知ってて当然?専門家に聞いた、年末年始に注意したい食事会の席次
個室の座敷の場合、上座はどこ?
年末年始の飲食ともなると、個室の座敷などで食事を楽しむ機会もあるかと思います。会社関係はもちろんですが、配偶者の家族などと食事をする際にも、スマートに相手の両親を上座に導きたいですよね。椎屋さんによれば、
「床の間のある和室の場合、最上座は床の間の前になります」
との話。床の間がない場合でも、出入り口(廊下)から最も遠い席が上座で、出入り口に最も近い席が下座になると言います。床の間の前が最上座、次いで床の間の前ではないものの、出入り口から遠い側の席に上客を通し、下座は出入り口に近い側で、立場的に最も低い人間は出入り口の前に席を取るといいみたいですね。
移動中のタクシーや自動車での上座は?
年末年始、上司や配偶者の家族などと食事を楽しむ場合、現地集合とは限りませんよね。どこかから一緒に移動するケースも少なくないと思います。そこで念のためタクシーの席次も整理しておきましょう。
「タクシーでは運転手の背後が最上座になり、助手席の背後が2番目、3番目はその間、下座は助手席になります」
との話。では3人でタクシーに乗る場合はどうなるのかと聞いてみると、
「後部座席に3人が並ぶと窮屈になるため、最も立場的に低い人間が助手席に乗るといい」
との話でした。自家用車に関しては、
「運転手が誰なのかによって変わります」
と、ちょっとルールは複雑になります。運転手が立場的に最も格上の人の場合、助手席が最上座になるとかで、後部座席の序列は高い順から運転席の後ろ、助手席の後ろ、その間といった順序になるみたいですね。
以上、年末年始に注意したい席次マナーについて紹介しましたが、いかがでしたか?特にその手の問題を気にしない相手だとしても、さりげなく上座に導いてあげれば、内心では感心してくれるかもしれません。人と会う機会が多い年末年始だからこそ、どの場面でもスマートに振る舞えるといいですね。
- 取材協力
- 椎屋美根子・・・クールジャパン講師会会長。海外でのVIP接遇を経て、プロトコール(国際儀礼)を身につける。2011年人材育成事業『Office Heartful Manner』を起業し、国内外において講習、研修を行う。「日本の美徳文化」の継承には、多くの方の参加・体験が必要と考え、2014年、「クールジャパン講師会」を設立。国際交流基金アジアセンターの助成を受けながら、次世代や文化の異なる外国人に、正しい日本理解につながる活動を積極的に行う。
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