冬の芸術作品。都内で見られる氷爆「払沢の滝」
綾滝、吉祥寺滝、九頭竜の滝、天狗滝、中山の滝、払沢の滝…いくつか名前を挙げた「滝」ですが、これらはすべてて、東京都内にある滝なのです。
え?都内に滝なんてあるの?とも思うかもしれませんが、都内には名前が付けられている滝だけでも28もあるというから驚きです。無名の「滝」も含めると、さらに多くの滝があるのかもしれませんね。
そんな意外に多くの滝が存在する東京都の中で、唯一“日本の滝100選”に選ばれているのが、今回ご紹介する「払沢の滝(ほっさわのたき)」です。
都内でまさかの“氷瀑”を見ることができる払沢の滝へ
払沢の滝があるのは、伊豆諸島などの島々を除けば東京都内では唯一の村である、東京都西多摩郡の檜原村です。
滝の近くに駐車場も完備されており、そこからさほど歩かずに見に行くことができる気軽さでありながら、落差60m(4段から成る滝で1段目の滝は26m)もある立派な滝なのです。
さらに、この払沢の滝は“凍る滝”つまり“氷瀑”であることでも有名です。そんな珍しい滝が気負わずさほど歩かずに見に行けるというなら、見に行かなければもったいないですよね。
と、いうことで2019年1月下旬、早速行ってきました。駐車場の看板には徒歩15分と書いてあります。看板に従って歩いていけば道に迷うことはなさそうです。
滝への小道の入口にはギャラリー喫茶があります。残念ながらこの日はお休みでしたが、なかなか雰囲気のあるカフェのようですね。
小道は比較的整備された歩きやすい道なので、山歩きを意識した靴でなくとも大丈夫かと思いますが、ヒールやサンダルで行くのは避けた方がいいでしょう。また、冬の時期はさすがに薄手の服装だと凍えるかと思うのでご注意ください。
途中、郵便局のような建物がありました。「森のささやき」という看板と共に「郵便館」と書いてあります。郵便局ではなく、山のお土産屋さんのようなお店ですね。
払沢の滝の写真や、山にちなんだ土産物などが置いてありました。
しばらく歩くと左手に、大きなアーチ状の物体が現れます。氷のオブジェと称される、アーチ状に形作られた氷柱です。
木々から落ちた枝やツタをアーチ状に形成し、水を吹きかけることで形作られたものです(花道家の上野雄次さんの作品)。
写真ではサイズ感が伝わりづらいのですが、事前に写真で見て予想していたサイズよりもかなり大きく、高さは3m近くあるように感じました。
側に近寄る事はできますが、危険なので触れたりくぐったりしないようにしましょう。
氷のアートを過ぎたら、滝はもうすぐそこです。ちなみに、滝のすぐ手前には休憩所があります。
暖かい時期ならゆっくり休んで見学することもできそうですが、滝が凍る季節に休憩所でゆっくりしていると、身体が冷え切ってしまいそうですね。