「皿うどん」にウスターソースをかける人は、ほぼ長崎市民です
「長崎名物」といえば、あなたは何をイメージしますか?おそらく多くの方が「チャンポン」と「皿うどん」をイメージしたのではないでしょうか?この2つの料理は、長崎の地元民の間ではまさに「ソウルフード」といえる存在です。今回は無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』でおなじみの長崎出身のジンダオさんが、長崎市民のチャンポンと皿うどんへの強すぎる愛情とこだわりについて語っています。これを読んだあとは、チャンポンと皿うどんが食べたくなること間違いなし!?
長崎市民と「チャンポン」と「皿うどん」の距離感
こんにちは、長崎を愛し、長崎に愛された男こと「ジンダオ」です。
突然ですが皆さん、長崎と言えば何を思い出しますか? カステラ? チャンポン? 皿うどん? あるいは、軍艦島?福山雅治?
長崎は名物料理に歴史的な観光資源、意外と多い有名人など、ネタに事欠かない街なのですが、今回は私も大好きな長崎市民のソールフード「チャンポン」「皿うどん」についてご紹介したいと思います。
県外の人からすると「チャンポン」や「皿うどん」は中華料理の一つで、「中華料理屋やチェーン店で食べる品」と思っているかも知れませんが、長崎ではチョット違います。長崎市内では街の定食屋でも食べることができる料理なのです。カツ丼セットなどが並ぶメニューの中に、「チャンポン」と「皿うどん」の文字が並びます。学校給食でも献立表に「チャンポン」と「皿うどん」の文字が。 また自宅でも普通に家庭料理として作られる料理。我が家では母親が腕をふるい晩御飯に「チャンポン」や「皿うどん」が、家庭料理としてテーブルの中央に鎮座します。そのため昼に「チャンポン」、自宅の夕食に「皿うどん」こんな事も十分あり得る長崎の食卓事情です。
長崎市民を見分ける質問、「皿うどん」に何をかける?
長崎市民を一発で見分けるコツ。それは「皿うどん」に何を掛けるか質問すること。長崎市民はほぼ100%の確率で「ウスターソース」と答えるでしょう!実は全国的にも「ウスターソース」を掛けると思っていたのですが、全国的には「お酢」を掛けるそうですね。うーん、そんなの「皿うどん」じゃない!!
我が家で注文をして届けてもらった「皿うどん」。割り箸と比較してもらうとサイズが分かると思いますが、大皿にコレでもかと盛った三人前の「皿うどん」が。割り箸の横に黒い液体が入った容器があると思いますが、これが「ウスターソース」。こんなポリ容器がなかった私の幼少時代は、「リポビタンD」か「赤まむしドリンク」のガラスの空き瓶に、ウスターソースを注いで出前に来ていました。
ちなみに上記の写真の皿うどんは中華飯店「じゅん」のもの。こちらのお店はテレビ「鉄腕ダッシュ」でも紹介された、地元民に愛される名店です。
長崎市民の「皿うどん」へのこだわり
また、「皿うどん」は「チャンポン」と違い、2種類の麺を選択することができます。
一つは「太麺」。これは「チャンポン」で利用する「チャンポン麺」を「皿うどん」に利用。そのため雰囲気的には「汁なしあんかけチャンポン」な感じになります。
もう一つは「細麺」。これは「皿うどん」の専用の麺を使うのですが、「そうめん」のように細い麺を一旦油で素揚げした麺を使います。パリパリした食感が特徴のこの「細麺」、皿うどん麺を製造する製麺所によっては、「普通細麺」と「極細細麺」など、麺の細さが違う麺を製造して、食感の違いを楽しめるよう工夫をしています。
ここで問題になるのは「皿うどん太麺派」と「皿うどん細麺派」の派閥問題。
「太麺だったら皿うどんではない」「細麺はお腹にたまらない」など、それぞれの派閥の主張があり、「皿うどん愛」を対抗派閥に訴えるのですが、いずれにしても「皿うどん」が大好きなのです。
腹を満たすなら「太麺」、酒のツマミにするなら「細麺」。こんな手打ちでいかがでしょうか?
個人的には「細麺」が、あんかけと馴染んだ翌朝の皿うどんが大好き。全体的に麺がシナシナで一部パリパリな食感が最高!ご飯に乗せるのもアリです。ちなみに「皿うどん」を「あんかけ焼きそば」と”同じ”と言われると、「皿うどん太麺派」と「皿うどん細麺派」の両派閥とも怒りかねません。
「焼きそば麺」ではなく、「パリパリ細麺」か「チャンポン太麺」。これは長崎市民にとっては大きな問題なのです。県外で「チャンポン」を頼んで「普通のラーメン用の麺」が使われていた時には、「あんなのチャンポンじゃない…!!」と、長崎市民のショックは翌日まで続くのでした。