のコヨアカン駅で降ります。中心は、センテナリオ公園とその隣のイダルゴ広場です。

image by:ヒトミ☆クバーナ

「コヨアカン」とは、昔からこの地に住むナワトル族の言葉で「コヨーテのいるところ」という意味。センテナリオ公園には2頭のコヨーテ像がたわむれる噴水があり、憩いの場となっています。私はコヨアカンの近くに住んでいたので、ここのベンチでよく読書していました。

センテナリオ公園とイダルゴ広場の間からは、コヨアカン地区をまわる、かわいいバスも出ています。

ここが観光客に人気なのは、メキシコの歴史と切っても切り離せない場所だからです。コヨアカンは、16世紀にスペインからやってきた征服者、エルナン・コルテスが生活の拠点としたところ。

コルテスは、アステカ王国と戦って制圧し、現在のメキシコにつながる新しい体制をこの地で作りはじめました。今でも、16世紀に建てられた家や教会が残っています。

黄色い建物が、当時のコルテスの家。image by:ヒトミ☆クバーナ
16世紀に建てられたサン・フアン・バウティスタ教会。image by:ヒトミ☆クバーナ

情熱の画家、フリーダ・カーロが暮らした家

メキシコを代表する画家、フリーダ・カーロとディエゴ・リベラが暮らした「青い家」も、コヨアカンの人気スポットのひとつ。

image by:ヒトミ☆クバーナ

青い家は現在、博物館となっています。フリーダはその激動の生涯が伝記や映画になったことで、世界中に名が知られ、ファンが急増しました。

フリーダのポートレート。image by:ヒトミ☆クバーナ
1950年代当時のアトリエや部屋が残されている。image by:ヒトミ☆クバーナ

博物館には、フリーダやディエゴの作品のほか、当時の生活道具が展示されています。

  • フリーダ・カーロ博物館(Museo Frida Kahlo)
  • Londres 247, Del Carmen, Coyoacán, 04100 Ciudad de México
  • 公式サイト

コヨアカンのおすすめグルメ&ショッピングスポット

コヨアカンには、おしゃれなレストランやカフェのほか、お土産市場や屋台もあります。そこで、私が何度も通ったおすすめの店を紹介します。

伝統的なメキシコ料理が味わえる「ラス・ルピータス」

image by:ヒトミ☆クバーナ

メキシコらしいカラフルな店内で、各地の郷土料理が食べられる「ラス・ルピータス」。店内はどこを切り取ってもかわいく、絶好の撮影スポットになるので、おすすめです。

  • ラス・ルピータス(Merendero Las Lupitas)
  • Jardín Sta Catarina 4, Santa Catarina, 04010 Ciudad de México
  • 公式サイト

おいしいメキシココーヒーの店「カフェ・エル・ハロチョ」

実はメキシコでは、グアテマラやコロンビアに負けない、おいしいコーヒーが飲めます。「ハロチョ」と呼ばれるこの店は、豆から挽いたコーヒーを出す人気店です。

ちなみにハロチョとは、メキシコのベラクルス州出身の男性を指す言葉。コーヒー豆栽培が盛んなベラクルスの味を、ぜひ楽しんでください!

  • カフェ・エル・ハロチョ コヨアカン(Café “El jarocho”. Coyoacán)
  • Cuauhtémoc 134, Del Carmen, 04100 Ciudad de México
  • 公式サイト

メキシコ各地のお土産がそろう「メキシコ民芸品市場」

image by:ヒトミ☆クバーナ

コヨアカンでとくに観光客に人気なのが、イダルゴ広場にある民芸品市場です。オアハカ州の刺繍小物やテキーラのミニボトルなど、軽くてお土産にぴったりなものも多く売られています。

  • メキシコ民芸品市場(Mercado Artesanal Mexicano)
  • Felipe Carrillo Puerto 25, Coyoacán, Ciudad de México
  • 電話番号
  • 公式サイト

どこを切り取ってもフォトジェニック!

image by:ヒトミ☆クバーナ

コヨアカンは、スペイン植民地時代の面影を残したコロニアルな建物が多く、散歩しているだけでフォトジェニックな風景に出会えます。

image by:ヒトミ☆クバーナ
image by:ヒトミ☆クバーナ
image by:ヒトミ☆クバーナ

よく見ると、いろんなところにコヨーテが隠れているんですよ。

image by:ヒトミ☆クバーナ

平日のコヨアカンは、とても静かで、まさに「都会のオアシス」という感じ。一方、週末は屋台が出たり、大道芸やストリートミュージシャンが現れたりと、活気にあふれます。メキシコシティに遊びに行くなら、ぜひ、コヨアカンにも足を伸ばしてくださいね!

  • image by:Kamira/Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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メキシコ帰りの関西人ライター。大阪在住、夫はメキシコ人。渡航歴はオーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、キューバ、韓国など。元劇団員で元バーテンダー。映画、お酒、博多大吉を愛す。

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